毎年1割の新入社員が辞めていく。早期離職は防げないのか?

2020.03.25
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オートモーティブ・ジョブズの自動車業界採用アナリスト 関寺庸平が、キャリアに関するお悩みにお答えします。

【今回のお悩み】
毎年、新入社員の1割ほどが1年以内に辞めてしまいます。採用活動にも教育にもそれなりの力を入れているので、辞められるのは正直つらい。できるだけ防ぎたいのですが、どのようなことに気をつければいいのでしょうか?


編集部:
もうすぐ4月。フレッシュな新入社員を迎えるタイミングですね。実際、新入社員の転職事情はどうなっているのでしょうか?

関寺:早い人は、入社後半年ほどで転職活動をはじめます。よく「3年は働いたほうがいい」と言われますが、今は1年以内に別の会社へ移ることも珍しくありません。実際、新入社員の方にもオートモーティブ・ジョブズをご利用いただいていますよ。

編集部:とはいえ、即戦力でない若手は転職しづらいのでは?

関寺:いえ、ニーズは底堅くあります。新卒から3年未満の第二新卒は、採用計画通りに新入社員を確保できなかった会社に引き合いが強い。即戦力求人とは別に「ポテンシャル採用」の求人もあるんです。

編集部:たしかに、ビジネスマナーが身に付いている第二新卒は、教育コストがかからないメリットもあると耳にしたことはあります。辞める理由はどのようなものが多いですか?

関寺:入社前に抱いていたイメージとのギャップを理由に転職を決意する方がほとんどです。具体的には「希望と違う部署に配属された」「職場の雰囲気が合わなかった」「責任のある仕事を任せてもらえない」などが多いですね。

編集部:ギャップですか…。そもそも会社の風土と合っていないのであれば、離職を防ぐのは難しそうです。

関寺:そうなんですよ。何よりも大切なのは、学生が自社に合っているのかを選考中に見極めること。学生時代の経験や人物像がどれだけ魅力的でも、まずはこの部分をきちんと考える必要があります。履歴書だけではわからないことがほとんどなので、コミュニケーションをしっかり取って、採用側が引き出すよう心がけてみてください。

例えば、幅広い仕事内容を経験したいのか、ひとつのポジションを極めたいのか。活発なコミュニケーションを求めているのか、黙々と進めたいのか…。細かい部分ではありますが、こういうところまで汲み取れるのがベストですね。

編集部:入社後にできることはありますか?

関寺:直属の上司や年次の近い先輩社員が積極的に話しかけて、何かあった時は相談してもらえる関係性を築くようにしてください。そうすれば、「仕事を楽しめない」「将来が不安」など、「辞めたい」につながる不安や悩みを抱いた時点でケアできますからね。定期的に1on1ミーティングを実施するのもおすすめです。

編集部:コミュニケーションのハードルを下げるのがポイントなんですね。それでも「辞めたい」と切り出されてしまったら、引き止めるのは無理なのでしょうか?

関寺:いえ、そうとは限りません。今の会社に合っているはずなのに、ちょっとしたきっかけで「辞めたい」と思ってしまう方もいるのが実情です。オートモーティブ・ジョブズにご相談に来る方のなかにも、仕事に求める条件を明確にしていくうちに「今の会社に留まるほうがいい」と判断する場合もあるんです。退職の意志を伝えられたら面談を設定して、その理由を確認するのがいいですね。

編集部:辞めてしまわない余地もあるんですね。

関寺:留まったほうが本人のためになると考えるなら、「このままこの会社で働いたほうがいいんじゃないか」と伝えたほうがいい場合もあります。もちろん、過度な引き止めはマイナス効果になるので注意してくださいね。

関寺 庸平
自動車業界専門の採用アナリスト。電気・機械・ソフト系技術者への転職支援で実績を築いており、エンジニアのキャリアに詳しい。
NHKや日本経済新聞に、自動車業界・製造業の転職市場についてコメントを提供している。前職では上場メーカーで技術営業をしていた。
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