GKNドライブラインのVL3等速ジョイントシステム、新型BMW 5シリーズに採用

高効率でCO2排出量削減
GKNドライブラインは、同社の新しい軽量VL3等速ジョイントシステムが、新型BMW 5シリーズに採用されたことを発表した。

このVL3ジョイントは、CO2排出量を大幅に削減しながら、より効率的なドライブラインを実現している。

GKNドライブラインは、CVジョイントのVLシリーズに関する特許を50年以上にわたって保持しているが、このデザインが大きく改変されたのは、2001年にVLiジョイントがBMW 7シリーズに採用された時であった。今回新しくなったVL3も、現在の7シリーズにも採用されている。

このジョイントは昨年、BMWの高級サルーンの新型モデルに導入された。GKNドライブラインはわずか18ヶ月のスケジュールで、VL3システムが持つ軽量で高性能なサイドシャフトシステムの新しい基準を、BMWグループに提供したものである。

設計の柔軟性が増加
VL3の先進的なデザインの中心は、ボールベアリングが動く方法を変えた、ハウジング内の新しいS字型トラックである。

GKNの「Countertrack」テクノロジーを採用したボールは、ベアリング間で均等にトルクを分配することでジョイントにおける力のバランスをとることができる、より広い範囲の動きが与えられている。これは、ケージの強度を増加し、関節運動を改善するものだ。

また、次の特徴として、6つではなく8つのボールベアリングを使用することで効率が向上した点が挙げられる。これは、より多くのベアリングを使用するとボールあたりの負荷が小さくなるとともに各ボールの直径が小さくなり、ジョイントのトルク容量を損なうことなくパッケージの直径も小さくなるということだ。

そして、VL3の8つのボールを、VLiシステムでの6つのボールと同じサイズにすることにより、ジョイントを介してより高い負荷を伝えることができる。設計は柔軟性があり、自動車メーカーは、トルク容量を増加するか、パッケージサイズを縮小するか、または両方の組み合わせなどを選択することができる。

パッケージングのスペースを削減
新しいVL3ジョイントが持つ3番目の重要な設計革新は、クラス最高のシーリングシステムを提供するダイアフラムブーツである。ダイアフラムのデザインは、VLシリーズジョイント用の従来のキャップ・アンド・ブーツ・ソリューションに代わるもので、その代わりに浅い一体型の輪郭付きカバーを使用している。

カバーのサイズを小さくすると、ジョイントをパックするのに必要なグリースの量が大幅に削減できる。この革新的なジョイントシール方法は、ジョイントの重量とコストを削減し、パッケージングに必要なスペースを削減することで、周囲にあるサスペンションコンポーネントの設計に自由度を与える。

エンジニアリング等速ジョイント部門の副社長であるUwe Paksa氏は、次のように述べた。
「GKNは、60年以上にわたりCVジョイント開発のパイオニアであり、VL3の最新の技術革新によって、より軽量で効率的、強くてより多いトルクを提供し、よりコンパクトであるCVジョイントを開発しました。」(プレスリリースより引用)

(画像はプレスリリースより)


▼外部リンク

GKN Driveline Press Releases
http://www.gkn.com/