デルファイ・オートモーティブ

デルファイ・オートモーティブの企業情報

デルファイ・オートモーティブ(Delphi Automotive PLC)は、アメリカに本社を構える自動車部品の大手メーカーです。

1999年、ゼネラル・モーターズ(GM:General Motors Company)の部品内製部門(ACG:Automotive Components Group)が分社するかたちで誕生しました。ACGは1995年にデルファイ・オートモーティブ・システムズ (Delphi Automotive Systems) に社名を変更しており、分社後の2002年に現在の社名となりました。
2004年に売上高260億ドルを達成し、自動車部品メーカーとして世界最大規模の企業となりましたが、2000年代に入ってから推し進めたM&Aが原因で経営が悪化し、2005年10月に米国連邦破産法第11章(Chapter11)を申請。
2006年から2007年にかけて、Shanghai Delphi Automotive Air Conditioning(SDAAC)への追加投資、中国テクニカルセンター(CTC)の開設、北京汽車工業とのシートベルト生産の合弁会社設立など、中国での展開を加速。
2009年に事業再編計画を完了し、米国連邦破産法第11章から脱却しました。労働コストが高い先進国での生産拠点の整理と、新興国での生産体制の整備により、2011年以降は高い収益性(EBITDA13%前後)を維持しています。

2014年の時点では、世界33ヶ国に129の製造拠点、15のテクニカルセンターを有しており、約127,000人の従業員を抱えています。
事業体制は、電子・電子アーキテクチャー、パワートレインシステム、電子・安全、サーマルシステムの4部門で構成されていましたが、サーマルシステムについては、2015年7月、ドイツの自動車部品メーカーであるマーレ(Mahle)に7億2,700万ドルで売却しました。
また、2015年に中国の自動車部品メーカーである東北工業集団(Northeast Industries Group)に、受信システム(自動車用アンテナ、車載テレビチューナーなどを扱う)事業を売却することで合意しました。

現在は先進運転支援システムやインフォテインメントシステムなど、成長分野に関する企業買収・技術提携などに注力しています。

売上等の推移(直近3年間)

売上高推移

連結
  • 1,821,171百万円

2013年度

  • 1,875,379百万円

2014年度

  • 1,834,965百万円

2015年度

経常利益推移

連結
  • 182,226百万円

2011年度

  • 162,745百万円

2012年度

  • 184,283百万円

2013年度

  • ※米国SEC基準会社・国際会計基準会社は、経常利益に当たるものがないため、税前利益を経常利益とみなします。

従業員数推移

連結

2014年における売上高は、北米とアジア太平洋地域における売上高の増加が影響し、170億2,300万ドルで前年比3.4%増となりました。
また、営業利益は18億4,700万ドルで前年比9.7%増、税引前利益は17億5百万ドルで前年比12.0%増、純利益は14億4千万ドルで前年比10.7%増となりました。

部門別の売上高は

  • 電気・電子アーキテクチャーが82億7,400万ドルで前年比3.8%増
  • パワートレインシステムが45億7,500万ドルで前年比3.4%増
  • 電子・安全が28億5,900万ドルで前年比1.0%増
  • サーマルシステム(※)が15億5,600万ドルで6.0%増

となりました。

※サーマルシステムについては、2015年7月に、ドイツの自動車部品メーカーのマーレ(Mahle)に売却しています。

事業戦略

事業方針

デルファイ・オートモーティブの基本方針は、強固な財政基盤の構築と、成長分野(先進運転支援システムやインフォテインメントシステムなど)における成長です。

また、成長が著しいアジア太平洋地域の市場を強化しています(2014年の売上高に占めるアジア太平洋地域の割合は23.3%)。特に中国を重視し、2020年までに中国における売上高を2012年基準(23億ドル)で4倍とする考えを示しています。
2013年の段階で、中国での売上高は全世界の売上高の16%を占めていましたが、2020年までにこの割合を25%に引き上げる方針です。

他社との提携に関しては、下記のとおりです。

  • 亜新科工業技術有限公司(ASIMCO Technologies Limited)の子会社である北京亜新科天緯油?油嘴股?有限公司(ASIMCO Tianwei Fuel Injection Equipment(Beijing)Co.,Ltd.)と、フューエルインジェクションシステムの購買契約を締結。インジェクター、インジェクションノズルなどの供給を受ける予定。
  • 燃料システムの製造を行うカナダの自動車メーカー、ウエストポート・イノベーションズ(Westport Innovations)と、天然ガスシステムの共同開発を行うと発表。ウェストポートの高圧直噴システム「Westport HPDI」を大型エンジン向けのシステムとする予定で、2018年頃までに年間生産能力を10万ユニットとする方針。
  • ソフトウェア開発を行うアメリカのソフトウェア会社、オットーマティカ(Ottomatika)と自動運転に関する技術の共同開発で提携。2015年に同社を買収。
  • 中国最大の検索エンジンを提供する企業、百度(Baidu)と車載インフォテインメントシステム分野で提携。

なお、2015年7月、ドイツの自動車部品メーカーであるマーレ(Mahle)にサーマルシステム事業を7億2,700万ドルで売却しました。デルファイ・オートモーティブは2016年の目標売上高210億ドルを掲げていましたが、この売却によって、目標を2017年に190億ドルと下方修正しています。
これに関連し、デルファイ・オートモーティブとマーレの中国合弁会社である上海徳爾福汽車空調系統(Shanghai Delphi Automotive Air-Conditioning System)の持分も、マーレが取得することになっています。

注力分野

デルファイ・オートモーティブは、先進運転支援システムやインフォテインメントシステムといった「成長分野に関する企業買収と技術提携」に注力しています。

2014年、アメリカのソフトウェア会社であるオットーマティカ(Ottomatika)と、自動運転の実現に寄与するシステムの共同開発を実施することで合意しました。デルファイ・オートモーティブのアクティブセーフティシステムとオットーマティカの自動運転ソフトウェアを融合させ、市街地や高速道路での走行時、車両が人間に近い意思決定ができるような技術プラットフォームの開発を実施するとしています。
なお、デルファイ・オートモーティブは2015年にオットーマティカを買収しました。

このほか、3D測域センサー「LiDAR」を生産するクアナジー(Quanergy)に戦略的投資を行うなど、先進運転支援システム事業の強化を推進しています。
また、気筒休止システムのコスト効率と燃費を向上させるソフトウェア開発を行っているトゥラ・テクノロジー(Tula Technology)に少額投資を実施しました。
さらに、中国最大の検索エンジンを提供する百度(Baidu)と車載インフォテインメントシステムに関する提携を締結。百度のスマートフォンと連携してカーナビゲーションなどを行う「Carlife」というサービスを、デルファイ・オートモーティブの次世代車載インフォテインメントプラットフォームと組み合わせることで、中国ユーザー向けの円滑なコンテンツ提供を実現したい考えです。

デルファイ・オートモーティブは上記以外にも、成長分野における事業拡大・強化のため、以下のような企業買収を実施しています。

  • データ・メディアコネクティビティ事業を強化するため、メディアコネクティビティ製品(スマートフォンやタブレットと車載インフォテインメントシステムの双方向のデータ接続を可能にする製品)を生産するアメリカのUnwired Technologyを買収。
  • 自動車用電気コネクター事業の製品ラインナップを拡充させるため、北米最大手の自動車ガラス用コネクターメーカーのAntaya Technologiesを買収。
  • コネクテッド・カー向け製品のラインナップ拡充を目指し、イギリスのケーブルマネジメント製品メーカーであるヘラマンタイトングループ(HellermannTyton Group)を買収。

技術動向

デルファイ・オートモーティブは2014年時点で、全世界に15のテクニカルセンターを有しており、2万人を超える従業員が研究開発活動に携わっています。

下記は、デルファイ・オートモーティブの研究開発活動の一例です。


・車車間(V2V)・路車間(V2I)通信技術の市場投入を発表

ドライバーへの警告機能を強化した、車車間・路車間の通信技術。既存の先進運転支援システムを拡張、車から車へ無線信号により交通データを送信し、視界外やセンサーが到達しない範囲も含め、路上で発生する可能性のある現象(道路状況、危険状況、工事、緊急車両、低作業者、渋滞、事故など)をドライバーに警告することが可能。

・ディーゼルコモンレールシステムを発売

小型車・中型車向けディーゼルソレノイドインジェクター、燃料ポンプ、ECU(Engine Control Unit,エンジンコントロールユニット)、レールを含むディーゼルコモンレールシステム。燃料のリークが減少し、1サイクルあたり9回の燃料噴射が可能。

・レーダーとカメラの融合型安全システムの市場投入を発表

交差点での衝突を防ぐ自動ブレーキシステムを搭載したボルボ(Volvo)「XC90」に、レーダーとカメラが一体となったデルファイ・オートモーティブの「RACam」が採用。「RACam」は長距離検知を行うレーダーと障害物検知機能を持ったカメラが一体化したモジュール。

・自動運転で北米最長距離の大陸横断走行を目指す計画を発表

ラスベガスで開催された国際家電ショー「CES 2015」に展示されたデルファイ・オートモーティブの自動運転車で、約3,500マイルの大陸横断走行を行う計画。同車にはレーダー、ビジョンシステム、先進運転支援システム、マルチドメインコントローラー、車車間・路車間通信といった技術・機能を搭載。

グローバル展開

デルファイ・オートモーティブは2014年の時点で、世界33ヶ国に129の製造拠点、15のテクニカルセンターを有しています。
製造拠点の地域別の内訳は、北米が39ヶ所、ヨーロッパ・中東・アフリカが45ヶ所、アジア太平洋が34ヶ所、南米が11ヶ所。
テクニカルセンターの地域別の内訳は、北米が5ヶ所、ヨーロッパ・中東・アフリカが5ヶ所、アジア太平洋が4ヶ所、南米が1ヶ所です。

※2015年7月のサーマルシステム事業の売却に伴い、ポーランド、スロバキア、ハンガリー、アメリカ、メキシコ、ブラジル、中国、インドの13工場と、アメリカとルクセンブルクのテクニカルセンター3ヶ所が、ドイツの自動車部品メーカーであるマーレ(Mahle)に渡っています。

デルファイ・オートモーティブは成長性の高いアジア太平洋地域における事業を強化しており、特に中国における売上高を2020年までに2012年基準(23億ドル)で4倍とする方針を示しています。


○中国での取り組み

  • 2014年9月、中国の上海のパワートレイン工場においてガソリン直噴(GDI:Gasoline Direct Injection)高圧燃料ポンプの生産を開始。同製品は高精度・低騒音・低燃費が特徴。
  • 2014年5月、蘇州工業園区(Suzhou Industrial Park)に敷地面積1,500平方メートルのテクニカルセンター「徳爾福電子(蘇州)研発中心(Delphi Electronics(Suzhou)Technical Center)」を設置。3千平方メートルまで拡張が可能。
  • 2014年5月、中国の天津武清開発区(Wuqing Development Area,Tianjin)におけるワイヤーハーネス生産拠点の建設を発表。敷地面接は4万平方メートル、総投資額は1億元。自動車ワイヤーハーネス、車載電話、車載インフォテインメントシステムなどの製品を、主にメルセデス・ベンツ(Mercedes-Benz)や長城汽車に向け生産。
  • 2015年7月、グループ会社の徳爾福派克電気系統有限公司(Delphi Packard Electric Systems Co.,LTD.)が、中国広東省江門市のハイテク開発区において、自動車部品生産拠点を建設すると発表。敷地面積は46,000平方メートル、投資額は2千万ドル。2016年に生産を開始し、広州フィアット(Fiat)や日産自動車などに供給。

部門構成・部門ごとの方針

2014年の時点で、デルファイ・オートモーティブの事業体制は以下の4部門で構成されています。

  • 電気・電子アーキテクチャー(主要製品分野:電気・電子ディストリビューションシステム)
  • パワートレインシステム(主要製品分野:ディーゼル/ガソリンエンジンマネジメントシステム)
  • 電子・安全(主要製品分野:車体制御、パワーエレクトロニクス、パッシブ/アクティブセーフティ用電子機器、インフォテインメントシステム、コネクティビティシステム、ディスプレイ、メカトロニクス)
  • サーマルシステム(主要製品分野:パワートレイン冷却、HVAC(Heating,Ventilation,and Air Conditioning,冷暖房空調設備)システム)(※)
    ※サーマルシステムについては、2015年7月、ドイツの自動車部品メーカーであるマーレ(Mahle)に売却しています。

デルファイ・オートモーティブの報道ニュース一覧

会社概要

社名 日本デルファイ・オートモーティブ・システムズ株式会社
設立年 1998年10月7日
本社所在地 〒192-0081 東京都八王子市横山町25-6 八王子横山町ビル
代表取締役 笹原 章
資本金 403百万円

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