マグナらのプロジェクトグループ、超軽量ドアモジュールによる軽量化ソリューションを開発

大幅な重量削減を実現
マグナインターナショナルは、アメリカエネルギー省(DOE)、およびFCAアメリカとグルーポアントリンと提携して、現在生産されているドアの平均値と比較して42.5%の重量削減というプロジェクト目標を達成した、新しい超軽量ドア・アーキテクチャを開発したことを発表した。

マグナとプロジェクトパートナーは、2017北米国際自動車ショーにおいて、世界の自動車メーカーが排出基準を満たし、軽量化を通じて燃料消費を削減するためのソリューションを提示した。

社内の研究開発とさまざまな製品グループとの共同作業である、マグナの高度なエンジニアリングチームは、運転席ドアの設計に関する独自のフル車両検証方法と、重量削減という課題に取り組むための材料と技術の独創的な組み合わせを結合させた。

マグナインターナショナルの最高技術責任者(CTO)であるSwamy Kotagiri氏は、次のように述べている。
「チームはゼロからスタートして、ドア・アーキテクチャの設計・開発・材料の使用について考える方法を再考しました。以前のDOEプロジェクトによる軽量化の専門知識を基に、我が社の幅広い製品開発ノウハウを活用し、この課題に費用対効果の高い方法で対処しながら、安全性や耐久性、機能性要件を満たしましたものです。」(プレスリリースより引用)

既存の製造プロセスに材料のノウハウを統合
マグナは、2014年にDOEとフォード社が行った複合材料軽量車両(MMLV)の開発からのノウハウを基に、この先進的な超軽量ドア・プロジェクトのソリューションをさらに進化させた。

超軽量ドアの開発に関連する主要なイノベーションは、マグナの「SmartLatch」電子ラッチシステムの統合が含まれている。これにより、機械的なハードウェアが不要になり、業界初の軽量ハイブリッドガラスラミネートの統合されたガラスガイドとリフト機能を備えた、独創的なキャリアモジュールの開発を実現した。

塗装する前のドア・アセンブリは、アルミニウムの広範な使用を可能にし、ドア・アセンブリの総重量削減の約半分を達成する。全体として、このプロジェクトでは、生産コストの大幅な増加やボディショップインフラの変更をせずに、現在の製造プロセスを使用して、容易に製造できる材料をすぐに利用することが可能となる。

各社の高度な技術と知識を結集
一方、グルーポアントリンは、インテリアトリム部品の設計と製造に、そのノウハウを提供し、大幅な重量削減に貢献した。高度な成形技術とポリマーの適用による効果は、重量削減全体に対して約7%を占めている。

超軽量ドアの開発のプロセスにおいては、すべての安全性と耐久性テストに合格した集中的なシミュレーション作業を実施した。次のステップでは、本格的なプロトタイプのドア・アセンブリの製造・性能試験・安全性テストを行い、2020年の秋までに生産車で使用することを目標に設計を検証していく。

また、FCAアメリカのエンジニアリングチームは、超軽量ドアの設計と開発の不可欠な部分であり、CAE(コンピュータ上でのシミュレーションによる)耐久性、疲労および安全性解析と同様に、既存の組み立て作業との互換性を確認するためのエンジニアリングコラボレーションを提供している。

FCAは、予測シミュレーションの結果を検証するために、プロトタイプのドア・アセンブリとフル車両のテストを実施する予定である。

(画像はプレスリリースより)


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Magna International Press Releases
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