ThyssenKrupp、気候目標が環境に関する共同イニシアチブ「SBTi」から認定

ドイツで承認された企業は10社
ThyssenKruppは、8月13日、同社の気候目標が科学的根拠による目標イニシアチブ(SBTi)によって承認されたことを発表した。

また、SBTiは、ThyssenKruppが将来の地球温暖化を2度以内に抑えることに同意した2015年のパリ協定の目標に沿って活動することを確認した。

SBTiは、気候変動など環境分野に取り組むNGOであるカーボン・ディスクロージャー・プロジェクト(CDP)、国連グローバル・コンパクト、世界資源研究所(WRI)、世界自然保護基金による共同イニシアチブである。

その目的は、科学ベースの目標設定におけるベストプラクティスを定義して推進することによって、科学的根拠による気候目標を、標準的ビジネスプラクティスとして確立することである。この目的のために、企業によって定義された目標は、最新の気候科学に基づいた広範で独立した評価の対象となる。現在、気候目標がSBTiによって承認されたドイツの企業は10社だけである。

2050年までに気候中立に
ThyssenKruppは最近、2050年までに気候中立になることを目指していると発表した。これを達成するために、同社は、SBTiによって検証された2つの拘束力にある中期目標を設定した。

基準となる2018年と比較して、生産およびエネルギー源からの排出(スコープ1と2の温室効果ガス排出量)は、最大30%削減され、この目標は、「摂氏2度以内」の排出削減経路と一致している。さらに、顧客による生産と技術の使用からの排出量(スコープ3の温室効果ガス排出量)は、2017年の基準年と比較して16%削減される。

ThyssenKrupp、テクノロジー・イノベーション・持続可能性・法律・コンプライアンス担当の理事会メンバーであるDonatus Kaufmann氏は、次のように述べた。
「我々は、SBTiの認証を受けたことを誇りに思う。これは、我が社が気候保護において主導的な役割を果たし続けていることを示している。」(プレスリリースより引用)

炭素ネットゼロ経済への移行に向けて政策にも影響
CDPのディレクターであるAlberto Carrillo Pineda氏は、ThyssenKruppの認証について祝意を示し、次のように述べた。
「ヨーロッパにおける最大の産業複合企業の1つとして、科学ベースの強力な目標に裏打ちされたネットゼロ排出を達成するというThyssenKruppの目標は、産業部門が炭素ネットゼロ経済に移行する準備ができているという重要な合図を、政策担当者に送るものである。我々は、明確な長期的方向性を示して、政策の枠組みを実現することによって、政策担当者がこの移行の支援をできるように求める。」(プレスリリースより引用)

ThyssenKruppは、水素による直接還元、テクノロジーの使用による炭素回収、エネルギー効率対策、再生可能エネルギーの使用増加に向けて、鉄鋼生産を転換することによって、生産とエネルギー源に関する目標を達成することを目指している。

また、顧客の排出量を削減するために、同社は、テクノロジーの使用による炭素回収、グリーン水素生産と再生可能エネルギーの貯蔵、eモビリティに関するソリューションに焦点を当てている。

ThyssenKruppのCEOであるReinhold Achatz博士は、次のように説明した。
「グリーン水素は我々の戦略で重要な役割を果たしている。十分な量を生産するためには、ドイツにおいて、現在の計画よりもはるかに速いスピードで、再生可能エネルギーを拡大させる必要があるだろう。」(プレスリリースより引用)

(画像はThyssenKruppより)


▼外部リンク

ThyssenKrupp Press releases
https://www.thyssenkrupp.com/