オートリブ、高齢化社会に向けて自動車パッシブセーフティを進化

高齢ドライバーの増加に対応
自動車安全システムの世界的リーダーであるオートリブは、増加する高齢者や多様な人々に向けた安全拘束システムを開発するために衝突テストを実施しており、現在、高齢者の女性をイメージした衝突用ダミー人形を使用している。

パッシブセーフティのニーズは、研究を通して引き続き発展している。しかし、Euro NCAPのような現在の規定評価プログラムにおけるターゲットは、わずかな例外を除いて男性であることから、より多くの命を救うために、オートリブは規定評価プログラムの先をいくこととした。

そして、多様な人々に向けた安全拘束システムの開発に向けて、衝突テストで使用するために、中ぐらいの男性と小さい女性のダミーに加えて、高齢者女性のダミーが用意されることとなった。

2030年には、全運転者の20%以上が65才以上になると予想されている。人間の体は年を取るにつれて、骨密度は低くなり、結合組織は硬くなる。これにより、老化と関連した他の要因でシートベルトや前部エアバッグとの相互作用がもたらされるため、人体計測が必要となる。

高齢女性のダミーで安全性を検証
オートリブは、ヨーロッパのH2020 SENIORSプロジェクトと連携して、新しい高齢女性のダミーによる評価を行っている。Humanetics Innovative Solutionsによって開発されたダミーは、身長161センチ、体重73キロの70才の女性をイメージしたものだ。

SENIORSプロジェクトの目的は、高度なアプローチを用いて、高齢者のための安全を向上させることである。高齢者の事故データやモビリティに関する実生活のデータに基づいて、SENIORSプロジェクトは、高齢の同乗者、歩行者、自転車使用者の保護を強化したツールや評価方法を提供していく。

オートリブは、Humanetics、BASt、 IDIADA、TRL、LMU、Ford、FCAと協働するプロジェクトにおいてパートナーの1つとなっている。

オートリブ・グローバルリサーチのリサーチディレクターであるCecilia Sunnevång氏は、次のように説明した。
「これまで、すべての安全拘束システムは、45才の男性向けに設計されており、現在の前部規制評価テストでは、運転者は常に男性のダミーでした。異なる人体測定法による高齢者のダミーを使用することは、高齢者同乗者の保護を設計することに向けた大きなステップです。スケーラブルな人体モデルに加えて多様な体のダミーは、Vision Zeroを達成するために、より多くの命を救うことに向けて仕事を続けるための機会を、オートリブや他の企業に提供しています。」(プレスリリースより引用)


(画像はプレスリリースより)


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