デンソー、ミシガン大学に自動運転などを研究するR&Dラボを開設
自律走行に向けた研究の中心地であるミシガン
デンソーは10日、ミシガン州アナーバーにあるミシガン大学にR&Dラボを開設し、工学系の学生に向けて、新しい自動車安全技術の開発を加速する新たな研究機会を提供することを発表した。
ミシガン州サウスフィールドにあるデンソー北米本部の副社長兼最高技術責任者であるDoug Patton氏は、次のようにコメントした。
「この新しいラボでは、命を救うための将来の自動化ドライブ技術開発に向けた研究を行う機会が、学生に提供されます。我々は、自律走行に向けた世界的な輸送技術研究の中心地であるミシガンにおいて、ミシガン大学にR&Dラボを開設することを嬉しく思っています。このラボは、ミシガン大学とのパートナーシップを拡大し、様々なR&Dプロジェクトを支援するために2012年に設立したMaster Alliance Agreement (MAA)を拡張させます。」(プレスリリースより引用)
高度なシミュレーション環境を提供
デンソーのR&Dラボは、モビリティトランスフォーメーションセンター(MTC)と関連するMcityテスト施設、ミシガン大学交通研究所(UMTRI)、およびミシガン大学エンジニアリングカレッジなど、ADの研究活動の中心地である、ミシガン大学ノースキャンパス研究複合施設(NCRC)に置かれる。ミシガン大学の研究担当副学長であるS. Jack Hu氏は、次のように述べた。
「デンソーは、MTCのリーダーシップサークルの一員であり、複数の研究プロジェクトのスポンサーとして、大学の重要な産業パートナーの1つです。新しいキャンパスラボでは、イノベーションと教育の機会をさらに創出するために、より緊密な連携が期待されます。」(プレスリリースより引用)
デンソーのラボは、高速コンピューティングと大容量データストレージを備えたシミュレーション環境を持つ。シミュレーションは、高度な運転シミュレーターを含む高性能コンピュータおよびメカトロニクスシステムで行われ、ハードウェア・イン・ループとドライビングシミュレーターは、ADとコラボレーティブAD(CoAD)の機械学習方法の機能検証を提供する。
予定される研究内容
ラボの研究内容として、自動運転のためのインテリジェントで洗練された判断を下すために、ADシステムが環境を認識するのを支援する機械学習技術を開発する予定である。また、狭域通信(DSRC)を介してセンサ情報を共有することにより、コラボレーティブオートメーションドライブ(CoAD)の自動運転能力を強化する方法を検討していく。この技術は、オンボードセンサの視野や視線を超えて、システムの知覚範囲を広げる。
さらなる研究内容として、前方衝突警告・車線維持支援・交通標識認識・V2X接続運転・歩行者検出などの安全制御アルゴリズムの検証も挙げられている。
(画像はDenso North Americaより)
▼外部リンク
Denso North America News
http://www.densomedia-na.com/news/show?id=652