オペル
オペルの企業情報
オペル(正式名称はAdam Opel AG)は、ゼネラル・モーターズ(GM)傘下の自動車メーカー。本拠地はドイツ・ヘッセン州です。GMのヨーロッパ事業を総括するオペルグループとして、オペル、ヴォクスホール(Vauxhall)をはじめ、他のGMブランドのヨーロッパにおける事業も管轄しています。
ミシン、自転車メーカーだったアダム・オペル社が、1899年に自動車製造業を開始。第1次世界大戦後に大量生産型の大衆車を製造し、ドイツ国内最大手自動車メーカーへと成長を遂げました。その後の世界的な不況下で、GMがヨーロッパ事業に参入。1929年にオペルの株式80%を取得、1931年には100%を取得し、オペルはGMの子会社となりました。
第2次世界大戦初期にGMがドイツから撤退したことで、オペルはナチスの指揮下で軍用トラックなどを製造していましたが、1948年にはGMが経営権を回復。1960年代には小型車「カデット」で成功を収めました。その後も、中型車、大型高級車などを手がけ、1970年代にはドイツ国内市場シェア20%を占めるドイツ最大の自動車メーカーとなりました。
また、1960年代以降、GMは世界的に生産モデルの共通化を進め、オペルはGM傘下のイギリスのメーカー、ヴォクスホールと各車種で共通化されました。現在、ヴォクスホールの車種はすべてオペルの兄弟車となっています。
2000年代に入ると、オペルの赤字化とともにGMのヨーロッパ事業は不振の一途をたどり、2009年、GMはオペル再建のためドイツ政府などに融資保証を要請しました。その後、GMは本体の経営再建が順調なことなどから、オペルの自主再建に取り組むと発表。ヨーロッパ事業の赤字脱却を目指し、2014年にオペルのドイツ・ボーフム工場を閉鎖するなどの施策を展開しています。
売上等の推移(直近3年間)
売上高推移
- ※米国SEC基準会社・国際会計基準会社は、経常利益に当たるものがないため、税前利益を経常利益とみなします。
従業員数推移
オペルとヴォクスホールを合わせたヨーロッパでの2014年の総販売台数は、107.6万台(前年比3%増)となりました。市場シェアは5.74%と前年から0.1ポイント上昇し、ヨーロッパでの販売台数と市場シェアは、2011年以降で最高を記録しました。
市場シェア拡大の要因となったのは、2013年から続く小型車の好調で、新型「コルサ」が販売を伸ばし、2015年夏には新世代コンパクトカー「KARL」(カール)も発売されました。
市場別では、ポーランドが前年比42%増、アイルランドが33%増、ポルトガルが28%増と大幅な増加を見せ、ヨーロッパ5大主要国(ドイツ、イギリス、フランス、イタリア、スペイン)でも販売を伸ばしました。
さらに、2015年上半期(1~6月)のヨーロッパでの小型商用車(LCV)の販売が、5.15万台を記録(前年同期比25%増)。2008年以降で過去最高を記録しました。市場シェアは、0.56ポイント伸び4.03%となりました。車種別では、「Movano」(モヴァノ)が約1万台(前年同期比34%増)、「Vivaro」(ヴィヴァーロ)も、約2.9万台(27%増)と伸びました。現在推進中の中期経営計画「ドライブ2022」で、2013年のLCV販売実績を8万台以上上回る、15万台の販売を目指しています。
事業戦略
事業方針
○中期経営計画
オペルは、赤字体制から脱却し持続的に収益を生む構造への変革を目指して、2012年に中期経営計画の「ドライブ・オペル2022」を発表しました。内容は以下のとおりです。
- GMとフランスのプジョー・シトロエングループ(PSA)の資本提携における相乗効果を生かして、新商品の開発や生産にかかるコストの削減
- ブランド戦略を見直し、顧客満足度の高い商品開発に取り組むことで、海外への輸出を拡大
- 2012年中にヨーロッパで2600名の人員削減を実施
- 2013~2015年の3年間で、5億ドルのコスト削減を進める
さらに2014年、この計画を一部アップデートした内容を発表しました。主な達成目標は以下のとおりです。
- 2022年までに、オペルとヴォクスホールを合わせヨーロッパ市場シェアで8%を獲得
- EBIT(利払い前、税引き前の利益)の比率5%の達成
- 2018年までに27の新型・改良モデルの発表および17の新エンジンの搭載
- ヨーロッパ乗用車市場でシェア2位を獲得(2013年は3位)
○協力関係
・GMとPSAによる車台共有プロジェクト
2012年、GMはPSAとの間で、新型車のプラットフォームを共有するプロジェクトを進めると発表。PSAが開発したプラットフォームを、オペルの新型車に採用することをはじめ、3種類の新型車を共同で開発し、2016年までに発売する予定。
○ロシア事業をGMヨーロッパに配置
2014年、GMは、中国に拠点を置くGMインターナショナルオペレーションズの管轄としてきたロシア事業を、GMヨーロッパに組み込むと発表。これによってGMのヨーロッパ部門であるオペルの、ロシア市場におけるポジションを強化する目的です。
○GMの全ヨーロッパ事業を集約するオペルグループ設立
2022年までにヨーロッパ市場で8%のシェア獲得を目指すとする「ドライブ・オペル2022」に向けたステップとして、オペルは2014年、統括会社のオペルグループを設立。GMのヨーロッパ事業のすべてをオペルグループが指揮をとる体制へと移行しました。
注力分野
○パワートレインセンター開設
燃費効率やCO2排出量に優れるパワートレインの研究開発を強化するため、オペルグループはドイツ・リュッセルスハイム工場にパワートレインセンターを開設。2017年に稼働を開始し、エンジンなどの研究開発やテストを行う予定。
○新エンジン開発
2018年までに17種の新型エンジンを開発、新型車・改良モデルに搭載することを目指して、2014年、ハンガリー・セントゴッドハード工場で新開発の小型低燃費エンジン、「Ecotec」(エコテック)エンジンの生産をスタート。その他の新型エンジンについても大半はこの工場で生産する計画を発表している。
技術動向
オペルは、2018年までに17種の新型エンジンの開発と新型車への搭載を目指しています。現在の取り組みは以下のとおりです。
- 2014年に新世代のディーゼルエンジンの生産を、ドイツ・カイザースラウテルン工場で開始。「2.0CDTI」と呼ばれるエンジンは、排ガスを浄化するSCRシステム(選択触媒還元)を搭載し、ヨーロッパの最新基準のユーロ6に適合する排出ガス性能をもち、燃費やCO2排出量などの環境性能も向上。この新エンジンは、2015年に発表された「Insignia」(インシグニア)や新型「Zafira Tourer」(ザフィーラツアラー)などに搭載予定。
- 2014年に発表した新型コンパクトカー「Adam S」(アダムS)には、直噴1.4リットル直列4気筒ガソリン「エコテック」に、ターボチャージャーを装着。
- 2014年に発表された新型商用車「Vivaro」(ヴィヴァーロ)は、ルノーが新開発した1.6L直列4気筒ターボディーゼル「CDTI」エンジンを搭載。このツインターボ版はユーロ6に適合するSCRシステムを備える。
- ルノーからOEM供給される商用車、新型 「Movano Combi」(モヴァノ コンビ)に、新開発の排気量2.3L「Biターボ CDTI」 エンジンを搭載。
- 2015年に発表した新型「Astra」(アストラ)は、大幅な軽量化による燃費性能の向上に加え、燃費性能に優れる新開発の小型エンジン「エコテック」を搭載。
グローバル展開
オペルが統括するGMグループのヨーロッパ事業は現在、6カ国10拠点で事業を展開しています。各拠点における取り組みは以下のとおりです。
- 2012年、オペルはハンガリー・ゼントゴットハードに新工場を開設。2013年には拡張し、2016年までに、23の新型車と13の新エンジンを投入する計画。
- GMとロシアのメーカーAvtovaz(アフトワズ)が2001年に設立し、ロシア・トリヤッチに拠点を置く合弁会社、GM アフトワズ。2016年までに新型のシボレー「Niva」(ニーヴァ)を生産する新工場を稼働する予定。
- 2014年、それまで韓国で生産していたオペルの小型クロスオーバーSUV「Mokka」(モッカ)を、スペイン・サラゴサ工場で生産すると発表。さらに、動向上でオペル「Corsa」(コルサ)、「Meriva」(メリーバ)の生産も開始した。
- 2017年より、ポーランド・ティヒ工場で新世代の中型ディーゼルエンジンの生産を開始する。このディーゼルエンジンは、高出力を維持しながら低燃費やCO2の低排出など環境性能を向上させたもので、オペルの新型車に搭載される予定。
会社概要
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- アメリカン・アクスル&マニュファクチャリング
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- クーパー・スタンダード・ホールディングス
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- クノールブレムゼ
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- コンチネンタル・オートモーティブ
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