メリトールWABCO、「SmartTrac」安定制御システムのウェブカンファレンスを開催
死傷事故を大幅に削減
メリトールとWABCOホールディングスの合弁会社であるメリトールWABCO社は、安定制御を義務付ける連邦規則が発効される8月より前に、「SmartTrac」Stability Controlシステムを新しいトラクタートレーラーに装備することによるメリットについて輸送会社に説明するウェブカンファレンスを5月に開始すると発表した。アメリカ運輸省道路交通安全局(以下、NHTSA)は、トラックや大型バスで「SmartTrac」などの電子安定制御システムの装備を規定することにより、年間2,329件の衝突や60件の死亡事故、数百件の負傷事故が防止できると算定している。
メリトールWABCO社のマシュー・スティーブンソン社長兼ゼネラルマネージャーは、次のように述べた。
「安定性制御は、ヨーロッパでは優れた成功事例であり、2014年以来、トラックによる致命的な事故を11%削減したことに大きく貢献したと認められています。」(PR Newswireより引用)
アメリカ自動車運搬安全局によると、転覆は、大型トラックによる致命的な事故の4番目に多い原因であるが、死傷者も非常に多くなり、最もコストがかかる。平均して、アメリカでは毎日大型トラックの転覆事故が22回発生している。
アメリカでは、メリトール WABCO社の「SmartTrac」Stability Controlシステムは、ほぼ15年にわたって、輸送会社および連邦規制当局の交通事故低減の予想を上回る結果を示している。2003年以降、「SmartTrac」Stability Controlシステムを使用しているアメリカの輸送会社は、転覆事故と制御不能による事故率について、53%から100%の間に減少させた。これはNHTSAによる見積もりを40%~50%上回るものだ。
危機的状況に自動的に対応
トラックやトレーラーで利用可能な「SmartTrac」は、アンチロックブレーキ(ABS)やステアリングシステム内のセンサと統合され、スライドや転覆を予測する。 また、個々の車輪の制動を使用してエンジントルクを低減させ、スピンアウトや転覆などの危険な運転状況の時にコントロールを維持するように運転を支援する。SmartTracに統合された重要な機能は「ESCsmart」であり、これは「自己学習」機能を備え、車両の特性や摩耗の変化に自動的に適応するものである。
スティーブンソン氏は次のように説明した。
「転覆しそうな状況は1~2秒で発生しますが、システムはミリ秒単位で応答し、ドライバーが何が起こったかを認識する前に、危機的な運転状況を防ぎます。『SmartTrac』Stability Controlシステムは、輸送会社やドライバーにとって人気の高い選択肢であり、レンタカー会社のトップ50社のうち、70%以上が安定性制御の保護のために『SmartTrac』を導入しています。」(PR Newswireより引用)
2017年8月から段階的に実施
安定制御を義務付ける連邦規制は、今年夏から3年間で段階的に実施される予定である。具体的には、定格車両総重量が26,000ポンドを超える3軸トラックトラクターは2017年8月、重量33,000ポンド以上のバスは2018年6月。
2軸およびその他のトラックトラクターは2019年8月、重量26,000~33,000ポンドのバスとクラス7ハイブリッドトラックトラクターは2019年8月、となっている。
(画像はMeritorより)
▼外部リンク
Meritor WABCO プレスリリース(PR Newswire)
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