オートリブ

オートリブのハイライト

オートリブ(Autoliv,Inc.)は、スウェーデンに本社を置く、世界最大の自動車安全部品メーカーです。主にシートベルト、エアバッグ、ステアリングホイール、エレクトロニクスなどのパッシブセーフティ関連製品の開発・製造・販売を行っており、売上高の9割以上を同製品が占めていますが、将来的にはパッシブセーフティとの融合による自動運転の実現を目指しています。

オートリブの母体は、1953年に設立されたスウェーデンのシートベルトメーカー、Lindblads Autoservice ABです。1968年にオートリブABに社名を変更し、シートベルトやエアバッグ関連事業の展開を加速的に拡大。1997年、北米・アジア圏における大手エアバッグメーカーだったアメリカのMorton ASPと合併し、現在のオートリブが設立されました。
2010年頃までに海外における生産工場の増設やテクニカルセンターの設置、他社の買収や投資などを進め、パッシブセーフティ関連製品分野を強化しました。買収・投資した企業には、エアバッグインフレーター/イニシエーターの大手だったOEAやフランスのLivbag、デルファイ(Delphi)が展開していたヨーロッパのエアバッグ事業やステアリングホイール事業などが含まれます。
また、2000年代後半頃からタイコエレクトロニクス(Tyco Electronics)やビステオン(Visteon)の車載レーダーシステムに関する事業を買収するなど、アクティブセーフティに関する事業の拡大を推進しています。

2014年末の時点では、世界28ヶ国に80を超える製造拠点と合弁会社を、9ヶ国に18ヶ所の研究開発拠点を有しています。全世界の従業員の総数は、約50,800人です。
事業体制は以下の3つの製品分野によって分類されています。
・エアバッグおよび関連製品(ステアリングホール、パッシブセーフティエレクトロニクス、インフレーターを含む)
・シートベルトおよび関連製品
・アクティブセーフティ

なお、2015年からはパッシブセーフティ部門とエレクトロニクス部門の2つの事業部門が新たに設置されています。これまでのエアバッグやシートベルト関連製品はパッシブセーフティ部門に含まれ、アクティブセーフティ関連製品とパッシブセーフティに関するエレクトロニクス製品がエレクトロニクス部門に分類されています。

現在は、アクティブセーフティシステムの開発や生産に注力しており、多額の研究開発費を投入しています。

売上等の推移(直近3年間)

売上高推移

連結
  • 1,065,163百万円

2013年度

  • 1,118,161百万円

2014年度

  • 1,109,691百万円

2015年度

単独
  • 75,000百万円

2013年度

  • 82,200百万円

2014年度

  • 93,700百万円

2015年度

  • ※米国SEC基準会社・国際会計基準会社は、経常利益に当たるものがないため、税前利益を経常利益とみなします。

従業員数推移

連結

2014年における売上高は92億4千万ドルで前年比5.0%増となりました。
また、営業利益は7億2,300万ドルで前年比5.0%減、純利益は4億6,900万ドルで前年比4.3%減となりました。

製品分野別の売上高は、

  • エアバッグおよび関連製品(ステアリングホール、パッシブセーフティエレクトロニクス、インフレーターを含む)が59億5,100万ドルで前年比4.7%増
  • シートベルトおよび関連製品が28億ドルで前年比1.0%増
  • アクティブセーフティが4億8,900万ドルで前年比41.7%増

となりました。

なお、2015年から、事業体制が「パッシブセーフティ部門」と「エレクトロニクス部門」の2部門編成に変更されています。エアバッグやシートベルト関連製品はパッシブセーフティ部門に、アクティブセーフティ関連製品とパッシブセーフティに関するエレクトロニクス製品についてはエレクトロニクス部門に再分類されました。

オートリブはアクティブセーフティ部門における具体的数値目標として、2019年までに10億ドルの売上高を掲げています。

事業戦略

事業方針

オートリブは、2019年までにアクティブセーフティ関連製品の売上高を10億ドルに引き上げることを目指しています。
この目標を達成するため、2015年8月、アナログRFやマイクロ波、ミリ波、光半導体関連製品を手がけるアメリカの企業、MACOM(M/A-COM Technology Solutions)の自動車事業のAutomotive Solution部門を約1億ドルで買収。同部門では、自動車向けの統合型・組み込み式GPSモジュールの設計・開発・生産が行われていました。
収益目標の達成度によっては、追加で3千万ドルを投資する可能性も示されています。

なお、主力であるパッシブセーフティ分野に関しては、タカタ製エアバッグインフレーターのリコール問題が影響し、代替需要が増加しています。オートリブはアメリカのエアバッグ工場を拡張し、米国ホンダに向けた交換用エアバッグインフレーターの供給を開始。今後も需要の増加に対応した生産能力の拡大を行う方針を示しています。

また、日本のブレーキシステムサプライヤーである日信工業と、ブレーキコントロールシステムとブレーキアプライシステムに関する事業を行う合弁会社を設立することで合意しました。日米中に生産拠点を設置し、グローバルに関連部品の設計・開発・生産を行う方針です。

注力分野

オートリブはエアバッグやシートベルトなどのパッシブセーフティ関連製品に強みを持った、同製品のグローバルシェア首位のサプライヤーですが、現在はアクティブセーフティシステムに注力しており、これに関する研究開発活動などを積極的に行っています。

特にレーダーやカメラを活用した先進運転支援システム(ADAS:Advanced Driver Assistance Systems)の生産に力を入れています。
以下のような製品を生産しており、主にBMWやメルセデス・ベンツ(Mercedes-Benz)などに供給しています。

  • 衝突警告システム
  • ナイトビジョンシステム
  • 緊急自動ブレーキ(AEB:Automatic Emergency Braking)システム
  • ブラインドスポットアシスト
  • ヘッドライトアシスト
  • 車線逸脱防止支援(LKA:Lane Keeping Assist)システム

技術動向

2014年末時点で、オートリブは世界9ヶ国に18ヶ所の研究開発拠点を有しており、約5,500人の従業員が研究開発活動に携わっています。また、自動車安全とその他の支援技術に関して、約6,600件の特許を取得しています。

下記は、オートリブの研究開発活動の一例です。


・自動運転プロジェクト「Drive Me」への参加を発表

2017年に開始される世界初の大規模自動運転プロジェクト。ボルボ(VOLVO)の自動運転車100台を一般の方が日常の運転条件下で利用する試験を予定。オートリブとボルボのほか、スウェーデン交通庁、チャルマース工科大学、サイエンス・パーク、ヨーテボリ市が参加。

・真空ブレーキシステム「トリチェリ・ブレーキ(Torricelli brake)」を発表

緊急ブレーキが作動したとき、車両の底に搭載された真空プレートを路面に密着させて吸引することにより、制動距離の大幅な短縮を実現した自動緊急ブレーキ(AEB:Automatic Emergency Braking)システム。舗装道路であればウェット路面・凍結路面でも制動力がほぼ変わらないのが特徴。

・フォルクスワーゲン(FW:Volkswagen)の「パサート(Passat)」にインフレーターが採用

2015年7月に発売の新型パサートの助手席用エアバッグに、オートリブ製の水素を使用しインフレーターを搭載。環境に害がなく、火薬式よりも短時間で膨張するため、大型エアバッグ向き。今後、ヨーロッパの完成車メーカーで採用が拡大する見込み。

・交通安全技術のためのテストコース「AstaZero」を開設

オートリブの出資でスウェーデンのボロースに開設。ボルボやスカニア(Scania)といった完成車メーカーをはじめとする、スウェーデンの複数の機関が参加。さまざまな交通状況を再現し、先進運転支援システムを試験することが可能。

グローバル展開

2014年末時点で、オートリブは世界28ヶ国に80以上の製造拠点と合弁会社を有しています。また、9ヶ国(スウェーデン、フランス、ドイツ、アメリカ、ルーマニア、日本、中国、韓国、インド)に18ヶ所の研究開発拠点を設置しています。

地域別の売上高の内訳は、ヨーロッパと米州がそれぞれ3割強(合わせて全体の約7割)を占めていますが、伸び率の高さは中国が顕著です。


○新興国をはじめとした海外における取り組み

  • 2014年2月、中国の完成車メーカーである長城汽車から委託されているエアバッグの生産に関して、新工場を河北省に建設すると発表。生産するエアバッグは、主に長城汽車のSUV(Sport Utility Vehicle,スポーツ用多目的車)とコンパクトセダン向け。
  • 2015年3月、2014年における中国での売上高増加を受け、将来的に中国国内だけでなく、ヨーロッパなどの海外市場へ販路を拡大したい考えを表明。
  • 2015年9月、日本のブレーキシステムサプライヤーの日信工業と、ブレーキコントロールシステムとブレーキアプライシステム関連事業を行う合弁会社を設立することで合意。日本、アメリカ、中国に生産拠点を設置し、関連部品をグローバルに設計・開発・生産する方針。
  • 2014年12月、アメリカにおけるホンダのリコール対応を支援するため、交換用エアバッグインフレーターを供給することで合意。アメリカの複数の既存工場を拡張し、生産能力を拡大。

部門構成・部門ごとの方針

オートリブは2014年末まで、以下3つの製品分野により事業体制を構成していました。

  • エアバッグおよび関連製品(ステアリングホール、パッシブセーフティエレクトロニクス、インフレーターを含む)
  • シートベルトおよび関連製品
  • アクティブセーフティ

2015年からは、新たに以下の2部門の事業体制に変更されています。

  • パッシブセーフティ部門(主要製品分野:エアバッグシステム、インフレーター、ステアリングホイール、シートベルトシステムなど)
  • エレクトロニクス部門(主要製品分野:エレクトロニクス、ブレーキコントロール、レーダーシステム、ビジョンシステム、アクティブシートベルトなど)

オートリブは2019年までに、アクティブセーフティ関連製品(エレクトロニクス部門に分類)の売上高を10億ドルとする目標を掲げています。

オートリブの報道ニュース一覧

会社概要

社名 オートリブ株式会社
設立年 1987年5月1日
本社所在地 〒222-8580 神奈川県横浜市港北区新横浜3-17-6イノテックビルディング4階
市場名 ニューヨーク証券取引所
代表取締役 ブラッドリー・ジェイ・ムーリー
資本金 499百万円

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