HELLA、3D効果を備えたホログラフィック・リアライトシステムを開発

ホログラフィックフィルムを使用した照明システム
HELLAは5日、世界最大のポリマーメーカーの1つであるCovestro社と協力して、乗用車用の3D効果を備えた業界初のホログラフィック・リアライトシステムを開発したことを発表した。

ドイツのデュッセルドルフで開催された最近の展示会では、新しいホログラフィックシステムを初めて搭載したデモ車両が展示されている。

HELLAとCovestro社は、2012年以来、エレクトロニクス・照明・プラスチック技術に関する知識を集結し、フロントとリアの自動車ライトの革新的なデザインを開発してきた。

今回、Covestro社は、透明なホログラフィックフィルムにデザインを組み込み、3mmのガラスプレートにフィルムを積層した。独自のリアライトシステムは、HELLAのデザイナーが開発したホログラフィック技術を備えた、3つの部分からなるランプとなっている。

将来的に、生産アプリケーションはガラスの代わりにプラスチックを使用する予定だ。

HELLA、照明開発の技術責任者であるMichael Kleinkes博士は、次のように語った。
「ホログラフィックフィルムは、省スペースで目立たずに、車のボディに様々な照明機能を組み込むのに最適なものです。設置するための深さを減らすことができるので、自動車メーカーはよりコンパクトなランプを取り付けることが可能となります。」(プレスリリースより引用)

テールライトやストップランプも進化
3D効果を生成するために、ホログラフィックフィルムは、LED光源および反射器によって後ろから照らされる。各ランプの外側の部分は、多数のホログラム「フレーク」を備えており、テールゲートには、HELLAとCovestro社のロゴが浮き出て見えるミッドランプが組み込まれている。

また、ハイマウントストップランプの代わりに、リアストップランプとセンターハイマウントストップランプが組み合わされて、車両のリア全体を巡る独自の単一ユニットとなる。

Kleinkes氏は、「すべての法規制が充足されれば、このアプローチを即時に量産することが可能になる。」と説明した。

さらに、テールライトは、Covestro社によって開発された回折光学部品を備えたディフューザーフィルムを使用して、方向指示機またはターンシグナルと視覚的に組み合わされる。2色のLEDは、リアターンシグナルとテールライト機能を生成しており、この車両LEDライトシステムでは、順方向のターンシグナルも可能である。

メッセージが出るLEDランプも
HELLAとCovestro社は、シームレスで均一な前面シグナルライティングも作成した。シグナル機能は、3つの部分からなる「EdgeLight」ライトガイドによって生成され、ライトガイドは、車両の前面全体を連続した光の帯として広げる。

ライトガイドの外側部分は、方向指示機と、ポジションライトのために淡色にもできる昼間のランニングライトを作成し、ミドルライトガイドは、連続した昼間のランニングライトとポジションライトサインを担当する。どちらの機能も強調することができる。

また、車両前方の領域は、4つのComLEDモジュールを使用して照らされる。ロービームとハイビーム照明の2つの主なライティング機能は、HELLAによって開発されたマトリックスHD84モジュールによって実行される。

LEDディスプレイは車両の前面と背面の両方に一体化され、ウェルカムライト機能なども追加することができる。将来的には、自動車が停止しているか作動しているかの両方において、ドライビング体験を改善するために、追加の安全または便利なディスプレイを作成することができる。例えばブレーキを踏んだ時には、「STOP」のようなメッセージでリアランプを照らすことが可能となるだろう。

(画像はプレスリリースより)


▼外部リンク

HELLA プレスリリース(PR Newswire)
http://www.prnewswire.com/