フォルクスワーゲン
フォルクスワーゲンの企業情報
フォルクスワーゲン(VW:Volkswagen)は、ドイツの自動車メーカーです。
1937年に創業し、ナチス政権による自動車大衆化政策のもと、ビートル(Beetle)を生産していました。第二次世界大戦終戦後の1950~70年にはアメリカ、カナダ、ブラジルなどに拠点を設置。1985年には中国の自動車メーカーとの合弁会社である一汽VWを設立し、中国における存在感を強めました。2012年にはポルシェ(Porsche)を連結子会社化。2014年にはフォルクスワーゲングループの世界販売台数がトヨタ自動車を抜き、世界第一位となりました。
フォルクスワーゲンは世界13ヶ国に生産拠点を有し、アウディ(Audi)、ベントレー(Bentley)、ブガッティ(Bugatti)、ランボルギーニ(Lamborghini)、ポルシェ、セアト(SEAT)、シュコダ(Skoda)などを傘下に収め、フォルクスワーゲングループを形成しています。日本のスズキとも業務提携を結んでいましたが、スズキ側の意向により解消される予定です。
2015年9月22日に、フォルクスワーゲンは排ガス規制を逃れるため、ディーゼル車に不正なソフトウェアを搭載していたことを発表しました。その数は世界で約1100万台にのぼるといわれ、今後の同社の動きに注目が集まっています。
売上等の推移(直近3年間)
売上高推移
経常利益推移
- ※米国SEC基準会社・国際会計基準会社は、経常利益に当たるものがないため、税前利益を経常利益とみなします。
従業員数推移
2013年における売上高は1,970億7百万ユーロで前年比43億3,100万ユーロ増となっています。
また、営業利益は116億7,100万ユーロで前年比1億7,300万ユーロ増、税引前利益は124億2,800万ユーロで前年比130億5,900万ユーロ減、純利益は90億6,600万ユーロで前年比126億4,600万ユーロ減となりました。
部門別の売上高は、
- 自動車部門が1,769億1,400万ユーロで前年比23億8,900万ユーロ増
- 金融サービス部門が200億9,300万ユーロで前年比19億4,200万ユーロ増
となりました。
事業戦略
事業方針
フォルクスワーゲンは、2018年までに業績面と環境面で業界のトップ企業となることを目指しています。2018年までのグループ世界販売台数を1,000万台、売上に対する税引前利益率を8%以上という経営目標を掲げていましたが、アウディ(Audi)の好調や中国市場での拡販が影響し、2014年に前倒しで世界販売台数1,000万台を達成しました。
製品面では、置きエンジン搭載車向けのMQB(Modulare Quer Baukasten)モジュールアーキテクチャの採用拡大を推進しています。これはフォルクスワーゲンブランドだけでなくグループ内ブランドで共有できるプラットフォームです。開発や生産・調達にかかるコストの削減、生産効率の向上や開発の時短が期待できます。
部品調達面では、約2年単位で納入に必要な要件をサプライヤーにオンラインで伝えるINCA(integrated capacity management)システムを導入し、部品や資材の安定的な調達を目指しています。また、コスト競争力が高い国々から有効に部品調達を行うための「C3 Sourcing(Cost Competitive Countries Sourcing)program」という戦略を掲げています。
注力分野
フォルクスワーゲンは「先進運転支援システム」と「環境技術」に注力しています。
○先進運転支援システム
2014年にフルモデルチェンジしたパサート(Passat)やゴルフ(Golf)だけでなく、その他の下位製品にも先進運転支援システムの搭載を拡大しています。たとえば2011年に投入されたアップ(up!)にはシティエマージェンシーブレーキ(City Emergency Braking)システムが、2014年にマイナーチェンジしたポロ(Polo)にはACC(Adaptive Cruise Control,車間距離制御装置)が装備されました。
フォルクスワーゲンの「先進運転支援システム」には、以下のようなものがあります。
・ACC
車両のフロントに設置されたレーダーで前方(先行車両)を検知し、自動で車両の速度を落とし、一定の車間距離を維持するシステム。車種によっては完全停止までのブレーキ制御と再発進もアシスト。
・エリアビュー(Area View)
車両の前方、後方、左右に搭載された4つのカメラが周囲の状況を記録し、ドライバーが車両の死角を確認できるシステム。
・ブラインドスポットセンサー(Blind Spot sensor)
死角の車両をドライバーに伝えることで、車線変更を支援するシステム。車両の接近を警告する「リアトラフィックアラート(Rear Traffic Alert)」も搭載。
・シティエマージェンシーブレーキ
前方の検知エリア内に車両がいる場合、自動でブレーキを作動させ、速度を落とすシステム。歩行者検出機能が搭載されている場合は、道路や歩道の歩行者を検知すると自動でブレーキが作動。
○環境技術
EV(Electric Vehicle,電気自動車)、
HEV(Hybrid Electric Vehicle,ハイブリッド電気自動車)、
PHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle,プラグイン・ハイブリッド自動車)、
FCEV(Fuel Cell Electric Vehicle,燃料電池自動車)、
天然ガス車など、
環境に寄与する次世代技術への投資を積極的に行っています。特にPHEVに注力しており、フォルクスワーゲンとアウディの両方で複数のPHEVのモデル化に取り組んでいます。
また、グループの製品モデルの更新による燃費効率の向上も目指しています。
フォルクスワーゲンの「環境技術」には、以下のようなものがあります。
・ブレーキエネルギー回生システム(Brake Energy Recuperation)
ブレーキを踏む際に発生するエネルギーを車両バッテリーに蓄電することで燃費を抑制し、エンジンの負担を軽減させるシステム。
・ギアリコメンデーション(Gear Recommendation)
燃料の節約につながるギアチェンジのタイミングをドライバーに知らせるシステム。
・アイドリングストップシステム(Start-Stop System)
停車すると自動でエンジンが停止するシステム。
技術動向
フォルクスワーゲンは全世界に約4万6千人の研究開発者を有しています。現在は特に次世代電動車や新製品の開発に力を入れており、2015年は史上最大規模となる115億ユーロを研究開発に投資しました。
下記は、フォルクスワーゲンの研究開発活動の一例です。
・MQBモジュールアーキテクチャベースのパサート(Passat)を販売開始
機能性が高まったACC(Adaptive Cruise Control,車間距離制御装置)やレーンアシスト(Lane Assist)などに加え、トラフィックジャムアシスト(Traffic Jam Assist)、エマージェンシーアシスト(Emergency Assist)などの機能を搭載。シティエマージェンシーブレーキ(City Emergency Braking)には新たに歩行者認識機能を追加。
・マイナーチェンジしたポロ(Polo)を販売開始
これまで上位モデル向けだった、
クルーズコントロール機能にレーダーセンサーを組み合わせたAutomatic Distance Control ACC、
低速時のブレーキアシストシステムであるシティエマージェンシーブレーキ
などを搭載。
・12気筒エンジン「W12TSI」を発表
オーストリアで開催された第36回ウィーンモーターシンポジウムで、新世代の12気筒エンジンを発表。排気量6.0リッターで2基のツインスクロールターボを装備。
・EA211シリーズの新エンジンをポロ(Polo)やゴルフ(Golf)に搭載
1.0 TSI(Turbocharged Stratified Injection):1.0リッター直3直噴ターボGE。ゴルフに搭載されたエンジンの最高出力は85kW、最大トルクは200Nm。
グローバル展開
フォルクスワーゲンは、乗用車の世界販売の4割を占める中国において、さらなる事業拡大を狙っています。2014年から2018年にかけて、約182億ユーロを投資する方針です。
一汽VWと上海VWで合計400万台以上を目指しており、中国の各地に新工場を建設・稼働させる計画です。一汽VWの合弁契約は2016年までの予定でしたが、2041年まで延長することで地元自動車企業と合意しています。
ブラジルにおいても2018年に販売台数100万台を目指していますが、2015年の第一四半期における販売台数は前年から22.1%減少しました。また、ロシアでは36.4%減、アメリカでも2.1%減少しています。
フォルクスワーゲンは中国依存を軽減させるため、中国を除くBRICsとアメリカだけでなく、ASEANでのプレゼンス強化も狙っています。そのきっかけとなることを期待し、2019年にタイでの新工場を開業する方針です。
○新興国をはじめとした海外における取り組み
■中国での取り組み
- 2013年、一汽VWの沸山工場、上海VWの寧波工場を稼働させ、MQBベース車の生産を開始。
- 2013年、上海VWの新疆ウルチム工場でSKD(Semi Knock Down,セミノックダウン)の生産を開始。
- 2013年、一汽VWの成都エンジン工場が開業。
- 2016年に中国国内開発・生産のEV(Electric Vehicle,電気自動車)を2車種投入し、2016年以降、中国向け電動車を10モデル、現地で生産する方針。
■タイにおける取り組み
- 10億ユーロを投じ、乗用車工場を新設する計画。2019年までに操業開始予定。
■アメリカでの取り組み
- 2016年末、テネシー州の工場でミドルSUVの新モデルを生産することが決定。
- 新モデルの生産、工場の拡張、開発センターの新設に向け、9億ドルを投資する方針。
- フォルクスワーゲンブランド車のアメリカにおける販売台数80万代を目指し、北米での供給体制の強化を推進。
■その他の取り組み
- インドネシアとマレーシアで、現地企業とともに乗用車の小規模組み立て生産を実施。
会社概要
他の完成車メーカー・部品メーカー情報
外資系自動車部品メーカー
- アメリカン・アクスル&マニュファクチャリング
- イリノイ・ツール・ワークス
- インフィニオンテクノロジーズ
- ヴァレオ
- 濰柴動力股份
- エバースペッシャー
- MRF
- マザーソン・スミ・システムズ
- オートリブ
- クーパー・スタンダード・ホールディングス
- クーパー・タイヤ・アンド・ラバー
- クノールブレムゼ
- クムホタイヤ
- グルーポアントリン
- ラインメタル・オートモーティブ
- コンチネンタル・オートモーティブ
- CIEオートモーティブ
- GKN
- シェフラー
- ジョンソンコントロールズ
- ジョンソン・マッセイ
- ZF/ZF TRW
- ソルベイ
- 星字(ソンウ)ハイテック
- デーナ
- TIオートモーティブ
- TEコネクティビティ(タイコエレクトロニクスジャパン)
- テネコ
- ドラクスルマイヤー
- イートン
- SKF
- ハネウェル
- IAC
- ネクスティア・オートモーティブ
- ネマク
- ハリタ・シーティング・システムズ
- ビステオン
- 現代WIA(ヒュンダイダブリュアイエー)
- 現代モービス(ヒュンダイモービス)
- ピレリ
- プラスチックオムニウム
- フレックスエヌゲート
- ブローゼ
- 北京海納川
- ベバスト
- ヘラー
- ベントラー
- ボエスト・アルパイン
- ボッシュ
- ボルグワーナー
- マーティンレア・インターナショナル
- マーレベーアジャパン
- マグナインターナショナル
- マニエッティ・マレリ
- マン・ウント・フンメル
- メリトール
- ランクセス
- レオニ
日系自動車部品メーカー情報
- アーレスティ
- IHI
- 愛三工業
- IJTテクノロジー
- アイシン・エィ・ダブリュ
- アイシン精機
- アイシン高丘
- 愛知機械工業
- 愛知製鋼
- 曙ブレーキ工業
- アドヴィックス
- アルプスアルパイン(株)
- イーグル工業
- 市光工業
- イノアック
- 今仙電機製作所
- AGC
- エイチワン
- エクセディ
- NOK
- NTN
- エフ・シー・シー
- オムロン
- 河西工業
- ダイセル
- カルソニックカンセイ
- 関西ペイント
- 鬼怒川ゴム工業
- キャタラー
- クラリオン
- ケーヒン
- KYB(カヤバ工業)
- 小糸製作所
- 小島プレス工業
- 三桜工業
- サンデン
- GSユアサ
- ジーテクト
- JVCケンウッド
- ジェイテクト
- ジヤトコ
- ショーワ
- シロキ工業
- スタンレー電気
- 住友ゴム工業
- 住友電気工業
- 住友理工
- セントラル硝子
- 大同特殊鋼
- 大同メタル工業
- 太平洋工業
- 大豊工業
- タチエス
- 中央精機
- 中央発條
- 椿本チエイン
- TPR
- テイ・エステック
- ティラド
- デンソー
- デンソーテン
- TOYO TIRE
- 東海理化
- トピー工業
- 豊田合成
- 豊田自動織機
- 豊田鉄工
- トヨタ紡織
- 西川ゴム工業
- 日信工業
- 日清紡ホールディングス
- 日本精機
- ニフコ
- 日本板硝子
- 日本精工
- 日本電産
- 日本特殊陶業
- 日本発条(NHKニッパツ)
- 日本プラスト
- 日本ペイントホールディングス
- パイオニア
- ハイレックスコーポレーション
- パナソニック
- 富士機工
- 不二越
- フタバ産業
- ブリヂストン
- 古河電気工業
- プレス工業
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- 三井金属鉱業
- ミツバ
- 三菱電機
- 武蔵精密工業
- 村田製作所
- 矢崎総業
- 八千代工業
- ユーシン
- ユタカ技研
- ユニプレス
- 横浜ゴム
- ヨロズ
- リョービ