ベントラー
ベントラーの企業情報
ベントラー(Benteler Deutschland GmbH)は、自動車用シャシー、骨格部品、エンジン・排気系部品を手がける自動車部品メーカーです。自動車部門の本拠はドイツに位置しており、開発や製造も同国を中心に行われていますが、2010年の持株会社設立に伴い、グループ本社はオーストリアに移転されています。
1876年にカール・ベントラーが創業した金物店がベントラーの前身です。1922年にベントラーAG(Benteler AG)が設立され、1931年から自動車部品の生産をスタートしました。
以降、国内の生産拠点を増加させ、1980年代に入ると、アメリカ、スペイン、ポルトガルに進出。1990年代にはイギリス、アルゼンチン、ブラジル、イタリアに工場を設置するなど、海外展開を加速させました。
2000年代に入ってからはPD&E Automotive B.Vの株式を100%取得したほか、アルミ製品を手がける自動車部品メーカー、ノルスク・ハイドロ(Norsk Hydro ASA)の自動車構造部品事業を買収するなどしました。
2013年から2014年にかけて、世界各地域において自動車部品部門のリストラを実施。
2014年後半には、レーザー加工メーカーのウィルコ・ウィルケン・レーザー(Wilco Wilken Laser)の2拠点を買収しました。
2014年末時点では、世界38ヶ国に170ヶ所の拠点を有し、約27,600人の従業員を抱えています。
事業体制は以下の3部門で構成されており、自動車部門が全体の約75%の売上高を占めています。
・自動車部門(Automotive)
・スチール/チューブ部門(Steel/Tube)
・物流部門(Distribution)
現在は、完成車メーカーのモジュール化戦略に対応するための拠点再編、関係強化に注力しています。
- 01.売上等の推移(直近3年間)
- 02.事業戦略
- 03.部門構成・部門ごとの方針
- 04.ベントラーの報道ニュース一覧
- 05.会社概要
売上等の推移(直近3年間)
売上高推移
- ※米国SEC基準会社・国際会計基準会社は、経常利益に当たるものがないため、税前利益を経常利益とみなします。
従業員数推移
2014年における売上高は、スチール/チューブ部門と物流部門の売上高の増加が影響し、75億5,639万ユーロで前年比1.8%増となりました。
また、営業利益は1億8,561万ユーロで前年から約2倍となりました。
部門別の売上高は、
- 自動車部門(Automotive)が58億6,500万ユーロで前年比0.6%減
- スチール/チューブ部門(Steel/Tube)が10億9百万ユーロで前年比5.2%増
- 物流部門(Distribution)が8億5,800万ユーロで前年比17.9%増
となりました。
このうち自動車部門については、拠点の閉鎖・売却などが売上高減少に影響しました。
ベントラーは、2019年にグループ全体の売上高を100億ユーロに引き上げることを目標に掲げています。
事業戦略
事業方針
ベントラーはグループ売上高の目標値を100億ユーロに設定しています。当初は2018年を達成の目標時期としていましたが、現在は2019年に修正されています。
ベントラーのM&Aに関する動向は以下のとおりです。
- 2014年9月、構造部品の生産能力を強化するため、破産したドイツのレーザー加工メーカー、ウィルコ・ウィルケン・レーザー(Wilco Wilken Laser)のパーダーボルン工場とヴァイデナウ工場を買収(従業員100名を含む)。これによってベントラーは16基のレーザー加工機を取得。
- 自動車部門のリストラ策の一環として、2013年から2014年にかけて、アルゼンチンのティグレ、イタリアのメルフィ、スイスのサン=テュルサンヌの拠点を売却。また、これに関連して、カナダのブランプトン、アメリカのオペライカおよびグランドラピッズにおける拠点を閉鎖。
注力分野
ベントラーは完成車メーカーのモジュール化戦略に対応するための拠点再編に注力しています。
また、自動車開発の初期段階から完成車メーカーに関わることで、完成車メーカーとの関係強化を図っています。たとえば、2015年7月にはフォルクスワーゲン(VW:Volkswagen)の本拠地であるヴォルフスブルクに、新たな研究開発センターを開設しました。
技術動向
2014年末時点において、ベントラーは世界18ヶ国に32ヶ所の研究開発拠点を有しており、約1,200人の従業員が研究開発活動に携わっています。
現在は、特に構造部品の軽量化に重きを置いた研究開発活動を行っています。
下記は、ベントラーの研究開発活動の一例です。
・ベントラー・エンジニアリング・サービス(Benteler Engineering Services)を移転
ベントラー・エンジニアリング・サービスは、2013年9月に独立した、自動車・商用車・鉄道・船舶などの産業の開発を支援するビジネスユニット。2014年1月、ドイツからオランダの新テストセンター(敷地面積5千平方メートル、従業員100名以上)に移転。
・ドイツのヴォルフスブルクに新開発センターを開設
完成車メーカー、フォルクスワーゲン(VW:Volkswagen)の本拠地であるヴォルフスブルクに、走行試験などを実施できる開発センターを新設。フォルクスワーゲンの要請に柔軟・包括的に対応し、製品力を向上させるのが目的。
・ループヒートパイプを使用した排熱回収に関するプロジェクトを実施
ループヒートパイプを用いた排熱回収システムを採用することで、現在用いられている電動ヒーターの省略を目指すプロジェクト。実現すれば車両の排ガス削減に大きく寄与する。
・複合素材を使用した部品の軽量化プロジェクトを推進。
欧州連合とノルトライン=ヴェストファーレン州からの助成金で行われる、完成車メーカーや他の自動車部品メーカーとの共同プロジェクト。アルミおよび超高強度鋼を用いたバンパー、アルミおよび繊維強化複合材を組み合わせた構造部品などが軽量化部品の一例。
グローバル展開
2014年末時点で、ベントラーは世界39ヶ国に118ヶ所の拠点を有しています。このうち自動車部門については、29ヶ国に70ヶ所の生産拠点と20ヶ所の研究開発・販売拠点を設置しています。
なお、自動車部門の拠点は本国ドイツのほか、オーストリア、ベルギー、チェコ、デンマーク、フランス、イギリス、ハンガリー、イタリア、ノルウェー、ポルトガル、ロシア、スロバキア、スペイン、スウェーデン、トルコ、アメリカ、メキシコ、カナダ、ブラジル、アルゼンチン、中国、インド、日本などに設置されています。
○海外における取り組み
■ブラジルでの取り組み
- 2015年2月、サンジョゼー・ドスピニャイスのモジュール工場を、完成車メーカーのフォルクスワーゲン(VW:Volkswagen)に譲渡。同拠点が手がけていたのは、VW FoxとVW Saveiro向けのモジュール。
- 2016年の第1四半期までに、ブラジル国内にヨーロッパのプレミアムメーカー向け工場を設置すると発表。どの完成車メーカーかは未公表。なお、ベントラーは2015年時点でブラジルに5工場を保有(2工場はBMWとの協業によるもの)。
また、上記で示したブラジルや本国ドイツ以外にも、スロバキアや中国において熱成形ラインへの投資が行われています。
部門構成・部門ごとの方針
ベントラーは、以下の3部門で事業体制を構成しています。
- 自動車部門(Automotive)
- スチール/チューブ部門(Steel/Tube)
- 物流部門(Distribution)
このうち自動車部門については世界29ヶ国に70ヶ所の生産拠点、20ヶ所の研究開発拠点および販売拠点を有しています。
また、自動車部門は以下のように製品分野別に細分化されています。
- シャシー・モジュール部品(Chassis and Modules Product Group)
(主要製品:クロスメンバー、サブフレーム、コントロールアーム、アンチロールバーなど) - 構造部品(Structures Product Group)
(主要製品:車体アンダーキャリアー、ドアビーム、ルーフレール強化部品、リアバンパーなど) - エンジン・廃棄システム部品(Engine and Exhaust Systems Product Group)
(主要製品:EGRシステム、燃料分配システム、冷却水循環システム、エキゾーストマニホールドなど)
なお、スチール/チューブ部門でも自動車用チューブを扱っています。
ベントラーの報道ニュース一覧
- 2020.11.01 ベントラー、ドイツのバッテリートレイ製造施設を拡大
-
約650人を雇用予定ベンテラーは、ドイツ・シュヴァンドルフ郡にある製造施設を、約7,500平方メートル拡大していると10月28日に発表。自動車のバッテリートレイ...[もっと見る]
- 2020.09.26 ベントラー、北京国際自動車展2020で電気自動車用のローリングシャーシを紹介
- 2020.09.15 ベントラー、Fraunhofer IEMと協力したビッグデータソリューションを説明
- 2020.09.10 ベントラー、シュロス・ノイウハウス工場の熱間圧延機に500万ユーロを投資
- 2020.09.04 ベントラー、高品質で効率性の高いインジェクターアセンブリを紹介
会社概要
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- アメリカン・アクスル&マニュファクチャリング
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