Rheinmetall、多様化するハイブリッド車に向けたスラストワッシャーを新開発

増加するスタート/ストップ動作に対処
Rheinmetall Automotiveは、関連会社のKS Gleitlagerが、エンジン内のアキシャルベアリングソリューションとして提供する、ポリマーコーティングされたスラストワッシャー「KS R535L1」についてホームページで紹介している。

Eモビリティへ移行する段階の技術として、地域、車両セグメント、顧客の要件に応じて部分的に電動化されたハイブリッド車には、マイクロハイブリッド、マイルドハイブリッド、完全ハイブリッド、プラグインハイブリッドがある。これらは今後数年間で市場シェアを大幅に拡大することが予想されている。

さまざまな種類のハイブリッドは、車両プラットフォームに応じたモジュラーシステムにより、補助ユニットに対して基本的な変更が行われる。例えば、マイルドハイブリッドは、オルタネーターをベルトスタータージェネレーターに交換することで作られている。

ハイブリッド化において、エンジンとクランクシャフトにおけるアキシャルベアリングの設置スペースは変わらないため、エンジンメーカーは、これらのスタート/ストップ動作に適した新しいアキシャルベアリングソリューションを必要としている。

これまで、クランクシャフトのアキシャルベアリングは、鋼鉄・アルミニウム・スズの混合材料から製造されたルーズスラストワッシャーとして設計されていたが、KS Gleitlagerは、マイクロおよびマイルドハイブリッドエンジンの増加するスタート/ストップ動作に対処するために、4年前、シリコンを含むスチール・アルミニウム混合材料を使用したスラストワッシャー「KS R535」を導入した。

高い耐摩耗性と堅牢性
そして、KS Gleitlagerは、耐摩耗性の高い複合材料による「KS R535」に、さらにポリマーによるL1コーティングを施した「KS R535L1」を開発、今年のIAAで初めて展示した。

L1コーティングは、成形圧力によって塗布されたポリアミド固体潤滑剤複合材料で構成されており、走行面のみが複合材でコーティングされグレーブラックに着色されている。

KS R535L1を使用したスタート/ストップ動作のテストでは、標準の鋼鉄・アルミニウム複合スラストワッシャーと比較して、スタート/ストップ動作サイクルの数が増えても摩耗が大幅に削減されることが示された。

また、スラストワッシャーテストベンチにおける数種の摩擦テストでは、L1ポリマーコーティングの緊急走行特性が改善された結果となった。そして、固形潤滑剤の含有量が多いため、摩擦が削減されトルク曲線が滑らかになることで、より長い緊急走行時間を実現している。

48Vベルトスタータージェネレーターシステム(RSG)および統合スタータージェネレーターシステム(ISG)、低粘度エンジンオイルを使用したさまざまなハイブリッドドライブトレインにおけるエンジンテストでも、KS R535L1スラストワッシャーの高い耐摩耗性と堅牢性が確認された。

(画像はプレスリリースより)


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Rheinmetall Automotive Press Releases
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