ボッシュ、接続されたモビリティやAI技術で中国でのプレゼンスを拡大
成長する中国市場に注力
ボッシュは23日、中国東部蕪湖市にインフォテイメントシステムのための新しい工場を開設したことについて、ホームページで報告した。ボッシュグループのアジア太平洋担当責任者であるPeter Tyroller氏は、次のように述べた。
「中国は依然として世界経済の原動力であり、特に接続された技術の分野における絶対的なパイオニアです。我々は、中国に対して引き続き大きな成長の可能性を見ており、着実に業務を拡大しています。」(プレスリリースより引用)
今日、ボッシュは、ドイツ以外で最大の市場である中国に6万人以上の従業員を雇用している。また、ボッシュの世界売上高の約30%はアジア太平洋地域からのもので、製品の60%以上が中国で生産されている。
同社のすべてのビジネス部門は、2017年に中国における前向きな業績に貢献している。モビリティソリューションでは、前年と比較して25%増加したおよそ110億ユーロが計上され、家電やHVAC機器とのビジネスも引き続き順調に推移した。
インフォテイメントシステム製品などを生産
18,000平方メートルの面積を持つ蕪湖市の新しい施設では、インフォテイメントシステム、計器クラスター、車両用コネクティビティコントロールユニット(CCU)が、中国市場向けに生産される。2018年末までに、新しい工場では、研究開発に携わる160人を含め約900人が雇用される予定。ボッシュは、この施設に約3,600万ユーロを投資しており、この施設は、接続されたモビリティに関する地域の専門知識を拡張した。
今年の3月に、ボッシュグループは、Alibaba社と中国の自動車メーカーSAIC社との合弁会社である、インフォテイメント関連の新興企業のBanma社と、戦略的な提携契約を締結した。
将来的に、ボッシュは、新しいデジタルディスプレイ、音声サポート、触覚フィードバック、その他のHMI技術の開発を継続する。
Industry 4.0でIoTビジネスを推進
全体として、中国は、世界最大の自動車市場でインテリジェントな接続された運転を拡大し、世界の先進工業国になるという中国政府の目標があることから、ボッシュの接続されたモビリティ戦略の成長市場となっている。とりわけ、2018年の初めに、Connected Mobility SolutionsとConnected Industryという2つの新しい事業ユニットが設立されたことにより、ボッシュは、中国におけるIoT(Internet of Things)ソリューション事業で、大きな進歩を遂げている。
Connected Mobility Solutions部門は、インテリジェント・パーキング、予測診断、先進的な車両管理システムなど、地域の交通状況に合わせて特別に設計されたソリューションに焦点を当てている。また、Connected Industry部門にとって、中国は同地とハンガリーに次いで3番目の主要拠点である。
この新しい部門で、同社は、ソフトウェアおよびサービスの分野においても、Industry 4.0の活動を共同管理している。中国では、接続された製造ソリューションの需要が増加している。たとえば、ボッシュは、Weichai Power社の製造オペレーションにインテリジェントな技術を提供している。
現在、中国におけるボッシュの38工場の半数に、Industry 4.0のソリューションを装備している。中国北部の西安市では、Bosch Rexrothの鉛工場が2018年末に稼働する予定である。
電気モビリティから人工知能へ
ボッシュは、過去10年間に総額46億ユーロ以上を中国の拠点に投資してきた。2017年だけで、前年度より約4分の1の増加となる、約8億4,000万ユーロである。無錫では、電気自動車用の48ボルト電池の世界初の製造施設となる新モビリティソリューション施設の建設が開始され、2018年初めには、成都の電動工具工場が拡張されている。
そして、2018年中に、常州武進区にある自動車エレクトロニクス工場の第2フェーズが完成し、11月には、アジア太平洋地域で初となる、ボッシュiBooster製造施設が、南京で開設される予定である。
さらに、2018年に中国の人工知能センターを開設する予定であり、中国でのAI市場は、2030年までに、1,200億ユーロに達する予想である。と見込まれている。
ボッシュグループは、2017年までに、ドイツのレニンゲン、アメリカのサニーベール、インドのバンガロールにおける人工知能センターに、約3億ユーロを投資している。
(画像はプレスリリースより)
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