日立オートモティブシステムズ

日立オートモティブシステムズの企業情報

日立オートモティブシステムズ(日立AMS)は、主に自動車部品・システムの開発・製造・販売・サービスを行う、日本の総合部品サプライヤーです。自動車以外にも、輸送用・産業用機械器具・システムを手がけています。日立製作所が100%出資する、日立グループに属すサプライヤーです。

1930年、親会社である日立製作所が自動車用電装品の国産化に進出したことが、日立オートモティブシステムズの歴史の始まりです。日立製作所は1938年にトキコを関係会社とし、1964年に自動車機器事業部を設立しました。
1980年代頃から海外における製造拠点の設置や、完成車メーカーとの連携強化・合弁会社設立などを推進。1999年に自動車機器事業部から自動車機器グループに改称しました。
2002年、ユニシアジェックスを子会社化し、2003年に自動車機器事業部からオートモティブシステムグループに改称。2004年には日立製作所、トキコ、日立ユニシアオートモティブ(旧:ユニシアジェックス)が合併したほか、クラリオンの筆頭株主になりました。
クラリオンは2006年に連結子会社化しており、現在の日立オートモティブシステムズの車載情報システム(CIS)事業を担っています。
2000年代後半には各事業を強化するため、国内外の子会社の統合を推進。2010年代に入ってからは、中国やインド、メキシコ、インドネシアなどの新興国における生産拠点の新設・強化を積極的に行っています。

2015年3月末の時点では、海外に35ヶ所の製造拠点を有し、本国日本を含めた全世界で約38,900人の従業員を抱えています。
事業体制は、主に以下の4つの事業により構成されています。
・走行制御システム事業(製品分野:走行制御システム)
・パワートレイン&電子事業(製品分野:エレクトリックパワートレインシステム)
・車載情報システム(CSI)事業(製品分野:車載情報システム)
・エンジン機構事業(製品分野:エンジンマネジメントシステム)

現在は技術イノベーションの強化に注力しており、「環境」「安全」分野においては世界シェアの拡大を目指し、「情報」分野では先進運転支援システムの開発を強化しています。

売上等の推移(直近3年間)

売上高推移

連結
  • 892,119百万円

2013年度

  • 936,900百万円

2014年度

  • 1,001,100百万円

2015年度

  • ※米国SEC基準会社・国際会計基準会社は、経常利益に当たるものがないため、税前利益を経常利益とみなします。

従業員数推移

連結

2014年における売上高は、北米や中国での自動車需要の伸びが影響し、9,369億4,600万円で前年比5.0%増となりました。
また、営業利益は561億4,700万円で前年比18.6%増となり、EBITは349億4千万円で前年から約7倍増加しました。

事業別の売上高比率は、

  • 走行制御システム事業が約20%
  • パワートレイン&電子事業が約30%
  • 車載情報システム(CSI)事業が約20%
  • エンジン機構事業が約20%
  • その他が約10%

となりました。

日立オートモティブシステムズは経営計画において、2018年度の売上高を1兆2千万円、営業利益を880億円に引き上げることを目標に掲げています。

事業戦略

事業方針

日立オートモティブシステムズは経営計画において、2018年度の目標を設定しています。具体的数値目標は、売上高が1兆2千万円、営業利益が880億円です。

製品別では、世界シェア首位であるステレオカメラの売上高を2013年度比で6倍とする方針を示しています。
世界的な需要の増加が予測されるリチウムイオン電池については、2013年度比で7倍の売上高を数値目標として設定。
また、電子制御ユニットやハイブリッドシステムといったエレクトロニクス化製品の売上高比率を、2020年度に6割まで増加させる計画です。

地域別では、中国における売上高を2014年度比で倍増させる方針です。メキシコでは2013年度比で売上高を2.7倍に引き上げ、生産品目も13製品に増加させる方針。また、インドでは2020年度までに、2014年度比で9倍の売上高へ拡大させる目標を掲げています。

このほか、2020年度に以下の製品の売上高を、2012年度の5倍に引き上げる方針を示しています。

  • ベルト駆動式高機能電動パワーステアリング
  • 可変動弁システム
  • 電気制御システムブレーキ
  • HEV(Hybrid Electric Vehicle,ハイブリッド電気自動車)システム
  • EV(Electric Vehicle,電気自動車)システム

なお、他社との提携に関しては、日本の車載音響機器メーカーである子会社、クラリオンとの共同開発を推進しており、先進運転支援システム(ADAS:Advanced Driving Assistant System)の開発を加速させる方針です。

注力分野

日立オートモティブシステムズは、「環境」「安全」「情報」の各分野における技術イノベーション(エレクトロニクス化)の強化に注力しています。


○環境分野・安全分野

環境分野ではリチウムイオン電池やインバーターなど、安全分野では高速電動パワーステアリングやステレオカメラといった製品の技術イノベーションを強化することにより、世界シェアの拡大を狙っています。

○情報分野

車載情報システム(CIS)事業を担う子会社、クラリオンと共同で行っている先進運転支援システム(ADAS:Advanced Driving Assistant System)の開発を強化しています。特に、周辺監視カメラを搭載することによる自動駐車システムの開発に注力しており、2018年の実用化を目指しています。

技術動向

日立オートモティブシステムズは、日立グループが保有する技術やリソースを活用できる点を研究開発の強みとしており、北海道、茨城県、山梨県、神奈川県に4つの自社テストコースを有しています。
また、神奈川工科大学、アーヘン工科大学、東京農工大学、九州大学といった大学との連携による研究開発も行っています。

下記は、日立オートモティブシステムズの研究開発活動に一例です。


・自動運転技術を搭載した車両を公開

ステレオカメラ、ミリ波レーダー、高精度地図、電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)などを搭載した、自律走行・自動駐車が可能な車両。茨城県、茨城大学との産学官連携プロジェクトとして、2015年12月からテスト走行を実施。

・自動運転向け電子制御ユニットを開発

情報認識と車両制御の同時処理が可能な電子制御ユニットで、同種の製品開発は世界初。情報認識からシステムが作動するまでの制御速度を上げ、早期実用化させたい考え。

・日産自動車の「エクストレイルハイブリッド」および同社が中国で展開する「ムラーノ・ハイブリッド」にリチウムイオン電池パックが採用

グループ会社の日立ビークルエナジーが手がける円筒形電池セルに、日立オートモティブシステムズの電池制御システムなどを統合した電池パック。

・電動車両向けインバーターを開発

日立製作所の半導体技術と、日立オートモティブシステムズのインバーター技術を統合させることで開発されたインバーター。従来の製品と比較し、電力損失が60%減少し、電力容量が約2倍に増加。

・アメリカのミシガン州で自動運転の走行テストを実施

自動運転に特化した専用の施設で、あらゆる天候状況での市街地走行を想定した、先進運転支援システム(ADAS:Advanced Driving Assistant System)やコネクテッドカーなどのテストを実施。ミシガン州やミシガン大学などが参加する産学官連携プロジェクト「エムシティ(Mcity)」の一環。

・2018年までの高出力密度リチウムイオン電池の開発を発表

2015年9月時点と比較し、エネルギー密度を2倍に向上させたリチウムイオン電池を開発すると発表。HV(Hybrid Vehicle,ハイブリッド自動車)、PHV(Plug-in Hybrid Vehicle,プラグインハイブリッド自動車)への搭載を想定。ヨーロッパのCO2排出規制の強化などに対応するHV・PHV製品を供給することで、日系・欧州メーカーからの受注を拡大させたい考え。

・ゼネラル・モーターズ(GM:General Motors Company)の「シボレー・マリブ・ハイブリッド」にリチウムイオン電池セルが採用

出力密度と安全性を高めた、5千ワット/kgの角形リチウムイオン電池セル。摂氏マイナス30度でも高出力密度を維持。

・セミアクティブサスペンションの電子制御技術を開発

走行中の振動とカーブ走行時の車両の傾きを10%ずつ抑制するアルゴリズムを開発。乗り心地と走行安定性の向上を両立。

・メルセデス・ベンツ(Mercedes-Benz)「S500プラグインハイブリッド」「S550プラグインハイブリッドロング」向けに製品を納入

納入した製品は、従来品と比較して放熱性能が向上し、40%の小型化・高出力化を実現したインバーターと、最大効率94%のDC/DCコンバーター。

・EVの航続距離を2倍にするリチウムイオン電池の要素技術を開発

エネルギー密度を向上させ、負極や正極の素材を改良することで長寿命化を実現。2020年の実用化を目指しており、EV向けの受注を拡大させたい考え。

・カメラのみでセンシング可能な技術を開発

ステレオカメラ、全周囲俯瞰表示システムなどの画像認識機能、地図情報を統合し、自動駐車や回生ブレーキシステムの効率化に応用。安全機能と省燃費技術の双方に寄与する技術。

グローバル展開

2015年3月末時点で、日立オートモティブシステムズは世界各地域に生産拠点を有しています。海外における生産拠点の国別の内訳は、アメリカが4ヶ所、メキシコが4ヶ所、ドイツが2ヶ所、チェコが1ヶ所、イギリスが1ヶ所、中国が10ヶ所、台湾が1ヶ所、タイが3ヶ所、インドが2ヶ所です。

現在は、新興国における生産拠点の新設・拡張を積極的に行っています。


○新興国をはじめとした海外における取り組み

■中国での取り組み
  • 2015年6月、重慶市にシャシーやエンジンマネジメント関連部品の生産拠点を設立すると発表。同拠点は中国で13ヶ所目となる自動車関連生産拠点。2018年からステアリングやプロペラシャフトなどの製品を量産する予定。
  • 2015年9月、中国のエンジニア数を2.5倍に増員すると発表。中国での2018年度の目標売上高を達成するための施策の1つで、コスト競争力の高い製品を現地開発し、日系・欧米の完成車メーカーからの受注を拡大させるのが目的。
■インドでの取り組み
  • 2015年4月、バルブタイミングコントロールや点火コイルなどの自動車用エンジン関連部品を生産する工場を、チェンナイに新設。インドで2ヶ所目となる生産工場で、投資額は31億3千万ルピー(約58億円)。
■メキシコでの取り組み
  • 2014年5月、レルマ市で自動車向けピストンやアルミダイカスト部品を生産する工場の建設を開始。成長を続けるメキシコの自動車市場に対応するほか、北米・中米・南米の完成車メーカーに対する供給体制を強化するのが目的。
■インドネシアでの取り組み
  • 2015年2月、自動車機器システムの生産工場を新設すると発表。成長が予測される同国の自動車市場に進出し、完成車メーカーを支援するのが目的。資本金14億円のうち、日立オートモティブシステムズは94.9%を出資。
■アメリカでの取り組み
  • 2014年6月、米州を統括するグループ会社、日立オートモティブシステムズアメリカズ(Hitachi Automotive Systems Americas, Inc.)が、ジョージア州の敷地内に新建屋を建設。電動パワーステアリング、可変容量ポンプの生産を行い、米州における供給体制を強化するのが狙い。

部門構成・部門ごとの方針

日立オートモティブシステムズの事業体制は、以下の4つの事業により構成されています。

  • 走行制御システム事業(製品分野:走行制御システム)
  • パワートレイン&電子事業(製品分野:エレクトリックパワートレインシステム)
  • 車載情報システム(CSI)事業(製品分野:車載情報システム)
  • エンジン機構事業(製品分野:エンジンマネジメントシステム)

なお、各事業に分類される製品分野に含まれる主要製品は、以下のとおりです。

  • 走行制御システム(主要製品:外界認識走行システム、ステアリングシステム、駆動機器、サスペンションシステム、ブレーキシステム、ブレーキ制御システムなど)
  • エレクトリックパワートレインシステム(主要製品:電装品、HEV(Hybrid Electric Vehicle,ハイブリッド電気自動車)/EV(Electric Vehicle,電気自動車)用機器など)
  • 車載情報システム(主要製品:カーナビゲーション機器、カーオーディオ機器、衝突防止補助システム、車載用カメラ、テレマティクスコントロールユニットなど)
  • エンジンマネジメントシステム(主要製品:制御機器、燃料系機器、吸排気系機器、センサー、点火機器、エンジン機器など)

日立オートモティブシステムズの報道ニュース一覧

会社概要

社名 日立オートモティブシステムズ株式会社
設立年 2009年7月
本社所在地 〒100-0004 東京都千代田区大手町二丁目2番1号 新大手町ビル
代表取締役 関 秀明
資本金 15,000百万円

組織構成や技術開発状況など、ネットに掲載されていない情報 が聞ける。転職についても相談できる。

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拠点一覧

日立オートモティブシステムズの拠点(研究開発・テストセンター含む)

国内拠点一覧
  • 佐和事業所
  • 群馬事業所(第一地区)
  • 群馬事業所(第二地区)
  • 厚木事業所(第一地区)
  • 厚木事業所(第二地区)
  • 埼玉事業所
  • 秋田事業所
  • 新潟事業所
  • 九州事業所
  • 川崎事業所
  • 福島事業所
  • 相模事業所
  • 山梨事業所
  • 十勝分室
  • 海老名事業所

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