東風汽車

東風汽車のハイライト

東風汽車公司(とうふうきしゃこうし、東風汽車)は、中国に拠点を置く自動車メーカーです。神龍汽車(しんりゅうきしゃ)、東風日産、東風ホンダ、東風悦達起亜(とうふうゆえだきあきしゃ)などを傘下に置くグループ企業で、2014年にはフランスの自動車グループ、PSAプジョー・シトロエン(PSA)の株式買収による提携も発表しました。

東風汽車は、1969年に設立された第2汽車製造廠(だいにきしゃせいぞうしょう)を前身として誕生。中国第一汽車集団公司、上海汽車工業(集団)総公司と並ぶ、中国国有の三大自動車製造企業グループの一つです。設立以来、十堰(じゅうえん)に商用車、部品、自動車整備、襄陽(じょうよう)に軽商用車、乗用車、広州(こうしゅう)に主に乗用車の拠点が、それぞれ建設されました。

1981年、地方の自動車メーカー8社と連携し、東風汽車グループを結成しました。1991年に現在の社名に改称。1992年に発表したフランス・プジョーとの合弁会社、神龍汽車をはじめ、2002年に発表した日産自動車との合弁、東風汽車有限公司など、国際競争を見据え、海外企業との戦略的提携を積極的に行っています。

2014年には、フランス政府とともにPSAの株式14%を買収。今後、技術開発、調達、生産、マーケティングなど幅広い分野で提携していく計画です。

○東風汽車グループの主な合弁会社
・神龍汽車
1992年、フランス・プジョー(Peugeot)との合弁で設立。4つ目の工場が2016年に稼働予定。PSAが開発したEMP2プラットフォームを利用したPSAモデルをはじめ、東風汽車の自社ブランドの高級SUV、ミニバンなどを生産する計画。

・鄭州日産汽車(ていしゅうにっさんきしゃ、ZNA)
日産自動車との合弁で1993年に設立。2015~2017年で風度ブランドのSUV、ミニバン、CDV(クリーンディーゼル自動車)と、日産ブランドの新型ピックアップ、新型SUVなど5モデルを発表する予定。

・東風悦達起亜汽車(どんふぇんゆえだきあきしゃ)
2002年、韓国の自動車メーカー、起亜自動車(きあじどうしゃ)、中国のグループ企業、江蘇悦達投資股份有限公司(こうそゆえだとうしこふんゆうげんこうし)の3社の共同出資で設立。

・東風汽車有限公司(とうふうきしゃゆうげんこうし、DFL)
日産自動車との合弁で2003年に設立。2014年には、日産の高級車「インフィニティ」を生産・販売する子会社、東風インフィニティ汽車有限公司を設立した。

・東風本田汽車有限公司(とうふうほんだきしゃゆうげんこうし、東風ホンダ)
2003年、本田技研工業(ホンダ)との合弁で設立。2015年、新型コンパクトセダン「Greiz」(グライツ)を発表した。

・東風ルノー
フランス・ルノー(Renault S.A.S.)との合弁で2014年に設立。2015年、初のEV車(電気自動車)を現地生産すると発表。ルノーの中型セダンEV「フルエンス Z.E.」をベースに開発される。

・東風裕隆汽車(とうふうゆーろんきしゃ)
2009年、台湾の自動車メーカー、裕隆企業集団との合弁で設立。高級乗用車ブランド「納智捷」(ラクスジェン)製品の共同開発・生産を行う。

・東風PSA
2014年にPSAとの合弁で設立。2015年、PSAのPF2プラットフォームを使用して開発された新モデル「L60」を発表した。

売上等の推移(直近3年間)

売上高推移

連結
  • 8,262,258百万円

2013年度

  • 9,349,678百万円

2014年度

  • 9,443,002百万円

2015年度

  • ※米国SEC基準会社・国際会計基準会社は、経常利益に当たるものがないため、税前利益を経常利益とみなします。

従業員数推移

連結

東風汽車の2014年の実績は以下のとおりです。

  • 売上高 809.5億万元(前年比117.3%増)
  • 純利益 128.5億万元(同22%増)
  • 新車販売台数 273.4万台(前年比6.5%増)

売上高、純利益ともに2ケタ増益を達成しました。増収の主な要因は、新型車投入による乗用車販売の増加や、会計方針の見直しによるものです。新車販売台数のうち、乗用車は233.9万台(10%増)でしたが、商用車は39.4万台(12%減)にとどまりました。

同社は2015年の自動車販売目標について、295~300万台(前年比8-9.6%増)に設定。2017年までに新たに乗用車26車種を投入する計画を打ち出しており、収益拡大を図る方針です。

事業戦略

事業方針

東風汽車は2011年に5カ年計画を発表。2015年までにグループ販売台数を500万台に拡大する(2010年実績は262万台)計画です。
また、事業拡大計画として、傘下の自社ブランドを3グループに分け、グループごとに販売目標を設定しました。


・第1グループ

東風乗用車公司の「東風風神」と東風渝安(ユアン)車両の「東風小康」(とうふうしょうこう)、鄭州日産汽車の自主ブランドと東風柳州汽車(とうふうりゅうしゅうきしゃ)の「東風風行」(とうふうふうこう)。これらを主力ブランドとして、2015年までに販売台数120万台超に拡大

・第2グループ

東風裕隆汽車の高級ブランド「納智捷」で、販売目標20万台超に拡大

・第3グループ

中外合弁(外国資本の企業とによる合弁)が独自開発した自主ブランドで、販売目標40万台超に拡大

合わせて、2010年に省エネルギー・新エネルギー車の事業化計画も発表。省エネルギー・新エネルギー車の技術開発と事業化に向けた投資と、2020年までに製品ラインナップの整備を進め、持続可能な発展を実現すると発表しました。具体的な計画は以下のとおりです。

  • 2015年までにHV車(ハイブリッドカー)の市場保有台数を10万台に拡大
  • 2015年までにEV車5万台規模の生産・販売体制を形成する
  • 2015年までに東風ブランドの乗用車生産・販売台数に占める省エネルギー・新エネルギー車の割合を20%に拡大
  • 2020年までに技術レベルや競争力を強化し、新エネルギー車の市場保有台数80万台に拡大する

東風汽車の各ブランド、合弁会社の事業計画・方針は以下のとおりです。

○2014年に発表した自社ブランド(風度・風神・風行)の中期事業計画は以下のとおり。

  • 風度ブランドで、2015~2017年に日産ブランドの新型ピックアップ、新型SUVを含む5つの新型モデルを投入
  • 販売台数を2016年に20万台に引き上げ(2013年実績11.8万台)
  • 風神ブランドでは、2016年までに累計60~70万台販売を目標とする

○東風乗用車が発表した発展方針(2015~2017年)は以下のとおり。

  • ブランド力の向上と主力モデルの製造を進めることで、「自主ブランドのトップ3入り」と「販売台数20万台超に引き上げ」を達成する

○東風汽車有限公司が発表した新中期経営計画(2011~2015年)は以下のとおり。

  • 販売台数を2015年までに230万台(2011年100万台)、市場シェア10%を達成
  • ディーラー数を1400店から2400店に拡大する
  • 2015年までに新モデル30車種を投入
  • 完成車の生産能力を230万台に引き上げる(2011年120万台)

○東風裕隆汽車が2014年に発表した販売計画は以下のとおり。

  • 年間販売台数を、2016年に10万台、2017年前後に12万台、2020年までに20万台を目標とする
  • 2016年までにSUV2車種を投入予定
  • 2016年に初めてのEV車を投入する計画

○神龍汽車が発表した5カ年計画「5A計画」(2011~2015年)は以下のとおり。

  • 2015年までに製品やサービス品質を国内一流レベルに向上
  • 年間生産、販売台数75万台以上(2010年37万台)、市場シェア5%、営業利益率5%以上を達成

これらの目標を達成するため、2015年までに新型モデル12車種、新型エンジン6種の投入をはじめ、生産能力30万台の新工場建設や、自社ブランドの研究・開発、省エネルギー・新エネルギー車開発などの計画を進めている。

注力分野

○省エネルギー・新エネルギー車事業の強化

東風汽車は、2020年までに省エネルギー・新エネルギー車の市場保有台数80万台を目標として、省エネ・新エネ車事業を推進している。

  • 2014年のモーターショーに、EV車の新型、風神「A60-EV」と風神「E30」、PHEV車(プラグインハイブリッド車)、風神「S30-PHEV」を発表
  • 2014年、EV車の風神「E30」の量産を開始
  • 東風汽車はリース会社を設立し、新エネルギー車のリース事業を展開する計画。モデルは風神「E30」

○東南アジア市場向けの新製品・新技術開発

2014年、PSAと共同で、成長が著しい東南アジア市場に向けた新製品や新技術の開発を行うとする「グローバル戦略パートナーシップ」で合意した。

  • 上海にあるPSAの研究開発センターを統合する形で新たな開発拠点を設置
  • 車台の共同開発をはじめ、部品の共通化や共同購買を推進

技術動向

○テレマティクスシステム搭載車・スマートカーなどの開発

2014年、東風乗用車は、情報と通信ソリューションサプライヤーの華為技術(ファーウェイテクノロジーズ)と提携。2014年に発売したSUV「AX7」に、華為技術が開発した、自動車に携帯電話などの通信システムを組み合わせてリアルタイムに情報サービスを提供するテレマティクスシステムを搭載した。今後は、共同でテレマティクス関連製品を共同開発するほか、高度に安全化、省エネルギー化されたスマートカーを共同開発。また、自動運転機能を装備する自動車も共同開発する計画。

グローバル展開

東風乗用車の国際事業部はベネズエラ、ロシア、イランなどの海外戦略市場10地域を策定しました。この方針を含む海外での展開は以下のとおりです。


・ロシア

2014年に乗用車事業で本格参入。風神ブランドの乗用車「S30」「H30」「Cross」の販売を拡大するほか、その他の乗用車、商用車モデルの投入も検討。

・ベネズエラ

2014年、風神「S30」の、部品を送り現地で組立を行うSKD(Semi Knock Down)輸出を開始。

・スウェーデン

2015年、スウェーデンの自動車メーカー、エレクトリック・ビークル・スウェーデン(NEVS)との提携を発表。新型車の共同開発や、世界規模での購買、配送ネットワークなどで協力する意向。

会社概要

社名 東風汽車公司
設立年 1969年9月1日
本社所在地 湖北省武漢市
代表取締役 徐平
資本金 96,065百万円

組織構成や技術開発状況など、ネットに掲載されていない情報 が聞ける。転職についても相談できる。

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