タタ・モーターズ
タタ・モーターズの企業情報
タタ・モーターズ(Tata Motors Limited)は、インドの企業グループ、タタ・グループを親会社にもつ完成車メーカーであり、商用車では国内市場シェア6割を占める最大手です。2008年にフォード(Ford)からイギリスのジャガー・ランドローバー(JLR)を買収。また、2009年に超低価格小型車「Nano」(ナノ)を発表したことで大きな話題を呼びました。
タタ・モーターズは1945年、タタエンジニアリングアンドロコモティブカンパニー(Tata Engineering and Locomotive Company)としてインド・ムンバイで設立されました。
1954年に、ダイムラー・ベンツ(Daimler-Benz)と提携し、中型商用車の生産を開始。1990年代以降は乗用車の生産を強化し、1998年にはインド初となる独自開発の乗用車「Indica」(インディカ)を発売しました。2001年にはダイムラー・クライスラーとの提携を解消。2003年に社名を現在のタタ・モーターズに改称しました。
2004年に韓国のメーカー、大宇商用車のトラック部門を買収し、タタ大宇商用車(Tata Daewoo Commercial Vehicle)を設立。2005年にはスペインのバスメーカー、イスパノ・カロセラの株式を21%取得、その後、子会社化しました。
2008年、ジャガー・ランドローバーを買収。翌年、ジャガー・ランドローバーブランドをインドで発売しました。
2009年、11万2,735ルピー(約22万円)という超低価格小型車「Nano」(ナノ)を発表。この「ナノ」は、品質の問題などで売り上げが低迷しますが、2013年に内外装をアップデート、さらに、ガソリンとCNG(圧縮天然ガス)の切り替えが可能なバイヒューエルモデルを発表しました。
2013年以降は海外への進出を強化し、インドネシアやアルジェリアへの市場参入をはじめ、生産拠点の設置にも力を入れています。
◯提携関係
・奇瑞汽車股?有限公司(Chery Automobile、奇瑞汽車)
2012年、ジャガー・ランドローバーは奇瑞汽車とともに中国江蘇省に合弁会社、奇瑞ジャガー・ランドローバー(Chery Jaguar Land Rover Automotive Company Ltd.)を設立。2014年から稼働を開始した。中国国内でジャガー車とランドローバー車を生産・販売するほか、共同開発した国内専用モデルの投入なども検討している。
売上等の推移(直近3年間)
売上高推移
経常利益推移
- ※米国SEC基準会社・国際会計基準会社は、経常利益に当たるものがないため、税前利益を経常利益とみなします。
タタ・モーターズの2014年度(2014年4月~2015年3月)の決算は以下のとおりです。
○グループ全体
- 売上高 6468億3000万ルピー(前年同期比38.2%増)
- 純利益 539億8000万ルピー(同比3.1倍増)
傘下のジャガー・ランドローバーの新車販売が好調だったため、大幅な増収益となりました。ジャガー車とランドローバー車の2014年度4~6月期の世界新車販売は、11.5万台(前年同期比22%増)。ジャガーの新型スポーツカー「Fタイプ」、ランドローバー「レンジローバー」「レンジローバースポーツ」「レンジローバーイヴォーク」が好調な売り上げを記録しました。
また、2015年度4~12月の売り上げは以下のとおりです。
輸出も含むインド新車販売 36万4946台(前年同期比1%増)
事業戦略
事業方針
2013年、苦戦する乗用車部門では2020年をメドに国内第2位、競争が激化する商用車部門ではマーケットリーダーとしての地位を維持することを発表しました。タタ・モーターズの取り組みは以下のとおりです。
- 2020年までに販売店舗数を現在の500から1000に倍増。乗用車の販売拡大を目指す。
- 乗用車部門において商品開発力の強化を進める。品質、商品ラインナップの強化に加え、顧客サービスに乗り出す。
- 今後さらなる成長が見込めるインド国内の商用車市場で競争力をつけるため、商用車のラインナップ拡充を目指すとともに、コスト削減にも取り組む。
- 海外事業では、アジア、中東全域、東欧などの市場開拓を加速させる。
注力分野
○CNG車シリーズの拡大
- 2013年に、emaxシリーズと名付けた、ガソリンと圧縮天然ガスを切り替えられるCNG車の第1弾として「ナノCNG emax」を発売。今後、合わせて5車種を発表する計画。
- 2014年には、emaxシリーズの新型「インディカemax」と「indigo(インディゴ) emax」を発表。いずれも優れた燃費性能を誇るエンジンを搭載。
○ハイブリッド車(PHEV)、電気自動車(EV)の投入
- 2015年、今後ハイブリッド技術やバッテリー電池技術に取り組み、乗用車、商用車への搭載を進めることを発表。低燃費車に注目が集まるインド市場へ投入する見通し
グローバル展開
タタ・モーターズは1961年から海外市場に進出、現在60カ国以上に展開しています。今後、さらなる海外の生産拠点設立を計画しています。
○オーストラリア
- 2013年、オーストラリアの販売代理店、Fusion Automotiveがピックアップトラック「Xenon」(ゼノン)を発売。
○マレーシア
- 2013年、タタ・モーターズはマレーシアの複業企業DRB-Hicom(DRBハイコム)と生産・販売に関して提携。子会社を通じて輸入販売をはじめ、ペカン工場で組み立て生産を行う。2016年からはこの工場で「Ultra」(ウルトラ)シリーズの小型・中型トラックを組み立て生産し、ASEAN全域に輸出する計画。
- 2015年、マレーシアでタタ・モーターズのピックアップトラック「Xenon」(ゼノン)と牽引車「Prima」(プリマ)を発売。
○ベトナム
- 2014年、タタ・モーターズの小型車「ナノ」をベトナムで発売。
○バングラデシュ
- 2014年、タタ・モーターズの販売代理店Tata Niloy(タタ・ニロイ)が小型車「ナノ」を発売。
○サウジアラビア
- タタ・モーターズは、サウジアラビアのManahil International(マナーヒルインターナショナル社)と代理店契約を締結し、2015年に首都リヤドに旗艦店とサービスショップをオープン。ブランドイメージと顧客満足度の向上を目指す。
○ネパール
- 2015年、ハッチバック「ボルト」をネパールで発売。
○ブラジル
- 2013年、ブラジル・リオ・デ・ジャネイロ州と工場建設で合意。2016年にも現地生産車を市場投入する計画。
○アルジェリア
- 2014年、アルジェリアでハッチバック「インディカ」「ビスタ」、セダン「インディゴ」「マンツァ」の4車種の販売を開始し、市場に進出した。同時に販売店を置き、顧客への販売とサービス活動を展開。
○フィリピン
- 2014年、フィリピンでセダン「マンザ」、ハッチバック「ビスタ」、ピックアップトラック「ゼノン」など5車種を発売開始。フィリピン市場に参入した。販売店も増設する計画。
○チュニジア
- 2015年、チュニジアに工場を設立。小型ピックアップトラック「ゼノン」、軽商用車「エース」「スーパーエース」を生産する。
会社概要
他の完成車メーカー・部品メーカー情報
外資系自動車部品メーカー
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- イリノイ・ツール・ワークス
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