SKF、フォーミュラ1にベアリングのイノベーションを提供

フォーミュラ1のスタートから技術提携
SKFは16日、同社とフォーミュラ1との関わりについて発表した。

フォーミュラ1の歴史は、世界のモータースポーツで最高のシングルシートのレースカテゴリーと定義された1946年にさかのぼる。SKFは、当初からフォーミュラ1のベアリングの大手サプライヤーであり、また、スクーデリア・フェラーリとの技術提携は1947年から行われている。

主要チームをサポートする専用のアプリケーションエンジニアとともに、SKF製品は、車両全体で使用されている。ホイールハブ・ギアボックス・クラッチ・エンジン・ターボ・MGU・サスペンション部品、さらに、部品の性能を確認する高速の状態監視システムなど特殊サポート装置のための、ボールベアリングやローラーベアリング、プレーンベアリングを提供している。

SKF、スクーデリア・フェラーリ担当アプリケーションエンジニアであるAndrea Rifici氏は、次のように述べた。
「我々がフォーミュラ1に提供している製品は、それぞれのアプリケーション用に100%カスタマイズしています。フォーミュラ1は、リーディング企業が、可能となる絶対限界に向かうソリューションを求めている業界なのです。」(プレスリリースより引用)

厳しい条件に耐える性能と素材
Rifici氏の指摘によれば、同社の製品の大部分が長寿命を目的として設計されているのに対し、フォーミュラ1の顧客は非常に異なる優先順位を持っている。

フォーミュラ1のベアリングは比較的寿命が短く、厳しい条件が要求される。サイズや重量を極限まで抑えながら、極端な負荷、速度、動作温度に耐えるように設計することが求められ、また特殊な素材を必要とする。

同社のイノベーションマネージャーであるJeroen Wensing氏は、次のように説明した。
「我が社では、ギアボックスやホイールベアリング、またターボ用の『Nitromax』合金と、非常に硬く耐熱性の工具鋼である『M50』を含む高窒素鋼に対して、非常に硬い粉末金属を使用しています。ほとんどの場合、ベアリングローラーは、摩擦を低減しパワーを節約するためにセラミック製で、ケージは、高性能ポリマー『PEEK』、チタンまたは鋼から作られます。サスペンションなどの用途に使用されるプレーンベアリングは、鋼、チタン、またはアルミで作られており、特殊ライナーはフッ素樹脂製、ボールはセラミックコーティングされています。」(プレスリリースより引用)

ベースとなる材料は、高性能のハイテクコーティングで処理されており、さまざまなベアリング部品には、リン酸マンガン、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)、セラミックコーティングが使用されている。また、シールとプレーンベアリングのライナーは、車両からの効率低下を徹底的に抑える、特別な低摩擦コーティングが施されている。

大幅なレギュレーション変更に対応
さらに、SKFは、レーススポーツをサポートする特別な製品や生産プロセスも開発している。

Wensing氏は、次のように述べた。
「開発のスピードは主流の業界に比べて非常に早く、車の性能を向上させるために、シーズンの間にも、さまざまな製品アップデートが必要です。これは、製品開発から工場に関わるすべての人に高い柔軟性が求められます。」(プレスリリースより引用)

Rifici氏のようなアプリケーションエンジニアは、通常、週に1回、顧客とミーティングを行い、年間を通してF1チームに24時間サポートを提供している。

レギュレーション変更により、チームは自動車の信頼性と効率性を向上させ続け、競争圧力もこれまで以上に厳しくなっているため、SKFのエンジニアは、これからのシーズンに新たな課題を持つことになるだろう。

(画像はプレスリリースより)


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