イリノイ・ツール・ワークス
イリノイ・ツール・ワークスの企業情報
イリノイ・ツール・ワークス(ITW:Illinois Tool Works Inc.)は、幅広い工業用製品・製造装置を手がけているアメリカの企業です。
自動車部品に関しては、乗用車や小型トラック向けのプラスチック部品、金属部品、ファスナーなどを手がけています。
また、ゼネラル・モーターズ(GM:General Motors Company)、フォード・モーター(Ford Motor Company)、クライスラー(Chrysler)といったアメリカの完成車メーカーを主要な納入先としているほか、ホンダなどの日系メーカーとも取引があります。
1912年、投資家のバイロン・スミス氏によって設立された金属切削工具の生産・販売会社が、イリノイ・ツール・ワークスの前身です。
1910年代には第1次世界大戦に伴う軍部からの要請で、トラック用変速機、ポンプ、ステアリングなどの自動車部品事業に参入。
1920年代にはファスナーメーカーのShakeproofを買収。これによりボルト、ナット、ワッシャー事業に参入しました。
1940年代に入ると、第2次世界大戦に伴う軍需により事業を拡大。
1950年代にはスイッチの生産を開始。
1960年代、ファスナーを扱っていたドイツのAtecoを買収したことで、ヨーロッパにおける事業基盤を手に入れました。
1970年代には自動車用内装品を手がけていたChronomaticを買収し、自動車用内装部品部門を設置。
1980年代、自動車関連を含む32の買収を行い、会社の規模を従来の倍に拡大。
1990年代以降も合計で100を超える買収を実施。
2010年代以降は、事業の拡大を図る一方で、収益性を追求した事業の選別も行っています。
2014年末時点では、世界各地域に500ヶ所以上の拠点を有し、約49,000人の従業員を抱えています。
事業体制は、以下7つの部門で構成されています。
・自動車OEM(Automotive OEM)部門
・試験・計測および電子機器(Test & Measurement and Electronics)部門
・食品用機器(Food Equipment)部門
・ポリマー・フルイド(Polymers & Fluids)部門
・溶接(Welding)部門
・建設用製品(Construction Products)部門
・特殊製品(Specialty Products)部門
上記のうち、自動車OEM部門では「DaeLim」「Deltar」「Drawform」「Filtertek」「Shakeproof」などのブランドを展開しています。
売上等の推移(直近3年間)
売上高推移
経常利益推移
- ※米国SEC基準会社・国際会計基準会社は、経常利益に当たるものがないため、税前利益を経常利益とみなします。
従業員数推移
2014年における売上高は、自動車OEM部門の売上高の増加が影響し、144億8,400万ドルで前年比2.5%増となりました。
また、営業利益は28億8,800万ドルで前年比14.9%増となりました。
部門別の売上高は、
- 自動車OEM(Automotive OEM)部門が25億9千万ドルで前年比8.1%増
- 試験・計測および電子機器(Test & Measurement and Electronics)部門が22億4百万ドルで前年比1.3%増
- 食品用機器(Food Equipment)部門21億7,700万ドルで前年比6.4%増
- ポリマー・フルイド(Polymers & Fluids)部門が19億2,700万ドルで前年比3.3%減
- 溶接(Welding)部門が18億5千万ドルで前年比0.7%増
- 建設用製品(Construction Products)部門が17億7百万ドルで前年比0.6%減
- 特殊製品(Specialty Products)部門が20億5,500万ドルで前年比2.4%増
となりました。
事業戦略
事業方針
イリノイ・ツール・ワークスは、これまで積極的な買収によって事業を拡大してきましたが、現在は収益性を追求し、事業の選択と集中を実施しています。
具体的な数値目標として、営業利益率20%以上を掲げています。
イリノイ・ツール・ワークスのM&Aに関する動向は以下のとおりです。
- 2011年7月、太陽光や炭素繊維などの産業向け熱処理設備や、自動車製品用の熱処理炉システムを手がけるアメリカのデスパッチ・インダストリーズ(Despatch Industries G.K.)を買収したと発表。
- 2012年4月、Graco Inc.に対する最終加工事業の売却が完了したと発表。売却額は6億5千万ドル。
同事業には、「Gema」「Ransburg」「DeVilbiss」「BGK」「Binks」といったブランドが含まれていた。 - 2012年10月、ウィルソナート(Wilsonart)とその関連事業から成る室内装飾関連部門の株式51%を、Clayton, Dubilier & Rice, LLCが運営するファンドに売却したと発表。
残りの49%についてはイリノイ・ツール・ワークスがそのまま保持する。 - 2016年1月、ゼット・エフTRW(ZF TRW)のファスナー事業であるEngineered Fasteners and Componentsを、4億5千万ドルで買収することで合意。
なお、イリノイ・ツール・ワークスは買収した事業を独立部門とし、自動車OEM部門内で運営する方針。
技術動向
下記は、イリノイ・ツール・ワークスの研究開発活動の一例です。
・クーラントクロスオーバーを共同開発
フォード・モーター(Ford Motor Company)の3.5Lと3.7Lエンジンのエンジンマニホールドに搭載されるクーラントクロスオーバーを、アメリカのデュポン(DuPont)と共同開発。
同製品にはデュポンの高性能ポリアミド樹脂「DuPont Zytel HTN」が採用されており、これまでの金属材料と比較して1ポンド軽量化されている。
なお、フォード・モーターの「Taurus」「Flex」「Edge」「Explorer」が、同製品を採用したエンジンを搭載。
グローバル展開
2014年末時点で、イリノイ・ツール・ワークスは世界各地域に500ヶ所以上の拠点(うち、自動車OEM(Automotive OEM)部門は92ヶ所)を有しています。
本国アメリカを除くと、主にカナダ、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、イギリス、チェコ、メキシコ、ブラジル、中国、インドに合計328ヶ所の製造拠点・オフィスが設置されています。
会社概要
他の完成車メーカー・部品メーカー情報
外資系自動車部品メーカー
- アメリカン・アクスル&マニュファクチャリング
- インフィニオンテクノロジーズ
- ヴァレオ
- 濰柴動力股份
- エバースペッシャー
- MRF
- マザーソン・スミ・システムズ
- オートリブ
- クーパー・スタンダード・ホールディングス
- クーパー・タイヤ・アンド・ラバー
- クノールブレムゼ
- クムホタイヤ
- グルーポアントリン
- ラインメタル・オートモーティブ
- コンチネンタル・オートモーティブ
- CIEオートモーティブ
- GKN
- シェフラー
- ジョンソンコントロールズ
- ジョンソン・マッセイ
- ZF/ZF TRW
- ソルベイ
- 星字(ソンウ)ハイテック
- デーナ
- TIオートモーティブ
- TEコネクティビティ(タイコエレクトロニクスジャパン)
- テネコ
- ドラクスルマイヤー
- イートン
- SKF
- ハネウェル
- IAC
- ネクスティア・オートモーティブ
- ネマク
- ハリタ・シーティング・システムズ
- ビステオン
- 現代WIA(ヒュンダイダブリュアイエー)
- 現代モービス(ヒュンダイモービス)
- ピレリ
- プラスチックオムニウム
- フレックスエヌゲート
- ブローゼ
- 北京海納川
- ベバスト
- ヘラー
- ベントラー
- ボエスト・アルパイン
- ボッシュ
- ボルグワーナー
- マーティンレア・インターナショナル
- マーレベーアジャパン
- マグナインターナショナル
- マニエッティ・マレリ
- マン・ウント・フンメル
- メリトール
- ランクセス
- レオニ
日系自動車部品メーカー情報
- アーレスティ
- IHI
- 愛三工業
- IJTテクノロジー
- アイシン・エィ・ダブリュ
- アイシン精機
- アイシン高丘
- 愛知機械工業
- 愛知製鋼
- 曙ブレーキ工業
- アドヴィックス
- アルプスアルパイン(株)
- イーグル工業
- 市光工業
- イノアック
- 今仙電機製作所
- AGC
- エイチワン
- エクセディ
- NOK
- NTN
- エフ・シー・シー
- オムロン
- 河西工業
- ダイセル
- カルソニックカンセイ
- 関西ペイント
- 鬼怒川ゴム工業
- キャタラー
- クラリオン
- ケーヒン
- KYB(カヤバ工業)
- 小糸製作所
- 小島プレス工業
- 三桜工業
- サンデン
- GSユアサ
- ジーテクト
- JVCケンウッド
- ジェイテクト
- ジヤトコ
- ショーワ
- シロキ工業
- スタンレー電気
- 住友ゴム工業
- 住友電気工業
- 住友理工
- セントラル硝子
- 大同特殊鋼
- 大同メタル工業
- 太平洋工業
- 大豊工業
- タチエス
- 中央精機
- 中央発條
- 椿本チエイン
- TPR
- テイ・エステック
- ティラド
- デンソー
- デンソーテン
- TOYO TIRE
- 東海理化
- トピー工業
- 豊田合成
- 豊田自動織機
- 豊田鉄工
- トヨタ紡織
- 西川ゴム工業
- 日信工業
- 日清紡ホールディングス
- 日本精機
- ニフコ
- 日本板硝子
- 日本精工
- 日本電産
- 日本特殊陶業
- 日本発条(NHKニッパツ)
- 日本プラスト
- 日本ペイントホールディングス
- パイオニア
- ハイレックスコーポレーション
- パナソニック
- 富士機工
- 不二越
- フタバ産業
- ブリヂストン
- 古河電気工業
- プレス工業
- マルヤス工業
- 三井金属鉱業
- ミツバ
- 三菱電機
- 武蔵精密工業
- 村田製作所
- 矢崎総業
- 八千代工業
- ユーシン
- ユタカ技研
- ユニプレス
- 横浜ゴム
- ヨロズ
- リョービ