マンウントフンメル、粉塵公害低減に向けテスト車両での検証を開始
テスト車両による実際の走行で検証
マンウントフンメルは14日、自動車に起因する高粉塵公害と健康に関連するリスクの重要性を認識し、この分野の研究開発活動において、テスト車両でのフィールドテストを開始したことを発表した。
マンウントフンメルは、粉塵公害を減らすのに役立つ3つのアプリケーションを車両に装備した。
1つ目は車の屋根の上に設置された粉塵粒子フィルタで、これは周囲の空気から粒子状物質を分離する。フィットフィルタエレメントは、その低い流れ抵抗を介して、優れた空気スループットと高い分離効率を同時に実現した。
コンピュータシミュレーションによると、粉塵粒子フィルタを使用することによって、燃料燃焼による排出量は完全に相殺できることを示している。マンウントフンメルは、フィールドテストでシミュレーションからの有望な結果をチェックして、実際の走行条件下における空気からの微粒子分離を検討する。
様々な高性能フィルタを開発
また、テスト車両には、新たに開発されたキャビンフィルタが装着されている。フィルタに使用される活性炭混合物は、有毒な窒素酸化物(NOx)などの有害ガスのための非常に高い分離効率を有効にし、フィルタの革新的なコーティングは、アンモニアの高い濃度を低減し、フィルタの内部における超微細ナノファイバーは、微粒子および花粉に対する優れた保護を提供している。さらに、同社は、新しく開発されたブレーキダスト粒子フィルタを車両に装備した。フィルタの堅牢なハウジングは、空気に排出される前に、最初の部分でダストブレーキを捕獲するためのフィルタを有効にするブレーキキャリパーに密着する。
重要なのは、都市交通におけるブレーキングによって発生する多くの粉塵が、おそらく排気ガスによって発生するものよりも多いということだ。
今日の近代的なブレーキパッドは、これまでの製品に比べて、化学的にはるかに環境に優しいものとなっているが、ブレーキダストの90%が、依然として人間の健康に悪影響を及ぼす微粒子でなっている。新しいブレーキダスト粒子フィルタは、従来のガソリン車やディーゼル車、電気自動車、ハイブリッド、あらゆるタイプの自動車用車両ディスクブレーキシステムや、それ以外の用途に適用することができる。
他社との協働で粉塵公害に早急に対応
世界保健機関(WHO)の調査によると、ドイツでは毎年、およそ47,000人が微粒子の影響で死亡している。また、シュトゥットガルトの街は粉塵の警報がある地域として知られており、2016年には、粉塵の警報が出た日は59日、2017年には、1月から4月の間で既に48日にも及んでいる。また、粉塵警報期間以外にも、例えば夏の間は、空気中の微粒子は、法的許容範囲の非常に多いケースを超過している。
こうしたことから、マンウントフンメルは、粒子のレベルを2007年の値まで早期に削減するための革新的なプロジェクトへの取り組みを、外部のパートナーと協力してスタートしている。
他の企業や新興企業との合弁事業の目的は、複雑な問題に対するソリューションを一緒に開発するために、ダイナミックな作業環境と、オープンな機敏性を持って、迅速に対応することができることである。
微粒子フィルタに関しては、ドイツ、バーデン=ヴュルテンベルク州のアイヒヴァルトにあるTEAM KAMM社のマネージングディレクターであるAlbert Kamm氏と協働してきた。TEAM KAMM社によって提供されているサービスは、車両のエンジニアリングとサービスの領域における専門的なサービスなどがある。
(画像はプレスリリースより)
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