デルファイ、微粒子排出量を大幅に削減する新型「500 bar GDi」システムを発表
高価なエンジンの設計変更が不要
デルファイ・テクノロジーズ(以下、デルファイ)は、ほとんどの用途で高価なエンジンの再設計をしなくても、微粒子排出量を最大50%削減できる、新型の「500 bar GDi」システムを発表した。先駆的な設計によるデルファイの高効率燃料ポンプは、デルファイの革新的な新しいシーリングシステムと、小型の新しいプランジャーによって、エンジンカムシャフトにおける負荷を増大させることなく、必要な圧力を増加させる。
大部分のエンジンについて、この新しいシステムによって、エンジン設計者は、高価な設計変更なしに、500+ bar噴射システムの多くの利点を提供できる。
デルファイのチーフエンジニアであるWalter Piock氏は、次のように述べた。
「500バーかそれ以上の噴射圧がエンジンから排出される微粒子を大幅に削減できることを、業界は長い間認識してきた。自動車エンジニアにとっての課題は、燃料ポンプに大きな負担をかけることなく、より高い圧力を達成することであり、デルファイが設計した新しい高効率ポンプが、そのためのソリューションとなる。」(プレスリリースより引用)
また、デルファイ、製品ライン管理担当のディレクターであるJames Kyte氏は、次のように説明する。
「自動車メーカーの投資は、急速な業界の変化に対応するために、かなり広範な推進技術をカバーする必要がある。内燃エンジンにとって、技術的な改善により排出量が大幅に削減できずに、何よりも時間と費用のかかるエンジン設計の変更が必要な場合、投資収益率はすぐに失われてしまう。」(プレスリリースより引用)
デルファイの「500+ bar GDi」システムは、この問題を解決するため、自動車メーカーは、電気自動車や電化車両の開発のためにリソースを再配分することができる。このシステムはまた、まったく新しいエンジンの作業を行うエンジニアのために新しい設計オプションを提供するとともに、小型化とシステム全体のコスト管理においてさらなる発展を可能にしている。
内燃エンジンも継続的に生産
500+ barシステムを完成させるために、デルファイは、インジェクター、鍛造レール、エンジン制御システムおよびソフトウェアなど他のコンポーネントを最適化してきた。耐久性と信頼性をさらに向上させるこれらのコンポーネントは、既存パッケージングの制約とインターフェースに一致させるので、今日のエンジンに最小限の変化を加える必要がある。2016年の終わりに、デルファイは、350 bar GDiシステムの生産を初めて開始した。それは、通常の200 barシステムと比較して、排気微粒子を最大70%まで削減する。新しい500+ barシステムは、2022年から生産される予定である。
独自の研究では、内燃エンジンは今後数十年量産され続けると見込まれている。2030年までに軽自動車の新車のうち80%以上が内燃エンジンを搭載することが期待され、高いレベルの電化を備えた車両も増えると考えられている。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
Delphi Technologies Press Releases
https://www.delphi.com/