アメリカンアクスル、分離型AWDシステム「EcoTrac」の第2世代製品を開発
小型軽量化と効率の向上
アメリカンアクスル&マニュファクチャリング(以下AAM)は、同社の分離型全輪駆動(AWD)システム「EcoTrac」について、システムの効率性とパッケージングを向上させた第2世代の製品を開発したことを発表した。2014年のジープチェロキーで最初に販売されたAAMの「EcoTrac」AWDは、AWDの不要時は前輪のみを自動的かつシームレスに使用して、AWD車の燃費を向上させるシステムである。
これは、パワートランスファユニット(PTU)で切断されるので、ドライブシャフトが回転を停止し、動力が後輪に伝達されない。また、AWDを必要とする路面状況を感知すると、自動的にPTUと後部ドライブモジュールを再接続して、AWDをシームレスに提供する。回転が少なくなれば、燃料消費量とCO2排出量が少なくなるという利点がある。
来年に発売予定である第2世代のEcoTracは、さらに効率的な製品となる。典型的なAWDシステムの空気抵抗による抗力(ドラッグ)を低減する割合について、これまでの第1世代が80%であったのに対して、90%以上となっている。さらに、第2世代のEcoTrac は、安全性と機能性に影響を与えることなく、システムのサイズと重量を削減することにも成功した。
様々な要因でシームレスに作動
AAM副社長兼最高技術責任者であるPhil Guys氏は、次のように述べている。「EcoTracは、燃費・車両操作・オフロード機能を大幅に向上させた画期的な技術であり、さらに、我々は、軽量で小型、トルク密度を向上させた次世代のEcoTracの開発に成功しました。これは、削減されたパッケージングにより、他の車両システムにも対応できる柔軟性を顧客に提供しながら、ドライバーがさらなる燃費の向上を感じることができるものです。」(プレスリリースより引用)
EcoTrac AWDシステムは、高度なセンサーと独自のアルゴリズムを使用して、道路状況を監視および分析し、不要な時は、多くの回転コンポーネントをドライブラインから切り離す。システムは、パワートランスファユニット(PTU)および後部駆動モジュール(RDM)で切断されて、前輪駆動モードの間、PTLとRDMハイポイドギヤセット、ギヤセットに関連したベアリング、ドライブシャフトを含むドライブラインの大部分が回転を停止することを可能にする。
2018年にグローバルで発売予定
さらに、Guys氏は次のように説明をした。「従来のAWDシステムを車両に追加すると、安全性は向上しますが、燃費は1ガロン当たり1~3マイルも低下します。AAMのシステムは、燃費を維持しながら、AWDシステムの安全性と機能性を確保しています。これは、燃費の良いAWDを探している人にとってはメリットがあります。」(プレスリリースより引用)
AAMのEcoTrac AWDシステムは、ドライバーの操作や自動移行要因(ATE)が発生した時に有効となる。AAMのソフトウェアエンジニアは、低温や降雨、勾配の変化などの環境事象と動的事象の両方を含む、ATEの独自のコードを開発した。AAMの電子制御ユニットからATE信号を受信してAWDモードに入ると、EcoTracシステムは、明確にドライバーへシフトすることなく、AWDをシームレスに作動させる。
AAMは、導入以来、60万台以上のEcoTrac AWDユニットを提供してきた。次世代のEcoTracは、2018年に世界的な車両で発売される予定であり、2019年末までに、世界市場で約7億ドルの収益を上げることが期待される。
(画像はAmerican Axle&Manufacturingより)
▼外部リンク
American Axle&Manufacturing News Release
http://investor.aam.com/