マーレ、F1スクーデリア・フェラーリとの協力体制を拡大

エンジン部品などパワートレインの開発に協力
マーレは、フォーミュラ1のスクーデリア・フェラーリと、重要なエンジン部品の開発や供給を含む長期のパートナーシップ契約を締結し、協力体制を拡大していくことを発表した。

スクーデリア・フェラーリのテクニカルディレクターであるジェームズ・アリソン氏は、次のように説明している。
「マーレは、我々のパワートレインの継続的な開発における重要なパートナーです。我々は、その高いレベルの技術力だけでなく、その並外れた信頼性に感謝しています。」(プレスリリースより引用)

また、マーレ取締役会会長兼最高経営責任者(CEO)であるウルフヘニング・シャイダー氏は、次のように強調している。
「モータースポーツへの我が社のコミットメントは、数十年にわたる伝統があります。多くの開発が、量産車両のエンジンをより良くし、同時に経済的になるための役に立っています。」(プレスリリースより引用)

様々な高機能材料を開発
このプロジェクトの協力範囲は、クランク機構の最適化と高機能材料の開発を含んでおり、マーレは、アルミニウム合金や保護補強剤を最適化するなど、高強度の鍛造ピストンの開発と製造を行っている。

その他、最適化された摩擦を持つピストンリング、高い弾力性の鋼製ピストンピン、摩擦を低減し、耐摩耗性を持つエンジンハウジングの中のシリンダーコーティングなどを製造している。

マーレモータースポーツの副社長であるフレッド・チュルク氏は、「ハイブリッドでターボチャージャーが付いている次世代V6エンジンは、非常に明らかな手応えを提供している。」と述べている。

高効率な燃焼プロセスを量産車にも適用
また、フェラーリのための開発には革新的な燃焼プロセスも含まれており、マーレは、初めて、大幅な効率化につながる特許取得済みのソリューションを採用した。

新しいリーンバーン燃焼プロセスである「MAHLE Jet Ignition」は、特殊な表面点火を実行し、モータースポーツでのアプリケーションに最適な高出力を生成する。さらに、マーレは、この技術の助けを借りてディーゼルエンジンだけで見つかる効率レベルを提供することを実現し、量産車両のためのプロセスも開発したのだ。

これは、モータースポーツが、どのようにして技術を先導し続けているかを示した良い例といえる。前述のチュルク氏は、この点について、「これらの車両の極端な要件は、後の段階で連続生産に使用される多くの革新的なソリューションのための出発点である。」と言及した。

モータースポーツへのコミットメントは、数十年来、マーレのトータル戦略の一部となっている。最新の例では、ルマン長距離レースにおける昨年の優勝に貢献したスチール製ピストンがあり、これは、現在、ユーロ6基準を満たすルノーの新しい1.5リットルと1.6リットルのディーゼルエンジンに搭載されている。


▼外部リンク

MAHLE Press release
http://www.mahle.com