thyssenkrupp、リヒテンシュタインにステアリング技術開発のテストセンターを新設

新しい開発動向に迅速に対応
thyssenkruppは20日、同社の産業技術グループが、リヒテンシュタインにステアリング技術の新しい開発テストセンターの建設を開始し、エッシェンのステアリング事業本部でプロジェクト開始の式典を行ったことを発表した。

将来的には、約3000平方メートルのテストセンターにおいて、開発と、車体・プロトタイプ作成における機能を結集し、 2019年の上半期には、1500万ユーロのプロジェクトが完成する予定である。

thyssenkrupp、コンポーネントテクノロジー事業部門のCEOであるKarsten Kroos博士は、次のように述べた。
「我が社の開発およびテスト業務の統合と拡大で、新しいソリューションや製品により、さらに迅速に自動車顧客をサポートすることができます。これにより、ここ数ヶ月で、電動アシストステアリングシステムで多くの新規受注を得ており、また、シャシーとステアリングの新しい開発動向に対応し、カスタマイズされた市場対応製品を生産する予定です。」(プレスリリースより引用)

thyssenkruppは、電動アシストステアリングシステムだけで、昨年度、約80億ユーロの受注を達成している。

材料や耐久、音響など高度なテストが可能
新しいテストセンターは、このステアリング技術に基づいて、自動運転の先駆けとして、ステアバイワイヤやe-モビリティ、および運転手支援システムのさらなる開発など、現在の開発プロジェクトを推進する。

例えば、基礎研究の分野では、最先端の測定技術を使用して、新しい材料を試験し、将来の製品への適合性をテストする。4週間から6週間の耐久テストで、これらの製品の品質と耐用年数を、車両の寿命全体にわたって関連づけることができる。また、音響センターでの作業は、ステアリングシステムの音響性能をさらに最適化することに焦点を合わせる。

Kroos博士は、次のように続けた。
「さまざまなテストの結果が、デジタルテストモデルに自動的に反映され、新しいソフトウェアベースの分析により、関連する開発パラメータを特定し、仮想環境でテストすることができます。これにより、プロトタイプ化が大幅に効率化され、コストのかかる開発時間を節約できます。」(プレスリリースより引用)

自動運転に向けたステアリング技術を開発
thyssenkruppは、リヒテンシュタインの新しいテストセンターに加えて、ブダペストでは、ステアリング技術のソフトウェア開発センターを運営している。このセンターは、電子機械ステアリングシステムのソフトウェア開発業務を統合し、運転安全性を向上させるための新しいソフトウェア機能の開発に特に注力している。

thyssenkruppのグローバルステアリング事業は、4大陸11ヶ国の16の拠点で、約8000人の従業員を雇用している。リヒテンシュタインでは約2,200人の従業員が雇用され、同国の最大雇用主の1つになっている。

同社は、冷間鍛造技術を使用したステアリングコンポーネントとステアリングコラムの生産における世界市場のリーダーであり、年間2000万台を超えるステアリングコンポーネントとシステムを開発・製造している。

また、ステアリングバイワイヤシステムのような新しいステアリング技術を開発しており、これは、ステアリングホイールと車輪との間に直接的な機械的リンクを必要としないものであり、将来の車両において全く新しいステアリングおよびアシスト機能を可能にする。

(画像はプレスリリースより)


▼外部リンク

thyssenkrupp press release
https://www.thyssenkrupp.com/