HELLA、PAGIDブランドが銅を含有しないブレーキパッドを開発

重要な働きをする銅の代用材を開発
HELLAは、同社のPAGIDブランドが、銅を含有していないブレーキパッドを開発したことについて、7月4日のホームページで言及している。

ブレーキパッドは、800度にまで耐えられることを保証するために、最大65%の金属を含有しており、その主要な成分は銅である。これは、パッドの摩耗を低減し、ノイズと振動を防ぐとともに、摩耗安定性に役立っている。

しかしながら、銅は環境に影響があることが懸念され、ブレーキングの際に、原料の細かい粒子が飛散し、それが空気中や道路上、そして地下水に流出する可能性がある。

HELLA PAGID、ブレーキパッド担当のプロダクトマネージャーであるThomas Weyler氏は、次のように述べた。
「環境保護は我が社にとって非常に重要な問題です。2017年2月には、テュフ ラインランドが、HELLA PAGIDに対し、環境証明書ISO 14001およびエネルギー管理証明書ISO 50001の認定をしています。」(プレスリリースより引用)


様々な材料から摩耗材を組成
数年にわたり、HELLA PAGIDの共同株主であるTMD Friction社は、OE製品のブレーキパッドのために、銅を含有しない新しい材料組成について研究してきた。

これについて、Weyler氏は、「ブレーキパッドの摩耗材は、25種類以上の材料で構成されています。そして、銅の持つ特別な特徴の代用となる単一の材料が存在しないことから、開発プロセスは複雑になりました。」と説明する。

そしてついに、グループのエンジニアと技術者は、種々の金属硫化物や鉱物、研磨材料、繊維、セラミック粒子、グラファイト材から作られた摩擦材の開発に成功した。

この材料によって、銅を含む製品と同じく優れた耐摩耗性と摩擦特性を持つ、銅を含有しないブレーキパッドを実現した。銅含有量を低減したブレーキパッドと銅を含有しないブレーキパッドは、その銅含有量に応じて、製品ラベルに葉のシンボルマークが付いている。HELLA PAGIDは、継続的にこの開発を行い、世界中に提供していく予定だ。

強化される法律に先行
また、銅を含有しないブレーキパッドは、法律の強化にも対応している。例えば、2010年からは、アメリカで認定された摩擦材のメーカーは、「ベターブレーキ・ルール」法を通して自社製品を登録し、葉のシンボルマークで表すことを推奨されている。

さらに、2021年以降、ブレーキパッドにおける銅の含有は、5%以下となることが求められ、2025年までには、アメリカで販売されるブレーキパッドは、銅を含有することが禁止される予定である。

HELLA PAGIDは、こうした目標よりも先行し、銅を含有しないブレーキパッドに完全に変換していきたい考えだ。

(画像はプレスリリースより)


▼外部リンク

HELLA Press Releases
http://www.hella.com/