【最新版】自動車メーカーの経営安全性を比較!自己資本比率ランキング

2019.12.25
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自己資本比率とは、会社が持っているすべての資産のうち、返済義務のない資産(純資産)がどれほどあるのかを示すもの。純資産額を総資産額で割って算出します。経営の安全性を示す指標で、一般的には40%以上あると安心だと言われています。

最新の有価証券報告書をもとに国内自動車メーカー9社の自己資本比率を算出し、ランキングにしました。

トップはSUBARU 日産は30%を下回る結果に

【自動車メーカー9社 自己資本比率ランキング 】各社の2018年度の有価証券報告書をもとに作成。1位SUBARU(売上高6位)、自己資本比率 54.1%、総資産額 2兆9827億円、純資産額 1兆6128億円。2位いすゞ自動車(売上高8位)、自己資本比率 52.4%、総資産額 2兆1309億円、純資産額 1兆1163億円。3位スズキ(売上高4位)、自己資本比率 50.4%、総資産額 3兆4020億円、純資産額 1兆7159億円。4位日野自動車(売上高9位)、自己資本比率 44.3%、総資産額 1兆3458億円、純資産額 5965億円。5位三菱自動車(売上高7位)、自己資本比率 43.8%、総資産額 2兆103億円、純資産額 8812億円。6位マツダ(売上高6位)、自己資本比率 43.5%、総資産額 2兆8710億円、純資産額 1兆2489億円。7位本田技研工業(売上高2位)、自己資本比率 41.9%、総資産額 20兆4191億円、純資産額 8兆5658億円。8位トヨタ自動車(売上高1位)、自己資本比率 39.6%、総資産額 51兆9369億円、純資産額 20兆5652億円。9位日産自動車(売上高9位)、自己資本比率 29.7%、総資産額 18兆9523億円、純資産額 5兆6235億円。

トップはSUBARUで自己資本比率は54.1でした。総資産額2兆9827億円に対し、純資産額は1兆6128億円。安心だとされる40%を大きく上回っています。
自己資本比率が高いのは、借入金の少なさが理由のひとつでしょう。2018年度のSUBARUの借入金は1004億円で、総資産の3.4。平均(※)の17.2%よりも低い水準です。

2位はいすず自動車で自己資本比率は52.4%。総資産額2兆1309億円に対し、純資産額は1兆1163億円でした。 

自己資本比率が40%を下回ったのは、トヨタ自動車と日産自動車です。
トヨタの純資産は20兆5652億円で群を抜いていますが、借入金も20兆1502億円と大きく、自己資本比率は39.6%となっています。 

最下位の日産は自己資本比率が29.7でした。総資産額18兆9523億円に対し、純資産額は5兆6235億円。日産は銀行などからの借入金5兆210億円のほかに1兆6918億円の社債も抱えており、これが自己資本比率を押し下げています。

(※)…短期借入金、長期借入金、1年以内に返済義務のある長期借入金を合算。算出基準が異なるホンダを除く8社の平均。

【5年間の推移】トヨタ・ホンダ・日産は下位をキープ

売上高上位5社の自己資本比率の推移をまとめました。

【売上高トップ5 自己資本比率の推移】各社有価証券報告書をもとに作成。トヨタ:2014年 37.0%、2015年 38.1%、2016年 38.3%、2017年 39.6%、2018年 39.6%。本田技研工業:2014年 40.1%、2015年 38.6%、2016年 39.9%、2017年 42.6%、2018年 41.9%。日産自動車:2014年 30.8%、2015年 29.6%、2016年 28.1%、2017年 30.3%、2018年 29.7%。マツダ:2014年 46.9%、2015年 38.3%、2016年 42.1%、2017年 44.7%、2018年 43.1%。スズキ:2014年 52.3%、2015年 44.0%、2016年 44.5%、2017年 47.7%、2018年 50.4%。2015年度マツダの自己資本比率が例年に比べ下がるなど、各社浮き沈みはあるものの順位の変動はほぼなかった。

各社浮き沈みはあるものの順位の変動はほぼありません。

スズキは唯一の5年連続40%超え。売上高トップ3のトヨタ・ホンダ・日産は下位が続いており、日産は連続の最下位となっています。

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大変革期を迎えている自動車業界。投資のための借り入れで自己資本比率は低下するため、数値が高いと先行投資が十分に行われていない可能性もあります。とはいえ、安定した経営には潤沢な資産も必要。企業の状態を知るひとつの指標として、ぜひ参考にしてみてください。

(オートモーティブ・ジョブズ編集部)

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