三桜工業

三桜工業の企業情報

三桜工業(さんおうこうぎょう)は東京都に拠点を置く、ブレーキや燃料システム、エンジンシステムなどに用いる自動車用の配管製品を手掛ける自動車部品メーカーです。
中でも、エンジンのフューエルインジェクター(燃料噴射装置)へ燃料を送るフューエルインジェクションレールは世界シェア14%を占めています。主な取引先メーカーは、本田技研工業、日産自動車ほか。

三桜工業の前身である大宮航空工業の創業は1939年。同年、埼玉県に大宮製作所を開設し、航空機機体部品の製造を開始します。1945年、社名を竹田産業に改称し、機械器具の製造を開始。1952年、社名を現在の三桜工業に変更。1956年、小型モーターの製造を開始します。

1979年、初の海外拠点となるSanoh Indonesia(サンオーインドネシア)をインドネシア・ブカシに設立しました。翌1980年、フィリピン・カビテ州にSanoh Fulton(Philippines)(サンオーフルトン[フィリピンズ])を、アメリカ・カリフォルニア州にSanoh Manufacturing(サンオーマニュファクチュアリング)を設立。1985年、マレーシア・セランゴール州にUnited Sanoh Industries(ユナイテッドサンオーインダストリーズ)を設立するなど、アジア、アメリカをはじめグローバルで拠点の設立を進めます。

1989年、燃料パイプなどに使用されるクイックコネクターの製造を開始。2013年、ドイツの樹脂成型メーカー、Geiger Automotive(ガイガー・オートモーティブ)の全株式を取得し、子会社化。これによって、従来手掛けてこなかった樹脂製のタンク、エアシャッターガイドなど樹脂製品の製造を開始しました。

年収情報

平均年収602万円自動車業界内の年収順位 58101

年収推移

  • 573.8万円

2016年度

  • 585.2万円

2017年度

  • 602万円

2018年度

自動車業界の平均年収 618万円
推定生涯賃金 1億9922万円

年齢別年収シミュレーション

  • 384万円

25歳

  • 459万円

30歳

  • 533万円

35歳

  • 602万円

40歳

  • 620万円

45歳

  • 608万円

50歳

平均年齢 41.3歳
平均勤続年数 17年

売上等の推移(直近3年間)

売上高推移

連結
  • 133,968百万円

2016年度

  • 138,724百万円

2017年度

  • 140,456百万円

2018年度

単独
  • 52,274百万円

2016年度

  • 53,264百万円

2017年度

  • 54,465百万円

2018年度

経常利益推移

連結
  • 5,389百万円

2016年度

  • 4,140百万円

2017年度

  • 1,435百万円

2018年度

単独
  • 1,523百万円

2016年度

  • 653百万円

2017年度

  • 1,785百万円

2018年度

従業員数推移

連結
単独

三桜工業の2016年3月期の連結業績は以下のとおりです。

  • 売上高 1,300億800万円(前年比0.5%減)
  • 営業利益 52億5,000万円(前年比10.1%減)
  • 経常利益 42億5,500万円(前年比16.9%減)
  • 当期純損益 6億1,800万円(前年は15億7,700万円の当期純利益)

地域別では、日本国内は自動車の生産および販売の減少の影響を大きく受け、売上高は347億4,300万円(前年比9%減)、営業利益は8億7,600万円(前年比59.6%減)と減収減益となりました。

北南米地域では、自動車の需要の回復と新規受注による生産性の向上によって、売上高は455億1,500万円(前年比8.7%増)、営業利益は26億9,300万円(前年比44.6%増)となりました。

ヨーロッパでは、為替換算の影響などにより、売上高は229億8,700万円(前年比6%減)となりました。また、ドイツの子会社、ガイガー・オートモーティブにおける新規立ち上り費用の増加などにより、1億1,300万円の営業損失(前年は6億600万円の営業利益)となりました。

中国では、エンジン部品工場が本格稼働し、直噴フューエルインジェクションレール製品の日本向け出荷が拡大したことなどによって、売上高は108億3,500万円(前年比4.7%増)、営業利益は4億3,600万円(前年比479.3%増)と、増収増益となりました。

アジア地域では、売上高は159億2,600万円(前年比0.9%増)とほぼ前年並みとなりましたが、インドネシアにおける売上の減少やインドにおける固定費の増加などにより、営業損益は8億7,400万円(前年比38.8%減)となりました。

上記を踏まえた次期、2017年3月期の業績予想は以下のとおりです。

  • 売上高 1,320億円(前年比1.5%増)
  • 営業利益 51億円(前年比2.9%減)
  • 経常利益 50億円(前年比17.5%増)
  • 当期純利益 20億円(前年は6億1,800万円の当期純損益)

地域別では、日本国内、タイ・インドなどアジア地域で売上高が増加する見込みです。
アメリカ州、ヨーロッパでは、円高換算の影響により、売上高が減少すると見込んでいます。また、営業利益は、円高によって海外の現地子会社が日本から購入する材料の価格が上がることなどの影響によって、減益となりそうです。

事業戦略

事業方針

三桜工業は2010年度から中長期開発計画「GOAL15」を策定し、取り組んでいます。

○基本方針

配管製品を中心に軽量化技術に強みを持つ自動車部品メーカーとしての成長を図る。

  • 2015年、燃料噴射システム関連製品に注力するため、組織体制を変更。直噴システムを扱う「DI事業部」と、ポート噴射システムを扱う「PI事業部」を含めた7事業部体制とした。
    中でも、今後搭載の拡大が見込まれる直噴システム用部品に注力する方針で、既存の中国、メキシコに加え、日本でも直噴用燃料噴射レールを生産する。また、ポート噴射システムでは、樹脂製の軽量化製品で販売拡大を狙う。
  • 2013年、樹脂技術に強みを持つドイツの自動車部品メーカー、ガイガー・オートモーティブを子会社化。同社の樹脂技術を活用して自社製品の軽量化を推進するほか、樹脂化に積極的なヨーロッパメーカーとの取引拡大を目指す。

注力分野

○直噴用燃料噴射レールを増産

2016年、日本で直噴用燃料噴射レールの生産を開始。
すでに生産している中国・東莞(Dongguan)とメキシコ・アグアスカリエンテス州の工場と合わせ、2020年までに年1,000万個(2015年比約6倍)の生産量を目指す。これによって、世界シェア25%を獲得する狙い。

○オンサイト・インサイトでの製品供給を推進

三桜工業は現在、完成車メーカーの工場敷地内(オンサイト)、建屋内(インサイト)での製品供給を推進している。
これまでに、アメリカ、カナダ、メキシコ、ブラジル、アルゼンチン、イギリス、トルコ、ロシアなどでトヨタ、日産、ホンダ、アフトワズ向けにオンサイト・インサイトの生産拠点を展開。

2015年には、三菱自動車工業の岡山県・水島工場にオンサイト拠点を設置し、完成車の生産ラインに直接、配管の供給を開始した。

技術動向

○研究開発

・軽量化した自動車部品の開発

2013年、ドイツの樹脂成型メーカー、ガイガー・オートモーティブを子会社化し、ヨーロッパに樹脂製品の営業・開発拠点を設立。

近年、ヨーロッパの自動車メーカーを中心に、フューエルインジェクションレール、燃料ポンプやフィラーパイプなどの樹脂化が加速していることから、最新の技術動向をつかむ狙い。

○製品開発

・従来比4割薄型化した樹脂製のパイプを新開発

2014年、従来製品よりも4割薄型化に成功した樹脂配管を開発したと発表。
開発したのは、エンジンの冷却水を流すウォーターパイプ。金型に流し込んだ樹脂の内側にガスを通すガス整形によって、これまで約4ミリだった厚さを約2.5ミリにできる。このことによって冷却時間が短くなり、また、製造工程の時間も短縮されるという。

今後、ガイガー・オートモーティブと提携し、さらに製品の完成度を高めることで、フォルクスワーゲン(Volkswagen)グループやBMWグループ、ダイムラー(Daimler)グループなどヨーロッパの完成車メーカーへの販売拡大を狙う。

グローバル展開

○ロシア

  • 2013年、ロシアの大手自動車部品メーカー、メタロプロダクシア社の配管部門を買収したと発表。これにより、ロシアで生産拠点や販売網を得る計画。
    メタロプロダクシアは、ロシア最大手の完成車メーカーであるアフトワズ(AvtoVAZ)の主要取引先。メタロプロダクシアの買収によって、新たにアフトワズへの販路を入手する。
  • 2012年、アフトワズの本社があるロシア・トリヤッチ市に、配管の製造から曲げ加工までを手掛ける新工場を設立すると発表。
    2014年中に稼働し、2015年度にロシアでの売り上げ約40億円を見込む。
    合わせて、ロシア・サンクトペテルブルクに配管の曲げ加工だけを手掛ける拠点を設置する方針。

○中国

  • 2015年、中国・瀋陽市(しんようし)に樹脂部品を製造する子会社、三桜(瀋陽)汽車(Geiger Automotive [Shenyang])を新設すると発表。
    2017年に稼働し、現地工場があるドイツの自動車メーカー、BMWに納入。将来的には他のヨーロッパメーカーとの取引も進め、5年後をメドに売り上げ30億円を目指すとしている。

部門構成・部門ごとの方針

○機能別組織から製品分野別の組織に転換

  • 2015年、従来の、製造・開発・営業・管理による本部制から、事業部制に組織を変換したと発表。
  • 新組織は、直噴システム関連製品を取り扱う「DI システム事業部」、ポート噴射システム関連製品を取り扱う「PI システム事業部」を含む7事業部。従来のポート噴射システムに加え、需要が拡大する直噴システムの供給に注力する。
  • 各組織で業務を完結させるため、営業、事業管理、製造、技術、品質保証といった各機能を付与。
  • 従来のグローバル管理本部を廃止。同本部に所属していた総務、経営企画、財務、調達・物流の機能をそれぞれ独立した組織とする。

会社概要

社名 三桜工業株式会社
設立年 1939年3月24日
本社所在地 〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿1-23-23
市場名 東証一部
代表取締役 竹田 玄哉
資本金 3,481百万円

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