イートン、高エンジン効率のスーパーチャージャー「TVS2」を発表

高性能のブースト技術を結集
イートンは、ドイツのドレスデンで行われた第20回スーパーチャージャー会議において、最新のスーパーチャージャー「TVS2」を発表した。

これは、最適な単一ブーストの適用を実現し、また、改善されたエンジン性能に向けた混合ブーストのソリューションをもたらすために、ブースト技術とデバイスを組み合わせ、自動車メーカーの技術を向上させるものである。

イートンの自動車グループ、ブースティング製品のディレクターである、ブライアン・コンタ氏は次のように述べている。
「我々のブースト関連のポートフォリオにおける最新の技術革新は、効率、軽量化、改良されたエンジン性能と、既存および将来のアーキテクチャ内において、より良くパッケージ化されたスーパーチャージャーデバイスの性能など、顧客が最も関心を持っている重要な分野に提供されています。より高いエンジン効率と出力密度が求められるため、TVS2などの製品は、こうした将来のパワートレインのニーズを満たすために必要とされています。」(Business Wireより引用)

ローター設計改良でエンジン効率が大幅に向上
TVS2技術は、効率の大幅な改善と、以前は不可能だった容量拡大を実現した。効率の改善は、内部空気力学を改善したローター設計によって達成されたもの。

その設計とは、内部漏れにつながるローター間の隙間を低減するために、ロータープロファイルを変更したこと、全体の燃費を向上させる場所にピーク効率をシフトするために、ローターのねじれを修正したこと、不要な空気圧縮を排除する新しいポーティング機能の追加、が挙げられる。

これらの項目を組み合わせることで、TVSR410の製品と比較して、対象となるオペレーティングゾーンの等エントロピー効率が、10%から16%改善し、これにより、燃費の向上が得られるスーパーチャージャーの駆動に必要となる電力の低減も実現した。

また、低速での空気流が30%以上向上し、エンジン速度が遅い状態でトルクの増加が可能となり、スーパーチャージャーのベンチマークレスポンスとともに、スムーズで楽な加速が可能となった。

さらに、部品の軽量化と小型パッケージの採用、新しいインターフェイスを取り入れることで、前世代の製品に比べて25%以上の軽量化を実現している。

燃費向上や排出量削減の規制に対応
TVS2生産の主要な適用対象は、ターボチャージャーに続く、高圧環境で動作させるスーパーチャージャーを必要とするターボスーパーシステム。

世界的な燃費向上や排出削減量を求める規制により、自動車メーカーは、これらのグローバルなニーズを満たすために、より小さな可変気筒エンジンに急速に移行している。

課題は、車両全体のパフォーマンスを低下させることなく、より小さなパワートレインを提供することだ。

イートンは、新デザイン、新素材、高度なエンジニアリングとエンジンとの全体的な統合を組み込んだ新しい製品やシステムを通じて、これらの課題を解決するために、顧客と協力。アウディ、ゼネラルモーターズ、ジャガーランドローバー、ボルボなど世界各国の大手自動車メーカーにスーパーチャージャーを提供している。

(画像はプレスリリースより)


▼外部リンク

イートンのプレスリリース(Business Wire)
http://www.businesswire.com