パナソニック、車載用照明の省エネ化に貢献する高出力の青紫半導体レーザを開発

半導体レーザ応用システムの小型軽量化・省エネ化
パナソニック オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社は、車載・産業用証明やレーザ加工機など半導体レーザ応用システムの小型化、低消費電力化に貢献する、連続発振4.5Wの高出力動作が可能な青紫半導体レーザを開発したことを発表した。

この開発技術によって、青紫半導体レーザの発熱による温度上昇を抑制し、温度上昇に伴うレーザの光出力低下を抑制するため、高出力・高効率動作が可能になる。

さらに、複数個のレーザを用いる半導体レーザ応用システムに応用することで、搭載数を従来の3分の2に削減し、光源部・放熱板を小さくできることから、システムの小型軽量化、省エネ化を推進するものだ。

両面放熱経路で熱伝導向上
従来の青紫半導体レーザでは素子片面からの放熱であり、素子温度が上昇することから、光出力が制限され、3W級が限界であった。

そこで、今回の開発では、レーザ素子のワイヤーボンド面にも放熱ブロックを形成、これにより、素子からの放熱経路が上下両面となることから、熱抵抗が下がり、熱伝導を1.6倍に向上させることに成功した。

低歪放熱ブロック構造で高い信頼性を実現
また、レーザ素子と同じ窒化物材料である窒化アルミニウムを放熱ブロックに用いることで、熱膨張率差による応力を、銅放熱ブロック使用時に比べ10分の1に抑制、熱伝導が高いことから、高い放熱性を示した。

反面、窒化アルミニウムは高抵抗(絶縁体)であるため、電気接続が難しくなるが、今回、素子やサブマウントと接触をする各表面や内部に電極を有し、それらの電極と表面をビアホールで電気的接続した立体配線を放熱ブロックの内部に作製。

これにより、高抵抗の窒化アルミニウムを放熱ブロックに用いた場合でも電気接続ができ、素子のワイヤーボンド面に窒化アルミニウム放熱ブロックを形成することを実現した。

また、これまで、熱膨張率差による動作温度変化で素子に大きな歪が加わり、欠陥が発生し、信頼性を低下させる要因になっていたが、今回の構造では歪が抑制されており、高い信頼性を得ることが可能となった。

(画像はプレスリリースより)


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