トヨタ 2025年に内燃機関専用モデル廃止、 HEVを中心にBEV/FCEVと合わせ2030年に半数電動化

2018.02.28
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トヨタは2030年に向けた電動車戦略を2017年末に発表した。

欧州自動車メーカーが大胆な電動化シフトを鮮明にするなか、トヨタは1997年以降の20年間で約1,100万台以上の電動車を販売してきた実績と、約4,500人の電動車開発人員を擁する開発力を武器に、自前のハイブリッドシステムをベースとする全方位的な電動車戦略を打ち出した。

トヨタは2025年までに電動専用車の車種拡大と電動グレード設定車の設定拡大により、内燃機関のみを搭載するモデルをゼロとする。

2030年までに世界販売の50%以上を電動車、そのうち10%以上をBEVとFCEVとし、これらはモビリティサービス向け製品供給も行う。

1990~2050年、トヨタのエンジン車・HV・PHV・FCV・EV車比率を表したチャート。

2030年に向けた電動車戦略の軸は、HEV/PHEVである。

40%以上のハイブリッド化という高い目標を達成するために、トヨタはハイブリッドシステムの多様化を進める。従来の2モーターTHSが持つ燃費・コスト・走りの追求という要素を継承しつつ、他のハイブリッドシステムも開発。

スポーツタイプには加速性能に優れた2モーターTHS、小型トラックにはトーイング性能に優れた1モーター+多段AT、ラグジュアリーモデルには開発済みの2モーター+4速ATのマルチステージハイブリッドを展開する。

また、新興国向けには48Vマイルドハイブリッド(MHEV)などを今後開発して投入する。

従来の2モーターTHS(例:プリウス)の用途展開を表した図。

BEVについては2020年の中国を皮切りに自社開発の量産型BEVを本格導入し、以降、日本・インド・米国・欧州に順次展開する。2020年代前半には10車種以上をラインアップする。

BEVの位置づけを変更し、軽自動車からトラックまでフルラインで対応する。

計画を実現するためには電池生産が鍵となる。

40kWの電池を搭載したBEV100万台では、年間40GWhレベルの電池ギガファクトリーが必要である。トヨタは電池の開発と製造設備導入に向けて2018~2030年に1.5兆円を投資する。

また、トヨタはパナソニックとの電池協業も合わせて発表した。当面は角形リチウムイオン電池の開発に注力し、2020年代半ば頃の実用化を目指して全固体リチウムイオン電池の開発も共同で進める。

FOURIN世界自動車技術調査月報(FOURIN社 転載許諾済み)>

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