ThyssenKrupp、ドイツに鉄鋼の取鍋炉を建設する契約を締結

革新的な高合金鋼鉄種を提供
ThyssenKruppの鉄鋼部門は21日、ドイツのデュイスブルクにおいて、取鍋炉の建設のための契約を締結したことを発表した。

新しい炉により、同社は、高合金グレードを含む製品ポートフォリオを拡大することが可能となった。これらの特殊鋼は、特に自動車産業からの需要が増加している。

デュイスブルク ベエッカーヴェルトのBOF溶解工場におけるプロジェクトには、約4000万ユーロが投資された。

ThyssenKruppスティールヨーロッパAGの最高経営責任者(CEO)であるアンドレアス・ゴス氏は、次のようにコメントした。
「このステップにより、我々は、革新的な新しい鋼鉄種を提供し、実質的かつ持続的に我が社の競争力を向上させることが可能となります。鉄鋼業界を取り巻く不確実性を考えると、取鍋炉を建設する決定を下すことは簡単ではありませんでした。しかし同時に、我々は、ドイツの鉄鋼業界と我々の施設の未来に関する肯定的な前兆を示したいのです。」(プレスリリースより引用)

効率改善でコストも削減
鉄鋼製造プロセスにおいて、取鍋炉は、コンバータと連続鋳造機との間に配置され、二次冶金のために使用される。

デュイスブルクにおける新しいツイン取鍋炉は、5%以上の合金含有量(マンガンなど)と高合金鋼種を取り扱うために使用され、1回で265トンの溶融能力を持つ。

これにより、製造プロセスのエネルギー効率を改善し、運用コストを削減することが実現する。

このプロジェクトでは、取鍋炉とともに、溶融工場における除塵と合金化システムの構築も含む。技術的革新に加えて、新しいユニットは、ノイズレベルを低減し労働条件を向上させるために、防音パネル内に完全に収容され、清浄度のレベルも最適化されるため、品質の向上も可能だ。

また、軽量自動車構造のために、高強度で耐久性の高い革新的なハイテク素材の開発と生産も期待されている。

建設開始は2017年の秋の予定。


▼外部リンク

ThyssenKrupp Press release
https://www.thyssenkrupp.com/en/newsroom/