ZF TRW

ZF TRWの企業情報

ゼット・エフTRW(ZF TRW)は、変速機やサスペンションを扱うヨーロッパ最大の駆動系部品サプライヤーであるゼット・エフ(ZF Friedrichshafen AG)(以下、ゼット・エフ(ZF))グループの傘下に属す、アメリカの大手自動車部品サプライヤーです。主にアクティブ/パッシブセーフティシステムを手がけています。前身であるTRWオートモーティブ(TRW Automotive)が買収されたことで、ゼット・エフ(ZF)のアクティブ&パッシブセーフティテクノロジー(Active & Passive Safety Technology)部門を担う子会社となりました。

ゼット・エフTRW(ZF TRW)(旧:TRWオートモーティブ)は、1901年にネジの製造を行う会社として誕生しました。
2002年にはアメリカの航空機メーカーであるノースロップ・グラマン(Northrop Grumman Corporation)に買収されますが、2005年に株式の買い戻しを行い、2006年に証券取引所に登録。
2000年代後半にはデルファイ・オートモーティブ(Delphi Automotive PLC)の北米ブレーキ部品生産・モジュール組立事業関連資産や、Davey Bickford SNCから自動車用インフレーター事業を買収するなど、事業の拡大を推進しました。
2014年、ゼット・エフ(ZF)による買収に合意し、2015年5月に手続きが完了しています。

2014年末の時点では、世界20ヶ国以上に事業拠点を構えており、約66,900人の従業員を抱えています。
事業体制は以下の4部門により構成されています。
・シャシーシステム部門(Chassis Systems)
・乗員安全システム部門(Occupant Safety Systems)
・電子部品部門(Electronics)
・自動車部品部門(Automotive Components)

現在は、先進運転支援システム(ADAS:Advanced Driving Assistant System)分野のシェア拡大を目指し、カメラシステムと、カメラとレーダーを統合させたシステムの開発などに注力しています。

売上等の推移(直近3年間)

売上高推移

連結
  • 2,256,158百万円

2013年度

  • 2,467,610百万円

2014年度

  • 3,906,636百万円

2015年度

  • ※米国SEC基準会社・国際会計基準会社は、経常利益に当たるものがないため、税前利益を経常利益とみなします。

従業員数推移

連結

2014年における売上高は、アクティブ/パッシブセーフティシステム製品の需要の増加や、世界の主要市場での生産台数増加などが影響し、175億3,900万ドルで前年比0.6%増となりました。
また、営業利益は5億1百万ドルで前年比59.2%減、純利益は3億3,400万ドルで前年比66.8%減となりました。

部門別の売上高は、

  • シャシーシステム部門(Chassis Systems)が113億5,400万ドルで前年比1.2%減
  • 乗員安全システム部門(Occupant Safety Systems)が33億5,700万ドルで前年比1.3%増
  • 電子部品部門(Electronics)が9億3,700万ドルで前年比30.0%増
  • 自動車部品部門(Automotive Components)が18億9,100万ドルで前年比0.9%減

となりました。

事業戦略

事業方針

ゼット・エフTRW(ZF TRW)は、ゼット・エフ(ZF)との合併によって重複する非主力事業を売却し、引き続き主力事業であるアクティブ/パッシブセーフティシステムの開発と生産拡大を進める方針です。

非主力事業については、2015年2月、エンジンバルブ事業をアメリカの自動車部品サプライヤーであるフェデラル・モーグル(Federal-Mogul)に3億8,500万ドルで売却し、同年8月、リンケージ・サスペンション事業を日本の機械要素部品メーカーであるTHKに4億ドルで売却しています。

なお、2015年のゼット・エフ(ZF)によるTRWオートモーティブ(TRW Automotive)の買収完了から、3~5年かけてゼット・エフTRW(ZF TRW)をグループに統合する計画です。

このほか、2017年から北米で小型トラック向けの電動パーキングブレーキ(EPB:Electric Parking Brake)を供給する方針を示しています。これによって先進運転支援システムとの連携をアピールし、トラックやSUV(Sport Utility Vehicle,スポーツ用多目的車)での採用を拡大させたい考えです。

注力分野

ゼット・エフTRW(ZF TRW)は先進運転支援システム(ADAS:Advanced Driving Assistant System)分野のシェアを拡大させるため、カメラシステムと、カメラとレーダーを統合させたシステムの開発などに注力しています。

2015年7月には、車線維持支援(LKA:Lane Keeping Assist)システムや自動緊急ブレーキ(AEB:Automatic Emergency Braking)に用いられるビデオカメラセンサー「エスキャム(S-Cam)3」の供給を開始しました。次世代カメラシステムである「S-Cam4」もすでに受注しており、2018年からの供給を予定しています。

「S-Cam4」は従来よりも対象物の長距離検知機能が向上したカメラシステムです。画像変換処理機能には、衝突防止補助システムなどを手がけるオランダのモービルアイ(Mobileye)の「EyeQ4」が採用されており、ゼット・エフTRW(ZF TRW)の縦横方向のアルゴリズムと統合することで運転支援性能を向上させています。

また、2015年4月には中国への「S-Cam3」の投入と、日本におけるミリ波レーダーの適合開発の開始を発表するなど、アジア圏における先進運転支援システム関連製品のシェア拡大に向けた取り組みにも力を入れています。

このほか、ゼット・エフTRW(ZF TRW)は自動運転システム開発に向け、エンジニアリングチームの規模を倍増し、自動車メーカーとの協力体制を強化すると発表しました。

技術動向

2014年末時点で、ゼット・エフTRW(ZF TRW)は世界各地域に研究開発拠点を有しています。
部門別の内訳は、
シャシーシステム部門(Chassis Systems)が12ヶ所、
乗員安全システム部門(Occupant Safety Systems)が4ヶ所
電子部品部門(Electronics)が2ヶ所です。

2014年には、中国の上海にゼット・エフTRW(ZF TRW)最大の研究開発拠点を設置しました。研究開発だけでなく、デザイン、試験、検証、技術サービス、営業などの機能も備わっています。

下記は、ゼット・エフTRW(ZF TRW)の研究開発活動の一例です。


・次世代ブレーキコントロールシステム「IBC(Integrated Brake Control)」の量産開始を発表

ESC(横滑り防止装置,Electronic Stability Control)とブレーキブースターなどを一体化することで、ペダルからの入力を電気信号化するIBC。従来比で25~30%軽量化したほか、モーター制御により制動距離を短縮化。

・6ピストンポンプESC「EBC460」を新開発

自動運転機能、安全運転支援システム、シャシーシステム、ドライブトレインといった機能を制御するアルゴリズムを搭載。ESCの処理能力が強化されているため、多くのソフトウェアの搭載が可能。

・第2世代セーフティドメインECU(Electronic Control Unit,電子制御ユニット)「SDE2」が採用

カメラとレーダーの処理能力の強化により、360度全方位の検知を実現。自動車メーカー、サプライヤー、ソフトウェア会社のそれぞれのアルゴリズムの統合が可能。2018年よりヨーロッパとアメリカに向け供給開始予定。

・高速走行支援システムの半自動運転によるデモンストレーションの実施を発表

デモ走行する車両には、ビデオカメラセンサー「S-Cam(エスキャム)3」やベルトドライブ式電動パワーステアリング(EPSBD)、ESCなどを搭載。

・2015年「World Car of the year」のファイナリスト9台に製品が採用されたと発表

新型ルーフエアバッグ、前方監視カメラ、長距離レーダー、ブレーキ、ステアリングホイール、シートベルト、セーフティエレクトロニクス、センサーなどの技術やシステムが、ファイナリスト10台のうち9台に搭載されたと発表。
ファイナリストは、
BMWの「2 Series Active Tourer」と「Mini 5-door」、
シトロエン(Citroen)の「C4 Cactus」、
フォード・モーター(Ford Motor Company)の「Mustang」、
フォルクスワーゲン(VW:Volkswagen)の「Passat」、
マツダの「Mazda2」、
日産の「Qashqai」、
現代自動車(Hyundai Motor Company)の「Genesis」、
クライスラー(Chrysler)の「Jeep Renegade」、
ダイムラー(Daimler)の「Mercedes-Benz C-Class」
の10台。

・正面衝突時の後席用エアバッグの新システムを発表

ルーフや前席シート背面に搭載し、シートベルトシステムと組み合わせることにより、狭いスペースでも後部座席の乗員の頭部強打を軽減するシステム。前席の前後スライドに対応できるよう、特殊な形状のエアバッグを採用。2017年後半の生産開始を予定。

・次世代シートベルトバックル「RNS5s」を発表

フロント・リアシート向けのバックル。従来品よりも約15%の軽量化・約20%の小型化を実現。

・着火式インフレーター「SPI2 EVO」を発表

従来品より約35%軽量化し、小型化した着火式インフレーター。ヨーロッパや中国で販売される車両に搭載される、小型ルーフレール用エアバッグ向け。

・次世代カメラシステム「S-Cam4」を発表

従来品と比較して対象物の長距離検知機能が向上。衝突防止補助システムなどを手がけるオランダのモービルアイ(Mobileye)の「EyeQ4」を画像変換処理機能に採用し、ゼット・エフTRW(ZF TRW)の縦横方向のアルゴリズムと統合することにより運転支援性能を高めたシステム。

・「IAA国際商用車ショー」で2つの商用車用ステアリング技術を発表

1つ目は、運転制御性と安定性を高める、商用車用油圧パワーステアリングと乗用車用電動パワーステアリングのベルト駆動システムを組み合わせた「ReAX」。2つ目は、従来品と比較しエネルギー消費量を最大50%削減可能な油圧パワーステアリングポンプ「ActivMode」。

・次世代シートベルトリトラクタ―「フローティング・スプール1(FS1)」を開発

車両が衝突した際にベルトを固定するロックポールを省略し、ベルトに力がかかることによってリトラクターがロックされる仕組みを採用。パッケージングの柔軟性が向上し、従来品と比べ小型・軽量化を実現。

・ステアリングを操舵して衝突回避を支援する緊急時ステアリング支援(ESA:Emergency Steering Assist)システムを開発

緊急時ステアリング支援システムが車両を左右に誘導することで衝突回避を支援するシステム。前方を監視するカメラとレーダーが得たデータを電動パワーステアリングシステムに接続するインターフェースに統合。

グローバル展開

ゼット・エフTRW(ZF TRW)は世界20ヶ国以上に事業拠点を有しています。生産拠点の地域別の内訳は、北米が34ヶ所、ヨーロッパが71ヶ所、アジア・太平洋地域が25ヶ所、その他の地域が8ヶ所。研究開発拠点の内訳は、北米が7ヶ所、ヨーロッパが6ヶ所、アジア・太平洋地域が4ヶ所、その他の地域が1ヶ所です。

ゼット・エフTRW(ZF TRW)は成長性の高い市場(中国など)における事業展開を推進してきたため、地域別の売上高に大きな偏りが見られないグローバル展開を行っています。


○新興国をはじめとした海外における取り組み

■中国での取り組み
  • 2014年5月、子会社である天合東方(西安)安全気嚢気体発生器有限公司(TRW Dong Fang(Xi'an)Safety Airbag Inflator Co.,Ltd.)の設備増強(生産ラインの増設など)を目的として、1億元を投じると発表。
  • 2014年6月、上海市にゼット・エフTRW(ZF TRW)最大となる研究開発拠点を設置。自動車市場の成長が加速する中国において開発体制を整備し、受注を拡大させたい考え。
  • 2014年10月、子会社である上海天合汽車安全系統有限公司(Shanghai TRW Automotive Safety Systems Co.,Ltd.)の生産能力拡大を目的として、9,520万元で上海楽浦発展公司(Shanghai Yuepu Development Co.,Ltd.)の工場を貸借すると発表。
  • 2015年4月、江蘇省と陝西省に計3つの工場を設置すると発表。江蘇省にブレーキ工場と乗員安全システム工場を設置し、陝西省にも乗員安全システム工場を設置。
  • 2015年4月、次世代ビデオカメラセンサー「S-Cam(エスキャム)3」の中国市場への投入を発表。搭載されるのは大手北米自動車メーカーの複数モデル。
■インドでの取り組み
  • 2014年4月、Rane Groupとの合弁会社であるRane TRW Steering Systems(RTSSL)がエアバッグとシートベルトシステムの生産を開始。当初の年間生産能力は約32万ユニットだが、3~5年以内に約81万ユニットに拡大させる方針。
  • 2015年8月、合弁会社のRane TRW Steering Systemsの乗員安全システム部門(Occupant Safety Systems)が、チェンナイにエアバッグ工場を設置。当初の生産能力は約50万ユニットだが、市場の拡大に応じた拡張が可能。
■日本での取り組み
  • 2015年3月、日本国内で、日系自動車メーカー向けのECU(Electronic Control Unit,電子制御ユニット)を開発すると発表。2020年までにエンジニア数を倍増させ、開発体制を増強する計画。
  • 2015年4月、日本国内におけるミリ波レーダーの適合開発を開始すると発表。今後、普及が予想されるカメラとミリ波レーダーのセット装着を提案できる体制を整備することにより、受注の拡大につなげたい考え。
■メキシコでの取り組み

2014年、Cifunsaとの合弁会社であるEvercast, S.A. de C.V.に1,700万ドルを出資。

部門構成・部門ごとの方針

ゼット・エフTRW(ZF TRW)の事業体制は以下の4部門で構成されています。

  • シャシーシステム部門(Chassis Systems)(主要製品分野:ステアリングギア、ブレーキコントロール、モジュールなど)
  • 乗員安全システム部門(Occupant Safety Systems)(主要製品分野:エアバッグ、シートベルト、ステアリングホイールなど)
  • 電子部品部門(Electronics)(主要製品分野:シャシー電子部品、パワートレイン電子部品、ドライバーアシストシステム、センサー技術など)
  • 自動車部品部門(Automotive Components)(主要製品分野:車体制御機器、エンジニアファスナーなど)

部門別の生産拠点数は、シャシーシステム部門が64ヶ所、乗員安全システム部門が30ヶ所、電子部品部門が6ヶ所、自動車部品部門が8ヶ所です。

ZF TRWの報道ニュース一覧

会社概要

社名 ZF TRW(旧:TRWオートモーティブジャパン株式会社)
設立年 1970年9月
本社所在地 〒231-0801 神奈川県横浜市中区新山下1-16-5
代表取締役 中根 義浩

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