国の太鼓判付き「ホワイト企業」 電機・機械・自動車メーカーで認定されたのは?
2018.03.14残業規制をはじめとした働き方改革が推進されているなか、企業が積極的に従業員の健康をサポートする「健康経営」に関心が集まるようになってきました。
経済産業省は、従業員の健康に配慮した経営を行っている企業を「健康経営優良法人」(通称・ホワイト500)として認定する制度を2017年に開始。2018年の大規模法人部門では541社が認定されました。
ここでは、認定された電機・機械・自動車メーカーとその取り組みについてご紹介します。
トヨタ・キヤノン・日立は2年連続で認定
健康経営優良法人(ホワイト500)には、経済産業省の「健康経営度調査」に回答して認定を申請した企業のうち、「健康づくり担当者の設置」など7つの必須項目と、「生活習慣病予防」や「過重労働に対する具体的対策の実施」など15の選択項目を満たした企業が認定を受けられます。
2017年の制度開始から2回目となる2018年は、541社が認定されました。
各社さまざまな取り組みを実施
大手電機メーカーでは、日立製作所、日本電気(NEC)、富士通の3社が認定されました。2年連続の認定となった富士通は、17年に「富士通グループ健康宣言」を制定。ICTやビッグデータを活用した健康経営に力を入れており、モバイル機器で収集した食事・薬・ストレス・睡眠の情報をもとにした保健指導などを行っています。
自動車メーカーでは、完成車メーカーのトヨタ自動車、日野自動車、マツダと、アイシン精機、デンソー、ボッシュなどの部品メーカーが認定。
マツダは毎月1回の「全社1日禁煙デー」の導入や、徒歩通勤の従業員への手当の支給などを行っています。デンソーは39歳の従業員を対象に、健康に関する研修を実施。健康診断や体力測定に加え、食事指導なども行うことで健康への意識を高めています。
半導体の需要増加にともなって市場が活況な半導体製造装置メーカーでは、SCREENホールディングス、日立ハイテクノロジーズ、キヤノン、日立国際電気、ディスコが認定されました。
ディスコは、本社とR&Dセンターにフィットネスジムやヨガスタジオ、プール、マッサージコーナーなどを設置しており、従業員の健康維持を後押し。16年には受診費や禁煙補助薬代を全額負担する「禁煙支援プログラム」を実施し、参加者のうち92%が禁煙に成功しました。
1業種1社の「健康経営銘柄」 テルモは4年連続
ホワイト500に先駆けて2015年に始まった、健康経営に優れた上場企業を1業種1社選ぶ「健康経営銘柄」では、2018年にテルモ(精密機器)、コニカミノルタ(電気機器)、デンソー(輸送用機器)の3社が選ばれました。
4年連続で選ばれたテルモは、17年に設置した健康経営推進チームを中心に、健康保険組合と連携した取り組みを実施。生活習慣病検診・がん検診の全額補助、禁煙外来の費用補助や食事・運動の指導などを行っています。13年度に34%だった喫煙率は、16年度には26%にまで減少しました。
仕事をするうえで、一番の資本は自分の健康です。企業について知りたいときには、業績や年収だけではなく、「健康経営に力を入れているか」を調べてみるのもいいかもしれません。
(オートモーティブ・ジョブズ編集部 山岡結央)