押し寄せるEV化にコロナが追い打ち… 今、機械系エンジニアに転職先はあるのか?

2020.11.20
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オートモーティブ・ジョブズの自動車業界採用アナリスト 大熊文人が、キャリアに関するお悩みにお答えします。

【今回のお悩み】
サプライヤーで、機械設計として働いています。現在の自動車業界はEVやHVの開発に力を注いでおり、機械系エンジニアの居場所はどんどん狭くなってきているように感じます。もし今転職活動をはじめたとして、内定を出してくれる会社はあるのでしょうか? 本当のところを教えてください。


編集部:
中国のNEV規制や欧州のCO2排出量規制を筆頭に、世界中でガソリン車への規制が強まっています。電動車のニーズがますます高まるなか、機械系エンジニアの転職市場はどうなっているのでしょうか。

大熊文人(以下、大熊):自動車業界で数ある職種のなかでも、採用は活発でないのが実情です。転職したい気持ちはあるものの、いい転職先が見つからず現職に留まり続けている方もいらっしゃいます。

編集部:新型コロナウイルスの影響が拍車をかけ、さらに転職が難しくなっていそうです。

大熊:新型コロナウイルスは自動車市場全体に大きな打撃を与えたので、職種を問わず求人数が減少しました。求人を出し続けていたとしても、注力事業に絞って採用を行っていた企業もあったため、機械系エンジニアは電気・ソフト系エンジニアと比べて求人数の減少幅が大きかったですね。

編集部:やはり、それが実情か…。

大熊:でも実は、8月を過ぎたあたりから求人数が戻り始めているんですよ。市場が大きい中国や米国の販売台数が持ち直したため、自動車メーカーは相次いで業績予想を上方修正。採用にかけられる予算も戻ってきており、機械系エンジニアのニーズも回復してきています。

編集部:八方塞がりではないんですね。

大熊:特に引き合いが強いのは、バッテリーやモーターの機械設計職です。この職種は、機械系エンジニアのなかでも電動化にともない必要性が増してきた職種。かねてから電動車の開発に注力している自動車メーカーや、そこに部品を納入しているサプライヤーからの求人が増えてきています。近年は新事業として自動車のバッテリーやモーターの開発に乗り出すメーカーもあり、企業の選択肢自体は以前より増加している状況です。

編集部:機械系エンジニアの将来にも希望が持てました。

大熊:どの職種にも当てはまることですが、「誰でも今すぐ転職できます」と言えるほど甘くはないですよ。求人が多い少ないを問わず、いい転職先を見つけるには転職活動が長期化する覚悟も必要です。パラパラと求人を見てみる程度でかまわないので、「ほかにいい会社がないかな」と思った段階でアクションを起こすようにしてみてください。

大熊 文人
自動車業界の採用アナリスト。企業の採用コンサルティングと転職希望者のサポートの双方で実績がある。きめ細やかな情報収集が強みで、自動車だけではなく製造業全体についての豊富な知識を持っている。
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