クーパー・スタンダード・ホールディングス

クーパー・スタンダード・ホールディングスの企業情報

クーパー・スタンダード・ホールディングス(Cooper-Standard Holdings Inc.)は、完成車メーカーのクーパー・スタンダード・オートモーティブ(Cooper-Standard Automotive)を子会社に持つ、アメリカの自動車部品メーカーです。
同社によれば、シーリングシステムについては世界第1位の市場シェアを持っています。

2004年、サイプレス・グループ(The Cypress Group)とゴールドマン・サックス・キャピタル・パートナーズ(Goldman Sachs Capital Partners)がクーパー・スタンダード・ホールディングスを設立し、クーパー・タイヤ・アンド・ラバー(Cooper Tire & Rubber Company)から自動車部門のクーパー・スタンダード・オートモーティブを買収しました。

2005年にはメキシコのThe Gates Corporationから自動車ホース製造事業を買収したほか、Guyoung Technology Co., Ltdの株式20%を取得して事業提携を締結。
2006年、中国のJingdaと合弁に関する契約を締結したほか、ITTインダストリーズ(ITT Industries)からフルイドハンドリングシステム事業を買収。
2007年、Automotive Components Holdingからフューエルレール製造事業を買収したほか、上海汽車(SAIC)の合弁会社であるSAIC-Metzeler Sealing Systems Co. Ltd.の株式47.5%を取得しました。

2009年にはクーパー・スタンダード・ホールディングスとそのアメリカの子会社が米国連邦破産法11条を申請しましたが、2010年に保護下から脱却しています。
2011年、日本のイクヨの子会社であるUSi, Inc.を買収。
2012年にはアメリカのEDC Automotive LLCと、自動車用シール製品メーカーのJyco Sealing Technologiesを買収しました。

2014年、クーパー・スタンダード・オートモーティブの自動車向け熱交換・排ガス関連の製品事業をハラ・ビステオン・クライメートコントロール(Halla Visteon Climate Control)(現:ハノン・システムズ(Hanon Systems Corp.))に売却。
同年、華域汽車系統(Huayu Automotive Systems)との合弁会社である申雅密封件(Huayu-Cooper Standard Sealing Systems)の株式47.5%を取得することで合意。2015年2月に完了しています。

2014年後半にはFonds de Modernisation des Equipementiers Automobiles(FMEA)との合弁会社であるCooper Standard Franceの残りの株式49%を取得したほか、オーストラリア事業の売却と、スペインのCikautxo Borja, S.L.Uの買収を行いました。

2015年末時点では、世界20ヶ国に98ヶ所の拠点を有し、約29,000人の従業員を抱えています。
事業体制は、以下4つの製品群で構成されています。
・シーリングシステム(Sealing Systems)
・フューエル&ブレーキデリバリーシステム(Fuel & Brake Delivery Systems)
・フルイドトランスファーシステム(Fluid Transfer Systems)
・防振システム(Anti-Vibration Systems)

現在は、アジア事業(特に中国事業)の強化だけでなく、欧米事業の効率化にも注力しています。

売上等の推移(直近3年間)

売上高推移

連結
  • 402,519百万円

2016年度

  • 408,651百万円

2017年度

  • 408,527百万円

2018年度

経常利益推移

連結
  • 11,011百万円

2013年度

  • 10,648百万円

2014年度

  • 18,513百万円

2015年度

  • ※米国SEC基準会社・国際会計基準会社は、経常利益に当たるものがないため、税前利益を経常利益とみなします。

従業員数推移

連結

2015年における売上高は、北米、ヨーロッパ、アジア太平洋地域における製品販売量の増加などが影響し、33億4,280万ドルで前年比3.0%増となりました。
また、純利益は1億1,180万ドルで前年比145.7%増となりました。

製品別の売上高は、

  • シーリングシステム(Sealing Systems)が17億8,310万ドルで前年比5.3%増
  • フューエル&ブレーキデリバリーシステム(Fuel & Brake Delivery Systems)が6億7,550万ドルで前年比2.3%増
  • フルイドトランスファーシステム(Fluid Transfer Systems)が4億5,870万ドルで前年比3.9%増
  • 防振システム(Anti-Vibration Systems)が2億7,890万ドルで前年比2.1%増

となりました。

事業戦略

事業方針

クーパー・スタンダード・ホールディングスのM&Aや他社との提携に関する動向は以下のとおりです。

  • 2012年1月、イタリアの自動車部品メーカーであるSigit S.p.A.から、イタリアやポーランドに主な生産拠点を持つ自動車用シール事業を買収。
    納入先にはフィアット(Fiat)、フォード・モーター(Ford Motor Company)、ゼネラル・モーターズ(GM:General Motors)、ルノー(Renault)、フォルクスワーゲン(VW:Volkswagen)などの完成車メーカーのほか、その他の自動車部品メーカーも含まれる。
  • 2012年4月、アメリカのEDC Automotive LLCを買収し、同社が保有していた自動車用サーマルマネジメントシステムや関連製品の開発・試験能力関連の特許、知的所有権、資産を取得。
  • 2012年9月、日本の西川ゴム工業の子会社であるニシカワ・オブ・アメリカ(NOA)が出資していたクーパー・スタンダード・オートモーティブ・メキシコ(CSM)の持分を、クーパー・スタンダード・オートモーティブ(Cooper-Standard Automotive)が取得すると発表。
  • 2013年8月、アメリカのJyco Sealing Technologiesから、カナダ、メキシコ、中国に生産拠点を持つ自動車用シーリング事業を買収したと発表。
  • 2013年8月、子会社のクーパー・スタンダード・オートモーティブと西川ゴム工業が、ブラジルにウェザーストリップなどの生産拠点を設置すると発表。
    両社の合弁による生産拠点の設置は、タイとアメリカに次ぐ3ヶ所目。
  • 2014年6月、ハラ・ビステオン・クライメートコントロール(Halla Visteon Climate Control)(現:ハノン・システムズ(Hanon Systems Corp.))に対し、自動車向け熱交換・排ガス関連の製品事業を売却することで合意したと発表。売却額は4,600万ドル。
    売却した製品にはEGR(Exhaust Gas Recirculation,排気再循環)モジュール、電動クーラントポンプ/バルブ、電動ウェストゲートアクチュエーター、電動スロットルボディなどが含まれる。
    手続きは2014年8月に完了。
  • 2014年7月、日本のイノアックと、低圧ホースやトランスミッションオイルクーラーなどを生産する合弁会社、Cooper Standard Inoac Pte. Ltd.を設立すると発表。
    アジア太平洋地域におけるフルイドトランスファーシステムの販売拡大を推進するのが目的。
    出資比率はクーパー・スタンダード・ホールディングスが51%で、イノアックが49%。
  • 2014年9月、華域汽車系統(Huayu Automotive Systems)との合弁会社、申雅密封件(Huayu-Cooper Standard Sealing Systems)の株式47.5%を取得することで合意し、2015年2月に完了。
    この買収により、クーパー・スタンダード・ホールディングスは中国最大の自動車用シーリングメーカーとなった。

注力分野

クーパー・スタンダード・ホールディングスはアジア事業の強化だけでなく、欧米事業の効率化にも注力しています。

○ヨーロッパ事業の効率化に関する取り組み

2015年1月、市場動向を鑑みてヨーロッパの生産拠点の再編を行うと発表。
過剰生産能力の削減、生産の集約、東欧への生産の移管などにより、ヨーロッパでの低コスト生産体制の構築を目指す。
具体的にはフランスやドイツなどの高コスト国における生産工場の閉鎖や縮小を行う。
なお、このリストラ策は2017年末までに完了する予定。

○北米事業の効率化に関する取り組み

2015年2月、北米における競争力強化を目的とし、本国アメリカのノースカロライナ州にある2拠点(シーリングシステム工場)を統合すると発表。
これによって20万7千平方フィートのWoodland Church工場の生産機能が16万7千平方フィートのFedelon Trail工場に集約され、一部の生産機能はその他の北米拠点に移管される。

技術動向

2015年末時点で、クーパー・スタンダード・ホールディングスは世界に10ヶ所の研究開発拠点を有しています。

下記は、クーパー・スタンダード・ホールディングスの研究開発活動の一例です。

・ゼネラル・モーターズから2012年「Supplier Quality Excellence Award」を受賞

ゼネラル・モーターズ(GM:General Motors)から同賞を受賞したのは、本国アメリカのミシガン州にあるGaylord拠点と、カナダのオンタリオ州にあるGeorgetown拠点とMitchell拠点。
上記のうちMitchell拠点ではエンジンマウント、ブッシュ、デフマウント、クレイドルマウントといった防振部品の開発を実施している。

・合弁会社が重慶長安フォードから「エクセレント製品品質賞」を受賞

華域汽車系統(Huayu Automotive Systems)との合弁会社である申雅密封件(Huayu-Cooper Standard Sealing Systems)が、重慶長安フォードのサプライヤー大会で同賞を受賞。

グローバル展開

2015年末時点で、クーパー・スタンダード・ホールディングスは世界20ヶ国に98ヶ所の拠点を有しています。
地域別の拠点数の内訳は北米が37ヶ所、ヨーロッパが29ヶ所、アジア太平洋地域が27ヶ所、南米が5ヶ所です。

クーパー・スタンダード・ホールディングスは、収益のヨーロッパ依存から脱却すべく、現在はアジア太平洋地域における事業の強化を推進しており、特に中国事業に注力しています。

○新興国をはじめとした海外における取り組み

■中国での取り組み
  • 2014年7月、上海に技術センター「Asia Pacific Technical Center」を設置したと発表。敷地面積は762平方メートル。
    同拠点には江蘇(こうそ)省昆山(こんざん)市にあったアジア太平洋地域本社も移転させ、同地域における顧客基盤全体をサポートする。
  • 2015年8月、江蘇省昆山市に設置した試験センターを公開。フルイドトランスファーシステム、フューエル&ブレーキデリバリーシステム事業関連製品の試験機能のほか、同拠点は部品およびシステムの生産能力も持つ。
    また、遼寧(りょうねい)省瀋陽(しんよう)市にもシーリングシステムを生産する新工場を設置したと発表。
  • 2016年2月、江蘇省淮安(わいあん)市と重慶(じゅうけい)市に新工場を建設したと発表。
    淮安工場は中国とアジア地域のハブ工場として、フルイドトランスファーシステムの開発・生産を行う。
    また、重慶工場ではフルイドトランスファーシステムのほか、フューエル・ブレーキデリバリーシステム、シーリングシステムを生産し、フォード・モーター(Ford Motor Company)やボルボ(Volvo)、メルセデス・ベンツ(Mercedes-Benz)などの顧客に供給する。
■ルーマニアでの取り組み
  • 2011年8月、自動車用ボディシーリングとフルイドハンドリング事業の拡大を目的とし、クラヨーヴァに工場を新設すると発表。

クーパー・スタンダード・ホールディングスの報道ニュース一覧

会社概要

社名 クーパースタンダードオートモーティブジャパン株式会社
設立年 2008年
本社所在地 〒220-0011 神奈川県横浜市西区高島一丁目1番2号横浜三井ビルディング2403号室
代表取締役 小菅 良介

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