HELLA、レーザー光源を用いた高精細ヘッドランプのプロトタイプを開発
ドイツの研究機関との共同プロジェクト
HELLAは4月25日、フラウンホーファー・アプリケーションセンター無機蛍光体プロジェクトとともに、新しいヘッドライトのプロトタイプ開発を手がけていると発表した。これは、ヘッドランプにおけるレーザーベースの放射に向けた、ピクセル化された革新的な蛍光体に関する「HipE」研究プロジェクトの一環として、同社とドイツのゾーストにあるフラウンホーファー・アプリケーションセンター無機蛍光体プロジェクトが、レーザー光源を用いた高精細ヘッドランプのプロトタイプを開発しているもの。
2016年3月にスタートしたこのプロジェクトには、3年間にわたり欧州開発ファンド(ERDF)が共同出資している。
コンパクト化と光の質の向上
インストールスペースの削減や効率の向上、光の質と安全性の向上など、ヘッドランプへの要望は常に増加している。こうした要望に対応するために、高精細度システムの必要性は高まっており、特にレーザー光源は非常に重要になってきている。レーザー光源は、個々の光画素が必要に応じて活性化されるという点で効率的であるだけでなく、特に高い輝度を提供し、より小さな光の表面からより多くの光が発生する。これは、リフレクタなどの設置要素を小さくすることができ、したがって、よりコンパクトな構造設計が実現する。
また、道路において、交通状況や周囲の照明条件に自動的に適応するヘッドランプの光、すなわちグレアフリーハイビームなどに応用するためには、青色の短波長レーザー放射を白色広帯域放射に変換する必要がある。こうしたことから、欧州経済委員会は、ヨーロッパにおけるライトの光の色を規制している。
青色から白色放射への変換は、蛍光体を介して行われることから、HipEプロジェクトにおけるフラウンホーファー・アプリケーションセンター無機蛍光体プロジェクトは、その変換特性と熱伝播に関する適合性を考慮して、様々なテストを行い、最適化している。
量産化に向けた技術開発
HELLAは、完全なヘッドライトモジュールを構築するための、新しいメカトロニクス光学コンセプトを開発している。例えば、よりコンパクトな設計でより高効率という要求を満たすのに適した光学システムについて検証しており、また、デモンストレータ、すなわち新しいコンポーネントを含むイラストレーションモデルを設計している。最終的な目標は、プロジェクトにおいて開発された技術を、量産準備状況に適用することである。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
HELLA Press releases
http://www.hella.com/