パイオニア
パイオニアの企業情報
パイオニアは、東京都に拠点を置く、カーナビをはじめとした車載用のAV機器などカーエレクトロニクスを手掛ける電機メーカーです。車載用のカーオーディオ、カーナビ事業ではカロッツェリアのブランド名で展開しています。2015年に事業再編を行い、現在はカーエレクトロニクス部門に経営資源を集中させる事業体制の構築を行っています。
1938年、国内初のHi-Fiダイナミックスピーカーを販売するためパイオニアの前身となる福音(ふくいん)商会電機製作所が設立されました。1947年、福音電気を設立。1961年、現在のパイオニアに社名を変更します。
1962年、世界初となるセパレートステレオ(それ以前はスピーカーも含め一体型のステレオシステムだった)を発売。1966年、ヨーロッパとアメリカに販売子会社を設立します。
1975年、世界初となるコンポーネント(レコードプレイヤー、アンプ、チューナー、スピーカーなどを好きな組み合わせで構築すること)カーステレオを発売。1984年、世界初のカーCDプレイヤーを、1990年にはGPSカーナビを発売します。1997年には、DVDカーナビを発売。2001年、HDD(ハードディスクドライブ)搭載のカーナビを、翌2002年には通信モジュールを内蔵したカーナビを発表。
2009年、中国の自動車メーカーである上海汽車工業(集団)総公司(SHANGHAI AUTOMOTIVE INDUSTRY CORPORATION GROUP)と、中国におけるカーナビ事業に関して、合弁会社となる安悦先鋒汽車信息技術有限公司(Anyo Pioneer Motor Information Technology)を設立。また、同年、中国の電気量販大手の蘇寧電器股分有限公司(SUNING APPLIANCE COMPANY LTD)と、中国でのホームエレクトロニクス事業に関して提携を締結します。
2011年、市販カーナビとして初となる、電気自動車(EV)向けカーナビサイバーナビ「AVIC-ZH09-MEV」を発売。同年、台湾の光学部品メーカーの亜洲光学グループ(アジア・オプティカルグループ)と、ブラジルにおける生産合弁会社を設立。
2014年、DJ向けCDプレイヤーやミキサーなどのDJ機器事業を、投資ファンドのPDJホールディングスに譲渡しました。これによって、カーエレクトロニクス事業に経営資源を集中させる方針です。
○事業内容
・カーエレクトロニクス事業
カーナビ、カーオーディオ・カーAVシステム・カースピーカーをはじめ、テレマティクス技術を活用した情報ネットワークシステムや、車中でスマートフォンを利用するためのアプリケーションなど。
・その他の事業
ハードディスクやDVDなどの車載カーナビ向けの地図のほか、スピーカー用のデバイス、スマートフォンや通信機器、自動車用の各種電子部品の組立装置など。
・新規事業
薄型で面全体が発光する次世代照明、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL照明、特定の有機物に電圧をかけることで発光する現象のこと)をはじめ、映像技術、光技術、音響技術などを活かした医療用カメラや小型血流計などの医療機器関連。
また、自転車用ナビやホームシアターやカーオディオに搭載されるHVT(Horizontal-Vertical Transforming、従来のスピーカーと同じ振幅と音質を確保したまま大幅な薄型化が可能な構造を持つ)方式のスピーカーほか。
- 01.年収情報
- 02.売上等の推移(直近3年間)
- 03.事業戦略
- 04.部門構成・部門ごとの方針
- 05.会社概要
- 06.拠点一覧
- 07.関係会社一覧
年収情報
平均年収750万円 / 自動車業界内の年収順位 46/280位
年収推移
自動車業界の平均年収 | 618万円 |
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推定生涯賃金 | 2億4833万円 |
年齢別年収シミュレーション
平均年齢 | 43.2歳 |
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平均勤続年数 | 18.2年 |
売上等の推移(直近3年間)
売上高推移
経常利益推移
従業員数推移
パイオニアの2016年3月期第3四半期(2015年4月~12月)の連結業績は以下のとおりです。
- 売上高 3,394億5,600万円(前年比8.8%減)
- 営業利益 38億4,400万円(前年比23.6%減)
- 営業利益 38億4,400万円(前年比23.6%減)
- 当期純損益 17億4,900万円(前年は47億3,700万円の損益)
売上高は、カーナビ分野ではOEM、市販ともに増収となりましたが、前期に実施したホームオーディオおよびDJ機器の事業譲渡の影響に合わせ、新興国での市販カーオーディオの減少や通貨安の影響もあり、1,168億6,100万円(前年比14.3%減)となりました。
営業利益は、事業譲渡の影響などによる売上高の減少や減価償却費の増加などによる原価率の悪化はありましたが、事業譲渡および体制のスリム化の効果により販売費および一般管理費が減少。17億6,600万円(前年比6.1%増)となりました。
また、当期純利益は、2億4,500万円の利益(前年は23億300万円損失)となりました。
事業別では、 カーエレクトロニクス事業の売上高は、888億4,200万円(前年比3.8%減)となりました。製品別では、カーオーディオは減収となりました。市販向けは、主に新興国で通貨安の影響もあり、売り上げが減少。OEMは、北米で減少しましたが、国内や中国で増加したことから増収となりました。
カーナビは増収となりました。市販市場向けは、中国や国内で増加したことから増収となりました。OEMは、北米の減少や新興国における通貨安の影響はあったものの、主に東南アジアや国内で増加したことから増収となりました。
国内外別の売上については、国内は340億1,300万円(前年比10.1%増)、海外は548億2,900万円(前年比10.8%減)となりました。
営業利益は、販売費および一般管理費の減少はありましたが、原価率が減価償却費の増加などによって悪化したことや、売上が減少したことにより、13億7,400万円(前年比44.3%減)となりました。
その他の売上は、前期に実施した事業譲渡の影響などから、280億1,900万円(前年比36.5%減)となりました。
上記の結果を踏まえた2016年3月期の業績予想は以下のとおりです。
- 売上高 4,550億円
- 営業利益 80億円
- 経常利益 60億円
- 当期純利益 10億円
事業戦略
事業方針
パイオニアは2014年、新たな事業方針を策定しました。
○数値目標(2016年度)
・全体
- 売上高 4,850億円
- 営業利益 200億円
- 営業利益率 4.1%
- 純利益 105億円
・カーエレクトロニクス事業
- 売上高 3,950億円
- 営業利益 200億円
○成長戦略
・事業のうち、情報サービス、車載機器、周辺機器の分野を強化する
情報サービスでは、自動運転に向けた詳細地図データの強化、データ解析技術の高度化に取り組む。
車載機器では、市場の変化に対応し、AV機器とナビゲーション機器の融合をはじめ、スマートフォンやクラウドとの連携強化を進める。
周辺機器分野では、コネクテッド化に対応するキーモジュールやキーデバイスの強化。
・OEM事業の拡大
他社ブランド製品を他社ブランド名で生産するOEMによって、既存の取引メーカーとのさらなる取引拡大や新規取引メーカー獲得による売上向上と収益力強化を目指す。さらに、コネクテッドカー対応や自動車の運転席周辺を構成するキーモジュールなどの開発強化を進める。
・新興国市場への進出
新興国で需要が拡大する小型車向けの市場開拓を図るとともに、現地での需要に対応するため、現地企業との提携や合併、買収を進める計画。
・経営基盤の強化
国内から海外での生産へシフトするとともに、製品構造の標準化や共通化によって、開発・生産にかかるコストの低減を図る。また、カーオーディオ製品やカーナビの機種を統合することで、開発効率の向上をはじめ、収益改善や自動車OEM事業の利益率向上を目指す。
技術動向
○製品開発
・テラヘルツ波を利用して物体内部を測定するスキャナーを発売
2015年、電磁波の一つであるテラヘルツ波を用いて物体の内部を測定するテラヘルツスキャナーを自動車業界向けに展開すると発表。
車体の塗装膜の厚みやムラを計測できるため、完成車工場の塗装工程における品質管理などでの需要を見込んでいる。
・タッチパネルディスプレイ搭載のカーオーディオ発売
2015年、タッチパネルディスプレイを搭載し、タッチやフリック、スライドなどで操作でき、動画や音楽などさまざまなコンテンツが楽しめるディスプレイを搭載したオーディオを発売。
・車載用の透過型有機エレクトロルミネッセンス照明を開発
2015年、透過性の有機エレクトロルミネッセンス(EL)照明を開発したと発表。照明点灯時に、有機EL照明の片面だけを光らせることで、光っていない面は透けて背後の風景が確認できるというもの。
これによって、窓ガラスなどに照明を配置しても視界を遮らないため、車のデザイン性を損なわない形で設置できるとしている。
2019年までの実用化を目指す計画。
・ジェスチャーで操作できるポータブルタイプのナビ発売
2015年、使用頻度の高い機能をジェスチャーで操作できるポータブルタイプのナビを発売。
あらかじめ設定しておけば、直接手を触れず、画面に手を近づけるなどの動きだけで操作を行える。また、車の細かな動きも感知するため、トンネル内や山岳路などでも正確な自車の位置を表示することが可能。
・新テレマティクスサービス「ビークルアシスト」対応のミラー型端末発売
2015年、パイオニアが業務用車両向けに開始した新テレマティクスサービス「ビークルアシスト」。クラウドネットワークを通じて自動的に走行データを取得、分析し、車両の安全運転、労務管理、経費削減などに活用できるというもの。
同年、このサービスに対応した、3G/LTE通信モジュールを搭載したバックミラー型の端末を発売。「ビークルアシスト」の機能を活用して、車両が危険な挙動をした際に管理者にメールで通知する。また、日報が自動作成できる機能も付属。
・ETC2.0サービス対応のユニットを新発売
2016年、道路側のアンテナであるITSスポットと高速かつ大容量で双方向通信できるサービス、ETC2.0を利用できるユニット「ND-ETCS10」を発売。
同製品は、GPSを内蔵し、カーナビに接続しなくてもETC2.0サービスを利用できるといもので、受信した情報は、本体のスピーカーから音声で案内する仕組み。
・ディスプレイ一体型のドライブレコーダー発表
2016年、フルハイビジョン画質に対応したディスプレイ一体型のドライブレコーダー、カロッツェリア「ND-DVR10」を発売。
夜間の走行やトンネルの出入り口など急な明るさの変化にも対応。信号機の色も鮮明に記録できるとしている。さらに、買い物などで車を離れた時も車を見守ることができる駐車監視機能を搭載。
・スマホとビーコン端末を活用したテレマティクスソリューションを新開発
2015年、無線通信の一つであるBluetoothを発信するビーコン端末によって運転手の状況を認識し、スマートフォンを介してサービスを提供する「クルマ DE ビーコンサービスプラットホーム」を開発したと発表。
このソリューションは同年、東京海上日動火災保険の新たなサービスに採用された。
グローバル展開
パイオニアは現在、小型車をメインに、新興国などでの市場開拓を図っています。
また、グローバルでの需要に対応するため、合併や買収、提携などで現地企業との協業を進めています。
○アメリカ
- 2014年、大容量の各種データをリアルタイムで収集・保管・分析するクラウド型データマネージメントサービスを提供するアメリカのトレジャーデータ社(Treasure Data)と、自動車業界向けのビッグデータ関連事業における業務提携を発表。
クラウド型データマネージメントにおけるトレジャーデータ社の高い技術を、パイオニアが展開する自動車向けクラウド基盤上のビックデータ活用に採用。新たなテレマティクスサービス開発を目指すとしている。
○インドネシア
- 2015年、インドネシア・ジャカルタに販売拠点となるパイオニア・エレクトロニクス・インドネシア(PT PIONEER ELECTRONICS INDONESIA)を設立。
今後、東南アジア圏で最大の自動車市場になることが見込まれるインドネシアに販売拠点を置くことで、同地域の自動車市場における事業拡大を目指すとしている。
○ドイツ
- 2015年、ドイツのデジタル地図、位置情報サービスなどを行うヒア社(HERE)との協業を発表。
今後、ヒア社の自動運転・高度運転支援向け地図の提供や、パイオニアが開発を進める走行空間センサー、3D-LiDAR(ライダー)の提供などを通じて高度化地図の活用について連携を深める見通し。
○メキシコ
- 2015年、メキシコ・バヒオ地区に新たな生産拠点、パイオニア・オートモーティブ・ド・メキシコ(Pioneer Automotive de Mexico S.A. de C.V.)を設立。
今後、市場の拡大が見込まれる同地域での生産体制を強化する計画。
2017年から稼働し、生産能力は年200万台を計画。
○中国
- 2015年、中国子会社の先鋒電子投資有限公司(パイオニア中国)が、中国・精華大学蘇州自動車研究院(Tsinghua University Suzhou Automotive Research Institute)傘下のベンチャー企業、蘇州清研微視電子科技(Suzhou Tsingtech Microvision Electronic Technology Co.,Ltd.)と、ADAS(先進安全システム)関連技術で協業すると発表。
この協業によって、パイオニアの車載機器における技術やノウハウと、同研究院のADAS関連技術を組み合わせることで、ADAS機能を搭載した次世代車載器を開発する計画。
2016年以降の製品化を目指す。 - 2015年、中国小会社のパイオニア中国が、中国最大のインターネット関連企業の百度(バイドゥ)と、中国でのテレマティクス分野で協業すると発表。
先鋒電子はバイドゥのテレマティクスサービス「百度CarLife」に対応した車載機器の開発・製造受託企業に認定され、同年から自動車メーカー向けに供給を開始。
部門構成・部門ごとの方針
・事業再編
パイオニアは2014年、カーエレクトロニクス事業に経営資源を集中し、同事業を主軸とした事業体制を構築すると発表。カーエレクトロニクス事業の中でも今後普及が見込まれるコネクテッドカー向けの、情報サービス、車載機器、周辺機器の3分野の強化を図る。
それに伴い、ホームAV事業をはじめ、電話機事業、ヘッドホン関連事業を音響機器メーカー、オンキヨーに移管。また、DJ機器事業はアメリカのファンド会社、PDJホールディングスに売却。この再編によって、国内で人員整理を行った。
会社概要
拠点一覧
パイオニアの拠点(研究開発・テストセンター含む)
国内拠点一覧 |
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海外拠点一覧 |
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関係会社一覧
パイオニアの関係会社一覧
- 東北パイオニア㈱
- パイオニア販売㈱
- Pioneer North America,Inc.
- Pioneer Electronics(USA) Inc.
- Pioneer Automotive Technologies,Inc.
- Pioneer Europe NV
- Pioneer Electronics Asiacentre Pte. Ltd.
- Pioneer China Holding CO.,Ltd.
- Pioneer Electronics(Shanghai Export Zone)CO.,Ltd.
他の完成車メーカー・部品メーカー情報
外資系自動車部品メーカー
- アメリカン・アクスル&マニュファクチャリング
- イリノイ・ツール・ワークス
- インフィニオンテクノロジーズ
- ヴァレオ
- 濰柴動力股份
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