アメリカンアクスル、新しい「QUANTUM」ドライブラインテクノロジーを発表
幅広い車両セグメントに対応可能
アメリカンアクスル&マニュファクチャリング(以下AAM)は、大幅に改良されたアクスル技術である「QUANTUM」ドライブラインテクノロジーを開発したことを発表した。これは、幅広い車両セグメントに対応可能で、車両サイズにかかわらず、大容量・高出力密度・改善された騒音・振動・ハーシュネス(NVH)、コンパクトなシステムパッケージでの効率向上など、多くの優れた利点を提供している。
AAMの会長兼最高経営責任者(CEO)であるDavid C. Dauch氏は、次のように述べた。
「エンジニアとのアイデアから始まった『QUANTUM』は、車の効率を高め、燃費を向上させ、出力密度を向上させる優れた技術に進歩しました。顧客は、アクスル構成でその素晴らしさを実感し、ドライバーはガスポンプで実感するでしょう。」(プレスリリースより引用)
AAMの高度なエンジニアは、自動車以外の製品のベンチマーキングを重ねて、開発に多くの時間を費やし、困難なハードウェアテストの実行、12以上の特許の確保などを経て従来のアクスルのあらゆるコンポーネントをほぼ再設計した。ベアリングはより効率的に配置され、ギヤが最適な位置に設定された新しいデザインとなっている。
軽量化と高効率化
AAMの副社長兼最高技術責任者であるPhil Guys氏は、新しい技術について次のように説明した。「QUANTUMは、出力密度を20%増し、同じトルク容量で30%以上の軽量化を実現しており、さらに、重量のあるピックアップでは、100ポンド以上の重量削減が可能です。これにより、低負荷フロアや、より大きな燃料タンクなど、顧客にとって重要な他の車両コンテンツに貴重なスペースを得ることができます。」(プレスリリースより引用)
QUANTUMのビーム軸はスケーラブルで、RWDベースの大型・中型・小型ピックアップに使用できる。この実用的で軽量のアクスルは、車両積載容量を増加させ、従来のアクスルに比べて最大で35%軽く、30%効率的である。
また、AAMはQUANTUM RWDとAWDモジュールも開発し、乗用車・クロスオーバー・SUV向けのアプリケーションでは、QUANTUM RWDおよびAWDモジュールを、複数の構成とサイズに合わせて設計および構築することも可能。モジュールのパッケージサイズも縮小されているため、OEMは他の車両システムにも柔軟に対応できる。
これらのモジュールは、オープン式・機械式リミテッドスリップ・電子式リミテッドスリップ・トルクベクタリング構成で利用することが可能である。
他の製品との併用で燃費や安全性がさらに向上
QUANTUMドライブライン技術は、他のAAM製品と組み合わせることも可能であり、EcoTracを併用すると、車両性能、燃費、乗員安全性をさらに向上させることができる。AAMのEcoTrac AWDは、AWDを必要としない時に前輪のみを使用することにより、FWD車両の燃費でAWD車の性能を発揮する。EcoTracはAWDが必要な時を感知し、AWDを自動的かつシームレスに操作するものであり、道路や気象条件がAWDを必要としない時、車両はその主駆動システムである前輪のみを使用して燃費を最大化する。
従来のAWDシステムとは異なり、EcoTracはリアドライブモジュール(RDM)とパワートランスファユニット(PTU)で切断され、システムの接続が解除されるとドライブシャフトの回転が停止する。回転のための部品が少なくなれば、燃料消費量が少なくなり、排出ガスも削減される。
また、AAMのTracRiteディファレンシャルシステムのポートフォリオは、トラクション・ハンドリング・安定性・性能を向上させるために、ドライブシステムに組み込むことができる。AAMのディファレンシャルのフルレンジには、オープン式・機械式リミテッドスリップ・電子式ロッカー・自動ロッカー・電子式リミテッドスリップがある。
(画像はAmerican Axle & Manufacturingより)
▼外部リンク
American Axle & Manufacturing News Release
http://investor.aam.com/