ネクスティア・オートモーティブ
ネクスティア・オートモーティブの企業情報
ネクスティア・オートモーティブ(Nexteer Automotive Group Ltd.)は、ステアリングやドライブライン関連部品を手がけている、アメリカの自動車部品メーカーです。
現在は中国企業のパシフィック・センチュリー・モーターズ(Pacific Century Motors)が親会社となっています。
1906年に設立されたJackson, Church & Wilcox Co.がネクスティア・オートモーティブの前身です。
1909年、Buickにより買収されました。
1917年には、主にステアリングシステムを手がけるセグメントとして、ゼネラル・モーターズ(GM:General Motors)の事業部門となりました。
1998年、ゼネラル・モーターズの傘下に属していた自動車部品メーカー、デルファイ(Delphi)のステアリング部門として統合。
1999年、ゼネラル・モーターズがデルファイをスピンオフ。
2005年、デルファイが連邦倒産法第11章を申請。
2009年、デルファイがゼネラル・モーターズにステアリング部門を売却。これに伴い現社名に変更。
2010年、ゼネラル・モーターズがネクスティア・オートモーティブをパシフィック・センチュリー・モーターズに売却しました。
2014年末時点では、世界各地域に20ヶ所の生産拠点を有し、約11,000人の従業員を抱えています。
燃費・排ガス規制の強化が世界的に進むなか、現在は、燃費向上や排ガス低減に寄与する電動パワーステアリング(EPS:Electric Power Steering)に注力しています。
- 01.売上等の推移(直近3年間)
- 02.事業戦略
- 03.ネクスティア・オートモーティブの報道ニュース一覧
- 04.会社概要
売上等の推移(直近3年間)
売上高推移
- ※米国SEC基準会社・国際会計基準会社は、経常利益に当たるものがないため、税前利益を経常利益とみなします。
従業員数推移
2014年における売上高は、北米での製品需要の増加が影響し、29億7,810万ドルで前年比24.8%増となりました。
また、純利益は1億6,330万ドルで前年比47.2%増となりました。
製品別分野別の売上高は、
- ステアリングシステムが24億3,430万ドルで前年比27.0%増
- ドライブラインシステムが5億4,380万ドルで前年比15.8%増
となりました。
事業戦略
事業方針
ネクスティア・オートモーティブは2015年以降、中国や新興国の需要に対応した製品を供給することによる成長を目指しています。
また2015年2月には、本国アメリカのミシガン州サギノーにあったグローバル本社の移転計画を発表。同年8月にはアーバン・ヒルズが移転先として示されました。
当初の発表によれば、2016年の第2四半期に移転が完了する計画で、北米の顧客の近くに本社を設置することで成長を目指す考えです。
なお、サギノーの本社は技術開発の中心的な拠点として存続させる予定です。
ネクスティア・オートモーティブのM&Aや他社との提携に関する動向は以下のとおりです。
- 2013年6月、メキシコのサビナス・イダルゴに設置していた油圧ホースの製造拠点をNobel Automotiveに売却すると発表。
これに伴いネクスティア・オートモーティブは、中核製品である電動パワーステアリング(EPS:Electric Power Steering)などに注力する。 - 2014年3月、重慶長風機器有限責任公司(Chongqing Changfeng)と折半出資で、重慶耐世特転向系統有限公司(Chongqing Nexteering Systems, Ltd.)の建設を開始したと発表。
同拠点では、中国の地元メーカー向けのコラム式電動パワーステアリングシステムを手がける。
世界的な燃費・排ガス規制の強化に伴い、油圧パワーステアリング(HPS:Hydraulic Power Steering )ではなく電動パワーステアリング(EPS:Electric Power Steering)を採用する完成車メーカーが増えていることから、ネクスティア・オートモーティブは現在、同製品に注力しています。
同社は特に中国や新興国における成長を予測しており、プレゼンスを強めるための策として、他社とのM&Aや提携も視野に入れています。
また、2012年には本国アメリカのミシガン州トロイに、デトロイトに拠点を置く完成車メーカーとの電動パワーステアリングに関する提携をサポートする拠点として、カスタマーサービスセンターを設置すると発表しました。
このほか、ヨーロッパと中国におけるエンジニアリングセンターの能力を強化するため、アメリカ拠点の担当者を現地に移管しています。
下記は、電動パワーステアリングシステムの納入実績の一例です。
- 2012年4月、12Vの電動パワーステアリングシステムをクライスラー(Chrysler)の「Ram 1500」の2013年モデルに供給すると発表。
同システムは燃費性能のほか、操舵性やステアリング感覚を向上させる。 - 2014年1月、シングルピニオン式電動パワーステアリングシステムをBMWの「i3」向けに納入すると発表。
高効率なシステム統合と待機時の低消費電力を実現したEV(Electric Vehicle,電気自動車)向けの製品。 - 2014年7月、先進電動パワーステアリングシステムを神龍汽車(Dongfeng Peugeot Citroen)の「2008」に納入すると発表。
高度な制御ソフトウェアが用いられている同システムは、安定性・快適性・燃費性能を向上させる。
技術動向
2014年末時点で、ネクスティア・オートモーティブは本国アメリカのシステムエンジニアリングセンターをはじめ、世界各地域に研究開発拠点(カスタマーサービスセンターを含む)を有しています。
また、972人の従業員が研究開発活動に携わっています。
下記は、ネクスティア・オートモーティブの研究開発活動の一例です。
- 電動パワーステアリング(EPS:Electric Power Steering)システムの新電動アーキテクチャを開発
2012年4月に同アーキテクチャを開発したと発表。カスタマイズできる12V対応の単一プラットフォームで、超小型自動車や高級SUV(Sport Utility Vehicl,スポーツ用多目的車)など、さまざまな車両に使用可能。 - 電動パワーステアリングシステムの試験・評価設備の導入を発表
2012年11月に発表。HV(Hybrid Vehicle,ハイブリッド自動車)とEV(Electric Vehicle,電気自動車)用の電動パワーステアリングシステムについて、主に騒音・振動のテストを行う設備。
投資額は約1,200万ドル。 - 「Magnasteer with Torque Overlay(MTO)」と「Smart Flow」を発表
「MTO」システムはトラック向けトルクオーバーレイ付き電磁アシスト式ステアリングシステムで、複数の車両システムのデータを分析することにより、ステアリングの応答性や制御性を向上させるもの。
また、油圧ポンプの「Smart Flow」は、エンジンの寄生損失を減らすことによって作動効率を高める製品。 - Mobility Transformation Center(MTC)の共同研究プログラムへの参加を発表
MTCはミシガン大学の自動運転システムの実証実験施設。
同プログラムでは、ミシガン大学とネクスティア・オートモーティブを含めた27の企業が共同でコネクテッドカーや自動運転の実現に向けた研究開発を行う。
なお、この提携プログラムに参加する企業は3年間で15万ドルを支援する予定。
グローバル展開
2014年末時点でネクスティア・オートモーティブは、北米に9ヶ所、南米に1ヶ所、ヨーロッパに2ヶ所、アジア・オーストラリアに8ヶ所の生産拠点を有しています。
また、アプリケーションエンジニアリングセンターをフランスと中国に、カスタマーサービスセンターをドイツ、イタリア、ポーランド、インド、韓国、オーストラリアに設置しています。
○新興国をはじめとした海外における取り組み
■中国での取り組み
- 2013年10月、蘇州(そしゅう)市にモジュールパワーパックを生産する工場と、現地向けに試験・分析・設計などを行うエンジニアリングセンターを設置。
- 2015年8月、柳州(りゅうしゅう)市に完全子会社のNexteer Automotive Systems(Liuzhou)Co., Ltd.を設置したと発表。
同拠点はネクスティア・オートモーティブにとって中国で4ヶ所目のステアリング工場で、中国や新興国の完成車メーカーに対してブラシ付電動パワーステアリング(EPS:Electric Power Steering)システムを生産。
■ポーランドでの取り組み
- 2016年4月、ヨーロッパで3ヶ所目の生産工場をティヒに設置し、2016年半ばにはテクニカルセンターを新設する計画を発表。総投資額は1,600万ドル以上。
同工場を設置することで、BMW、ゼネラル・モーターズ(GM:General Motors)、フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA:Fiat Chrysler Automobiles)、PSAプジョー・シトロエン(PSA Peugeot Citroen)といったヨーロッパの既存顧客に対する電動パワーステアリングシステムの生産能力を増強する。
また、テクニカルセンターではステアリングシステムの設計・開発を行うほか、BMWやフィアット・クライスラー・オートモービルズ、ゼネラル・モーターズ、PSAプジョー・シトロエン、フォード・モーター(Ford Motor Company)などの完成車メーカーに対して、先進運転支援システム(ADAS:Advanced Driving Assistant System)や自動運転技術に関するサポートを実施。
ネクスティア・オートモーティブの報道ニュース一覧
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- 2019.02.01 ネクステア・オートモーティブ、インドにソフトウェアセンターと工場を開設
会社概要
他の完成車メーカー・部品メーカー情報
外資系自動車部品メーカー
- アメリカン・アクスル&マニュファクチャリング
- イリノイ・ツール・ワークス
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