フェデラル・モーグル

フェデラル・モーグルの企業情報

フェデラル・モーグル(Federal-Mogul Holdings Corporation)は、乗用車、小・中・大型車、産業用輸送車向けにパワートレインを供給している、アメリカの自動車部品メーカーです。
エンジン部品メーカーとしては同国最大手で、ピストン、ピストンリング、シリンダーライナー、エンジンベアリング、点火プラグのほか、補修用ブレーキ摩擦材などを扱っています。

1899年に設立されたMuzzy-Lyon Co., Ltd.がフェデラル・モーグルの前身です。1955年にFederal-Mogul-Bower Bearings, Inc.に、1965年にFederal-Mogul Corporationに社名を変更しました。

1990年代には、他社の自動車部品関連事業の買収や合弁会社の設立などを積極的に行い、事業を拡大。この時期のM&Aの一例としては、アメリカの自動車部品メーカーであるTRW オートモーティブ(TRW Automotive)(現:ゼット・エフTRW(ZF TRW Automotive Holdings Corp.))のAutomotive aftermarket事業の買収や、日本の自動車部品メーカーであるTPRとの合弁会社設立などが挙げられます。

2001年、連邦破産法第11条(Chapter 11)の適用を申請しますが、2007年末には脱却しました。
2000年代後半から、ブラジル、ロシア、中国などに拠点を設立し、海外展開を加速。2012年代にはボルグワーナー(BorgWarner Inc.)のスパークプラグ事業を買収しました。

2012年、パワートレイン部門と車両部品部門による事業部制を採用。2014年にホールディングカンパニー制を導入し、現社名に変更しました。また同年、車両部品部門をモーターパーツ部門に変更しています。

さらに、2014年にはハネウェル(Honeywell International Inc.)の摩擦材事業とアフィニア・グループ(Affinia Group Inc.)のシャシー事業を、2015年にはゼット・エフTRWのエンジンバルブ事業を買収するなど、積極的なM&Aを実施しています。

2014年末時点では、世界34ヶ国以上に99の生産拠点を有し、約48,600人の従業員を抱えています。
事業体制は、以下の2部門で構成されています。
・パワートレイン部門(Powertrain)
・モーターパーツ部門(Motorparts)

現在は、主に新興国における生産拠点の設置や、M&Aによる事業拡大に注力しています。

売上等の推移(直近3年間)

売上高推移

連結
  • 821,106百万円

2013年度

  • 885,357百万円

2014年度

  • 897,699百万円

2015年度

  • ※米国SEC基準会社・国際会計基準会社は、経常利益に当たるものがないため、税前利益を経常利益とみなします。

2014年における売上高は、73億1,700万ドルで前年比7.8%増となりました。
また、EBITDAは6億2,400万ドルで前年比5.6%増となりました。

部門別の売上高は、

  • パワートレイン部門(Powertrain)が44億3千万ドルで前年比6.2%増
  • モーターパーツ部門(Motorparts)が32億9,200万ドルで前年比8.8%増

となりました。

パワートレイン部門については全販売地域での売上増と市場シェア拡大が、モーターパーツ部門ではアフィニア・グループ(Affinia Group Inc.)のシャシー事業とハネウェル(Honeywell International Inc.)の摩擦事業の買収が影響し、それぞれ売上高が増加しました。

事業戦略

事業方針

フェデラル・モーグルが手がけているエラストマーシール「MicroTorq」の年間生産量が、2015年からの5年間で1,000万ユニットを超えると予測されているため、今後、メキシコやハンガリー、中国などの拠点で、同製品の生産能力を増強する方針を示しています。

フェデラル・モーグルのM&Aや他社との提携に関する動向は以下のとおりです。

  • 2014年5月、製品ラインナップの拡大などを目的に、アメリカの自動車部品メーカーであるアフィニア・グループ(Affinia Group Inc.)のシャシー事業を買収。
    買収金額は約1億4,900万ドル。同事業が行っていたのは、アメリカにおけるアフターマーケット顧客へのシャシー製品の販売。
  • 2014年7月、アメリカの自動車部品メーカーであるハネウェル(Honeywell International Inc.)の摩擦材事業の大部分を買収したと発表。買収金額は約1億5,500万ドルで、買収対象となったのはヨーロッパ、中国、ブラジルの拠点。
    同事業が行っていたのは、乗用車、小型トラック、商用車、産業機器向けのディスクブレーキパッドやブレーキシステム部品の生産および完成車メーカーやアフターマーケットへの供給。
  • 2015年3月、インドの自動車部品・システムメーカーであるアナンド(Anand Automotive Limited)との合弁で、シーリングを生産するFederal-Mogul Anand Sealings India Limitedと、ピストンリングを生産するAnand I-Power Limitedを設立し、アナンドのシーリング事業とピストンリング事業を移管することで合意したと発表。
  • 2015年7月、アメリカの自動車部品メーカー、ゼット・エフTRW(ZF TRW Automotive Holdings Corp.)が保有するエンジン部品合弁会社2社の株式を取得し、同社のエンジン部品事業を買収。買収金額は3億8,500万ドル。同事業が行っていたのは、乗用車用エンジン、大型エンジン、産業用・船舶用大口径エンジン向けエンジンバルブの開発・生産。

技術動向

2014年末時点で、フェデラル・モーグルは世界各地域(北米、ヨーロッパ、アジアなど)に研究開発拠点を有しています。

下記は、フェデラル・モーグルの研究開発活動の一例です。


・エラストマーシール「MicroTorq」が複数のエンジンに搭載

同等製品と比較して最大80%摩擦損失を軽減したほか、エンジンのCO2排出量低減に寄与するシール。2015年初頭には、ゼネラル・モーターズ(GM:General Motors Company)のエンジン「Ecotec」向けの生産を開始。

・アルミ合金「DuraFprm-G91」を開発

既存の鋳物素材と比較し、高負荷ディーゼルエンジンにおける部品寿命が3~5倍に延びたというテスト結果が出たディーゼルピストン用アルミ合金。エンジンのさらなる高出力・効率化への対応も期待されている。

・2015年「フランクフルトモーターショー」での新エンジンバルブ技術の展示を発表

バルブヘッドからの熱流量を半減させ、高温への強い耐性を持たせたことで、エンジンのダウンサイジング化に寄与する中空バルブ。排気側(温度を低下させるため)にも吸気側(軽量化を図るため)にも使用可能。

・2015年「Automotive News PACE Award」で製品および技術が受賞

製品部門ではエラストマーシール「MicroTorq」が、生産プロセス部門では低摩擦ピストンリングパック技術「DuroGlide」が同賞を受賞。

・「Ward's 10 Best Engines」に選出された9基のエンジンに製品が採用

フェデラル・モーグル製品(ピストン、リング、ライナー、バルブシート、バルブガイド、ベアリング、ブッシュ、シール、ガスケット、システム保護製品など)を採用したエンジンを搭載した以下の完成車メーカーのモデルが同賞を受賞。

  • BMWの「i3」と「Mini Cooper」
  • フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA:Fiat Chrysler Automobiles N.V.)の「Dodge Challenger SRT Hellcat」と「Ram 1500」
  • フォード・モーター(Ford Motor Company)の「Fiesta」
  • GMの「Chevrolet Corvette Stingray」
  • スバルの「WRX」
  • フォルクスワーゲン(VW:Volkswagen)の「Golf」
  • ボルボ・カーズ(Volvo Cars)の「S60」

・高剛性クラッチピストン「Unipiston」を開発

クラッチへの圧力の増加、クラッチの高速化・大口径化などに対応するトランスミッションの設計が可能な製品。

・スチールエラストマーヘッドガスケットを提供

多層スチール技術とエラストマー系流体シールを組み合わせた、最大250バールのシリンダー圧力・最大1000℃の排気温度でも安定して作動する製品。ステンレス鋼やグラファイト素材と比較し、高温下においてもエキゾーストジョイントの高い密着性を実現。

グローバル展開

2014年末時点で、フェデラル・モーグルは世界34ヶ国以上に99の生産拠点を有しています。地域別の内訳は北米が31拠点、ヨーロッパ・中東・アフリカが41拠点、その他が27拠点です。
また、研究開発拠点についても本国アメリカのほか、ドイツ、ベルギー、イギリス、フランス、中国、ブラジルなどに設置しています。

フェデラル・モーグルは現在、特に新興国における事業体制の増強に取り組んでいます。


○新興国をはじめとした海外における取り組み

■中国での取り組み
  • 2014年10月、中国国内の自動車、高速鉄道、航空市場向けにシステム保護製品を生産するため、江蘇(こうそ)省常熟(じょうじゅく)市に工場を開設。同工場で生産される製品に含まれるエキゾースト絶縁スリーブ「Thermflex」は、主に乗用車、公共輸送車両向け。
  • 2014年11月、上海に設置していたエンジンベアリング工場、上海菲特爾莫古軸瓦有限公司(Federal-Mogul Shanghai Bearing)と上海菲特尓莫古複合材料有限公司(Federal-Mogul Shanghai Compound Material Co., Ltd.)の2工場を統合し、浦東新区(ほとうしんく)に移転。
    中国でのパワートレイン部品の需要拡大への対応が目的。移転・統合後の工場ではベアリング、ブッシュ、スラストワッシャーを生産し、2020年頃までに中国顧客向けエンジンベアリングの生産能力を倍増させる計画。
  • 2015年3月、中国の完成車メーカーからの需要増加と、厳格化する環境規制に対応するため、シーリングとガスケットの生産工場を江西(こうせい)省南昌(なんしょう)市に新設すると発表。敷地面積は2万4千平方メートル。同工場の設置によって、南昌拠点の生産能力が倍増。
  • 2015年10月、安慶環新集団有限公司(Anqing Huanxin Group Co., Ltd.)との合弁会社である輝門環新(安慶)粉末冶金有限公司(Federal-Mogul Huangxin (Anqing) Powder Metallurgy Co., Ltd.)が、安徽(あんき)省安慶(あんけい)市で開業。
    投資額は5千万ドル。敷地面積は1万7千平方メートルで、世界最大のバルブシートインサート・バルブガイドの生産工場となり、ターボエンジン、ノンターボエンジン、重工業用エンジンEGR(Exhaust Gas Recirculation,排気ガス再循環装置)、非EGR用製品を生産。
■韓国での取り組み
  • 2014年4月、世宗(せじょん)市のエンジンベアリング工場を拡張。アジア地域での鉛フリーエンジンベアリングの需要増に対応するのが目的。
■メキシコでの取り組み
  • 2014年10月、北米および南米の完成車メーカー向けにスチール製・鋳鉄製のピストンリングを生産する工場をプエブラに設置。投資額は15億ドル。フェデラル・モーグルのパワートレイン部門がメキシコに設置した工場はこれで7ヶ所目。同工場は数年間にわたり拡張する方針。

部門構成・部門ごとの方針

フェデラル・モーグルは、以下の2部門で事業体制を構成しています。


・パワートレイン部門(Powertrain)

ピストン、ピストンリング、シリンダーライナー、バルブシート、バルブガイド、ベアリング、点火プラグ、ガスケット、シール、熱シールド、安全部品などを扱っており、同部門の売上高の9割以上が完成車メーカー向けです。

・モーターパーツ部門(Motorparts)

ブレーキ用摩擦材、ブレーキ製品、シャシー部品、ガスケット、シーリング、ワイパーブレード、点火プラグ、エンジン部品などを扱っており、同部門の売上高の7割以上がアフターマーケット向けです。

なお、フェデラル・モーグルは2014年9月、上記の2部門を分社化(モーターパーツ部門をスピンオフ)すると発表しました。2011年頃から赤字化していたアフターマーケット事業を分社化することで、収益の改善と強化を図る方針です。

フェデラル・モーグルの報道ニュース一覧

会社概要

社名 フェデラル・モーグル ジャパン株式会社
設立年 1997年7月1日
本社所在地 〒224-0053 神奈川県横浜市港北区新横浜3-1-9アリーナタワー15階
代表取締役 佐藤宏一
資本金 200百万円

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