パナソニック

パナソニックの企業情報

パナソニックは、ほぼすべての電気機器器具を扱う、日本の総合エレクトロニクスメーカーです。これまで一般消費者向け製品をコア事業としていましたが、現在はB to B中心の事業体制への移行を進めており、中でも車載関連を中核的な戦略事業に位置付けています。
社内分社のオートモーティブ&インダストリアルシステムズ(AIS)社に主力の車載関連事業が内包されており、電池、電子部品、カーエレクトロニクス、充電システムといった自動車関連事業が集約されています。

オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社は、パナソニックのオートモーティブシステムズ社、デバイス社、エナジー社(旧:三洋電機)、マニュファクチュアリングソリューション社が統合し、2013年に設立された会社です。

2015年3月末時点でオートモーティブ&インダストリアルシステムズ社は、国内に10ヶ所の工場と5ヶ所の研究開発拠点、国外に複数の拠点を有し、約9万人の従業員を抱えています。
パナソニックの事業体制は以下の5セグメントによって構成されており、オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社が自動車関連事業を担っています。
・アプライアンス社
・エコソリューションズ社
・AVCネットワーク社
・オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社
・その他

さらに、オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社は下記のように細分化されています。
・オートモーティブ事業
・エナジー事業
・インダストリアル事業
・ファクトリーソリューション事業部

現在は車載関連事業の安全分野(先進運転支援システム(ADAS:Advanced Driving Assistant System)事業)、快適分野(コックピット事業)、環境分野(電池・電源システム事業)の強化に注力しています。

年収情報

平均年収768万円自動車業界内の年収順位 38280

年収推移

  • 789万円

2016年度

  • 781.5万円

2017年度

  • 768.1万円

2018年度

自動車業界の平均年収 618万円
推定生涯賃金 2億4656万円

年齢別年収シミュレーション

  • 476万円

25歳

  • 568万円

30歳

  • 660万円

35歳

  • 745万円

40歳

  • 768万円

45歳

  • 752万円

50歳

平均年齢 45.6歳
平均勤続年数 22.9年

売上等の推移(直近3年間)

売上高推移

連結
  • 7,343,707百万円

2016年度

  • 7,982,164百万円

2017年度

  • 8,002,733百万円

2018年度

単独
  • 3,655,233百万円

2016年度

  • 4,056,083百万円

2017年度

  • 4,255,215百万円

2018年度

経常利益推移

連結
  • 275,066百万円

2016年度

  • 378,590百万円

2017年度

  • 416,456百万円

2018年度

単独
  • 247,651百万円

2016年度

  • 321,023百万円

2017年度

  • 165,210百万円

2018年度

  • ※米国SEC基準会社・国際会計基準会社は、経常利益に当たるものがないため、税前利益を経常利益とみなします。

従業員数推移

連結
単独

2014年度におけるパナソニックの売上高は約7兆7,150億円でした。このうちオートモーティブ&インダストリアルシステムズ(AIS)社の売上高は約2兆6,208億円で、北米やヨーロッパにおける車載事業の需要増などが影響し、前年度から2.2%増加しています。
また、営業利益は1,056億7,700万円で前年度比52.8%増となりました。

車載関連事業の分野別の売上高は、

  • 安全分野(先進運転支援システム(ADAS:Advanced Driving Assistant System)事業)が約2,800億円
  • 快適分野(コックピット事業)が約5,800億円
  • 環境分野(電池・電源システム事業)が約3,800億円

となりました。

パナソニックのオートモーティブ&インダストリアルシステムズ社は、2018年度における車載関連事業の売上高を2.1兆円(安全分野4,700億円、快適分野9,300億円、環境分野7,800億円)に引き上げる目標を掲げています。

事業戦略

事業方針

パナソニックのオートモーティブ&インダストリアルシステムズ(AIS)社は、主力である車載関連事業の売上高を2018年度までに2.1兆円(2014年度比70%増)に引き上げる目標を掲げています。

「快適分野」「安全分野」「環境分野」の各領域に注力することで目標の達成を目指していますが、先進運転支援システム(ADAS:Advanced Driving Assistant System)の機構系など、成長に不可欠ながら社内に設置していない分野については、他社との提携やM&Aによってカバーする方針です。
また、協業関係を強化してTier1(自動車部品の1次サプライヤー)の販路を活用することで、自社製品の拡販も狙っています。

なお、M&Aや他社との提携に関する動向は、以下のとおりです。

  • 2015年6月、スペインの大手自動車部品サプライヤー、フィコサ・インターナショナル(Ficosa International)と資本業務提携を開始。フィコサが得意とするミラー技術にパナソニックのセンシング技術を組み合わせることで、電子ミラーを実用化するのが協業の第一目的。また、中期的に「安全分野」と「快適分野」を融合させた次世代コックピットシステムの構築も目指す考え。さらに、両社の既存販売ルートを活用し合うことによる自社製品の拡販も、協業の狙いの1つ。
  • 2014年7月、EV(Electric Vehicle,電気自動車)大手の完成車メーカー、テスラ・モーターズ(Tesla Motors)とリチウムイオン電池事業について提携することで合意。アメリカのネバダ州に大規模生産工場を設置し、2016年末に稼働。パナソニックが生産したセルをテスラ・モーターズに供給し、テスラ・モーターズが電池パックとモジュールを生産する計画。
  • 2015年10月、電池や電源装置を手がけるGSユアサと、パナソニックの鉛蓄電池事業の譲渡について基本合意を締結したと発表。GSユアサは日本、中国、インドのパナソニック子会社の株式を取得するほか、タイの鉛蓄電池事業を買収。

注力分野

パナソニックのオートモーティブ&インダストリアルシステムズ(AIS)社は、2018年度の目標売上高2.1兆円の達成に向け、車載関連事業の「安全分野」「快適分野」「環境分野」のそれぞれに注力しています。

○安全分野

カメラ・超音波センサー・画像処理技術といったセンシング技術や、ヘッドアップディスプレイ(HUD:Head Up Display)など、パナソニックが強みとしている技術を活用することで、先進運転支援システム(ADAS:Advanced Driving Assistant System)事業の強化を図っています。
自社で保有していない先進運転支援システムの機構系(ステアリング、ブレーキなどの動作部分)に関しては、他社との協業やM&Aで補う考えです。

○快適分野

パナソニックが培ってきた家電AVやモバイル技術の応用と、強みであるHMI(Human Machine Interface)技術を中心とした次世代コックピットの製品化に向けた取り組みなどを実施しています。
具体的には、資本業務提携を結んだフィコサ・インターナショナル(Ficosa International)との電子ミラーの製品化、ネットワーク型ディスプレイオーディオのプラットフォームを標準化することによる高投資効率化などに取り組んでいます。

○環境分野

全種類の電池技術を持つ強みと電源デバイス技術の活用により、車載電池事業、電源システム事業の強化を図っています。
たとえば、テスラ・モーターズ(Tesla Motors)のギガファクトリーにリチウムイオン電池の大規模生産工場を設置するなど、量産体制の整備を加速させています。
また、完成車メーカーの車載電池需要の増加に対応し、受注を拡大させたい考えを示しています。

このほか、オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社は国内におけるデバイス生産体制の効率化を推進しています。
三重県の松阪工場で行っていた電子部品や電源モジュール、スピーカーの生産機能の移管や、福島県の福島工場で生産していたデジタルカメラを車載用回路基板に切り替えるなど、生産体制を車載分野へ集中させています。

技術動向

パナソニックのオートモーティブ&インダストリアルシステムズ(AIS)社は、日本国内に5ヶ所、海外に4ヶ所の主要な研究開発拠点を有しています。

下記は、オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社の研究開発活動の一例です。

・高耐熱半導体封止材を製品化

産業用・車載用パワーデバイスの性能を高める、電力を変換・制御するパワーデバイス向け高耐熱半導体封止材。2016年末から量産を開始。

・高出力青紫半導体レーザーを開発

両面放熱構造によって光出力を高め、レーザー動作温度の上限である60℃においても、従来と比較して1.5倍の出力動作が可能な青紫半導体レーザー。車載照明などの小型・低消費電力化に寄与。

・車載用「静電容量方式曲面タッチパネル」の量産を発表

樹脂製カバーパネルと高感度フィルムセンサーが一体となった、カーナビゲーションやディスプレイオーディオなどの表示画面向けタッチパネル。コックピットのデザイン性の向上に寄与するほか、手袋での操作やマルチタッチに対応。

・スズキの車両のオートエアコンに「ナノイー(nanoe)」技術が採用

「ナノイー」は、脱臭や菌・ウイルスの発生を抑制する効果があるパナソニック独自の技術。放電部と冷却機構を効率化したことで、従来と比較して消費電力を約半分に抑えたほか、30%の軽量化に成功。スズキ「アルトラパン」と「スペーシア」のXグレード、「スペーシアカスタム」のXSグレードに搭載。

・インフィニオンテクノロジーズ(Infineon Technologies)とパワーデバイスの共同開発で合意

ドイツの半導体メーカーであるインフィニオンテクノロジーズと共同で、窒化ガリウム(GaN)を素子とするパワーデバイスを開発することで合意。2社の技術を共有することで高性能化を図るほか、それぞれがパッケージ互換の製品を生産することで普及を拡大させる考え。2015年3月にはサンプルを公開。

・光学技術を応用したヘッドアップディスプレイ(HUD:Head Up Display)を開発

パナソニックが培ってきた家電AVの光学技術を応用した、業界最小のヘッドアップディスプレイ。曲面形状のフロントガラスに、ナビ情報などを歪みなく映し出すことができる特殊な形状のミラーを開発。

・小型化・オン抵抗が低減されたSiCパワーモジュールを共同開発

三社電機製作所と共同で、SiCパワートランジスターを複数組み込んだパワーモジュールを開発。従来と比較して3分の1ほどのサイズになり、オン抵抗が低減したことで電力変換の損失も減少。

・高速無線技術を開発

最大2Gbpsの通信速度を実現する60GHz帯無線LAN規格に対応した高速無線技術。4K、8K映像などの大容量データを複数端末で同時に送受信することが可能。電波の送受信方向を制御するビームフォーミング技術により、従来と比較して2.4倍(120度)に角度範囲が拡大。

・車体本体のボタンとアプリが連動するシステムを試作

アメリカのベンチャー企業であるドライブモード(Drivemode)やホンダと共同で、ハンドルに設置されたボタンとカーナビゲーションアプリが連動するシステムを試作。「まずは作って改善を繰り返す」というシリコンバレー流の開発手法が採られているため、実際の採用は未定。

グローバル展開

2015年12月5日時点で、パナソニックのオートモーティブ&インダストリアルシステムズ(AIS)社は、北米に6ヶ所、南米に1ヶ所、西ヨーロッパに1ヶ所、東ヨーロッパに2ヶ所、ASEANに4ヶ所、インドに2ヶ所、中国に9ヶ所、台湾に1ヶ所の研究開発拠点を有しています。
また、アメリカのジョージア州、ドイツのランゲン、中国の天津(てんしん)市、タイのサムットプラカーン県に主要な研究開発拠点を設置しています。

○海外における取り組み

■中国での取り組み
  • 2015年11月、蘇州にディーゼルエンジン用排ガス浄化触媒フィルターの生産工場を設置。現地のエンジンメーカーへ供給し、2018年度には販売を100億円規模に引き上げたい考え。
■アメリカでの取り組み
  • 2014年10月、テスラ・モーターズ(Tesla Motors)のEV(Electric Vehicle,電気自動車)向けリチウムイオン電池を生産する会社、パナソニックエナジーノースアメリカ(Panasonic Energy Corporation of North America)をネバダ州に設立。出資額は約5億4千万円。
■インドでの取り組み
  • 2014年11月、インドの自動車部品サプライヤーであるミンダ・インダストリーズ(Minda Industries)と、鉛蓄電池を生産する合弁会社を設立。2018年の年間生産能力200万個を想定。パナソニックはインド市場を開拓することで事業拡大につなげたい考え。
■ヨーロッパでの取り組み
  • 2014年10月、事業活動の効率化を目的として、ヨーロッパの車載・産業分野のグループ会社を統合し、パナソニックオートモーティブ&インダストリアルシステムズカンパニーヨーロッパ(PAISEU:Panasonic Automotive & Industrial Systems Company Europe)を設立。

部門構成・部門ごとの方針

パナソニックの車載関連事業を担うオートモーティブ&インダストリアルシステムズ(AIS)社は、以下の4事業と11の事業部によって構成されています。

○オートモーティブ事業

  • インフォテインメントシステム事業部
  • 車載エレクトロニクス事業部

○エナジー事業

  • 二次電池事業部
  • エナジーデバイス事業部
  • パナソニックストレージバッテリー株式会社

○インダストリアル事業

  • メカトロニクス事業部
  • パナソニックセミコンダクターソリューションズ株式会社
  • デバイスソリューション事業部
  • 電子材料事業部
  • パナソニック液晶ディスプレイ株式会社

○ファクトリーソリューション事業部

  • スマートファクトリーソリューション事業部

現在目標に掲げている2018年度の売上高2.1兆円を達成するため、パナソニックは車載関連事業を「安全分野」「快適分野」「環境分野」に分類し、それぞれの領域で下記の具体的数値目標を設定しています。

  • 安全分野:売上高4,700億円
  • 快適分野:売上高9,300億円
  • 環境分野:売上高7,800億円

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会社概要

社名 パナソニック株式会社
設立年 1935年12月15日
本社所在地 〒571-8501 大阪府門真市大字門真1006
市場名 東証一部
代表取締役 津賀 一宏
社債格付け A
資本金 258,700百万円

組織構成や技術開発状況など、ネットに掲載されていない情報 が聞ける。転職についても相談できる。

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拠点一覧

パナソニックの拠点(研究開発・テストセンター含む)

国内拠点一覧
  • 草津工場(滋賀県草津市)
  • 彦根工場(滋賀県彦根市)
  • 神戸工場(神戸市西区)
  • 新潟工場(新潟県燕市)
  • 津工場(三重県津市)
  • 門真工場(大阪府門真市)
  • 佐江戸工場(横浜市都筑区)
  • 松本工場(長野県松本市)
  • 伊勢工場(三重県度会郡)
  • 津山工場(岡山県津山市)
  • 金津工場(福井県あわら市)
  • 宇治工場(京都府宇治市)
  • 北海道工場(北海道千歳市)
  • 大阪工場(大阪府守口市)
  • 住之江工場(大阪市住之江区)
  • デバイス研究室他(大阪府守口市)
  • 生産技術研究所他(大阪府門真市)
  • 材料研究室他(京都府相楽郡)
  • 支店・営業所(名古屋市中村区他)
  • エコソリューションズ社管理部門(大阪府守口市他)
  • オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社管理部門他(大阪府門真市他)
  • 本社部門他(大阪府門真市他)
海外拠点一覧
  • パナソニック ノースアメリカ㈱(アメリカ ニュージャージー)
  • パナソニック アビオニクス㈱(アメリカ カリフォルニア)
  • パナソニック ブラジル㈲(ブラジル アマゾナス)
  • パナソニックAVCネットワークス チェコ㈲(チェコ プルゼニ)
  • パナソニック マーケティング ヨーロッパ㈲(ドイツ ヴィスバーデン)
  • パナソニック エナジー マレーシア㈱(マレーシア ケダ)
  • パナソニック アジアパシフィック㈱(シンガポール)
  • パナソニック台湾㈱(台湾 新北市)
  • 三洋エナジー(蘇州)㈲(中国 蘇州市)
  • パナソニック・万宝APコンプレッサー広州㈲(中国 広州市)
  • パナソニックAPエアコン広州㈲(中国 広州市)
  • パナソニック セミコンダクター蘇州㈲(中国 蘇州市)

関係会社一覧

パナソニックの関係会社一覧

  • 三洋電機㈱
  • パナソニック エコシステムズ㈱
  • パナソニック液晶ディスプレイ㈱
  • パナソニック システムネットワークス㈱
  • パナソニック セミコンダクターソリューションズ㈱
  • パナソニック ファクトリーソリューションズ㈱
  • パナソニック溶接システム㈱
  • パナホーム㈱

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