フォルシア、快適なモビリティを目指して乗り物酔いを研究

自律運転やライドシェアリングの導入で乗り心地に変化
フォルシアは、2011年以来、健康とモビリティに関する研究の一部として調査してきた乗り物酔いについて、ホームページで説明している。

新しいテクノロジーとモビリティビジネスモデルは、移動中に費やす時間を変革し、車内で読書やリラックス、睡眠、仕事、社交の場を提供することを保証している。しかし、多くの人にとって、これらの行動は乗り物酔いの症状を引き起こすことから、乗客の時間における本当の価値は限られてしまう。

そして、フォルシアは、自律運転の発達、ライドシェアリングの出現(サービスとしてのモビリティ)、都会化の進行という3つの主要なトレンドに基づき、すべての乗員の乗り心地を向上させる方法として、乗り物酔いに対処することに関心を寄せている。

自律走行車両とライドシェアリングによって、車に乗っている人がより乗客のようになり、都市での運転パターン、つまり、停車と発車、急旋回、急な加速や減速によって、乗り物酔いがより一般的になり、対処するのにより重大な課題となる。

感覚的な矛盾を減らすために着座姿勢を研究
なぜ人が乗り物酔いを経験するのかについての要因や進化論的根拠において、相互に関連し競合するいくつかの理論があるが、もっとも受け入れられている説明は、感覚運動の矛盾である。

簡単に言うと、乗り物酔いは、人が見ているものと感じているものとの間に感覚的な不一致がある場合に起こり、感覚運動の矛盾は、目が静的な環境を見ていて、体や内耳が動きを感じる時に起こる。そして。体が何も感じずに、目が動きを見るというドライビングシミュレータも、同じ症状を引き起こす可能性がある。

フォルシアは、乗客が、気分が悪くならずに本を読んだり映画を見たりすることができることを目指し、最初の研究と思考から、感覚のミスマッチを軽減するために7つの異なる技術的アプローチに着手した。

たとえば、コンセプトの1つは、乗客が経験する行動の量を減らすように努めたことである。また、別のコンセプトでは、周辺視野を通して運動の知覚を改善したり、差し迫った動きを乗客に警告するために信号方式を使用したりした。

同社の主要なアイデアは、乗員が車の外側で起こっていることの詳細を見ることを可能にしながら、行動する感覚を減らすために着座姿勢を組み合わせることである。

様々な専門性を持つパートナーと協働
フォルシアは、評価のために、実物大模型を作ることから始め、車にマネキンを置いた理論的テストまで、3段階のテストを使用した。さらに、もっとも有望と思われるアイデアを得るために、ミシガン大学の閉路サーキットにおいて、反応を測定し仮説を検証できるように乗客にセンサーを取り付け、制御された路上テストを行った。

製品品質のソリューションを実現する前に、設計やテストをもっと多く行う必要がある。このプロセスでは、次のステップに進むために、テスト方法論を発展させ、アイデアを検証する方法を学ぶことが行われ、これらすべての作業は、フォルシアのデザイナーの専門知識、快適性の専門家、外部のパートナーとの高度な協働によるものである。

同社の技術プラットフォーム、特にトロントとシリコンバレーの技術プラットフォームを通じて、地元の新興企業や技術プロバイダーとの間で概念実証を展開し、モビリティ経験にどのようにしてより良い健康をもたらすことができるかを確認している。

これは、OEMからモビリティサービスプロバイダーのような「新規参入者」に至るまで、自動車業界のあらゆる分野の人々とのディスカッションを活発化するテーマである。

これまでのところ、アクティブな座席を基盤としたシステムから、乗客のバイタルサインを介して乗り物酔いの症状を感知するレスポンシブシステムまで、多くの有望な概念を特定した。

乗り物酔いを減らすことはそれ自体で価値のある目標であるが、最終的には乗客の経験を向上させることに重点を置いている。乗客が目的地に到着した時に、旅行がより生産的になるか、またはよりリラックスした気分になることを目指している。

(画像はプレスリリースより)


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Faurecia Press Releases
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