ThyssenKrupp、ドイツのSprings and Stabilizers事業部門施設を再構築

組織合理化で事業部門の競争力を強化
ThyssenKruppは、4月27日、ドイツにあるSprings and Stabilizers事業部門の施設に関して、大規模な再編計画を承認した。

計画では、オルペ工場におけるスタビライザーの生産は2021年末までに終了し、ハーゲン工場は再調整され、スプリングとスタビライザーの開発・製造を行う高度なセンターに転換される。

オルペ工場とハーゲン工場の再構築によって、およそ490人の従業員が影響を受けるが、今後2週間で、2つの工場に関する利益の調整や社会的計画について、従業員の代表と合意に達する予定である。

ThyssenKrupp、自動車部門担当のCEOであるKarsten Kroos氏は、次のように述べた。
「2つの工場の再構築は、この事業で利益が出るように回復させるための正しくて避けられないステップである。2つの工場は、現在の状態では競争力を持てない。それぞれの製品セグメントにおける価格レベルは非常に低く、市場の生産能力は過剰となっている。そのため、既存の生産と開発活動を1つの工場で統合し、組織をさらに合理化することを決定した。」(プレスリリースより引用)

開発と生産能力をハーゲン工場に集約
オルペ工場では、約330人の従業員が雇用されている。既存の顧客プロジェクトが2021年末に完了した後、生産は中止される。

また、ハーゲンの工場は、1925年から自動車業界の顧客向けにスプリングを製造しており、現在約400人の従業員が雇用されている。

今後、ドイツのSprings and Stabilizers事業部門の開発と生産能力は、ハーゲンに集約される。これには、プロトタイピング、小ロット注文用のスタビライザーの製造、スペアパーツ事業、大型車や電気自動車向けのスプリングの製造が含まれる。

このため、工場全体の生産戦略は修正され、高度な自動化に転換される。生産プロセスの最適化により、2022年早期までに、ハーゲン工場で約160人の雇用が削減される。社会的責任のある再構築プロセスの詳細は、今後の工場協議会や労働組合との交渉で決定される。

製品価格下落と過剰生産が要因
ThyssenKruppのSprings and Stabilizers事業部門は現在、ドイツ・ハンガリー・ブラジル・メキシコ・中国に9つの生産施設を持ち、約3,400人が雇用されている。

昨年、この事業部門は、それまでの会計年度における明らかなマイナスの業績により、同社グループが「検討中の事業」と見なした。この事業部門は、スプリングとスタビライザーの価格下落と、この製品セグメントに関する世界的な過剰生産により苦境に立たされている。

今回のドイツにおける施設の再構築は、事業部門の競争力を回復させるための重要なステップである。

(画像はThyssenKruppより)


▼外部リンク

ThyssenKrupp Press Releases
https://www.thyssenkrupp.com/