ハネウェル
ハネウェルの企業情報
ハネウェル・インターナショナル(Honeywell International Inc.)は、アメリカに本社を置くグローバルメーカーです。
自動車部品、航空宇宙関連製品・サービス、建築業向け制御技術、発電システム、特殊化学製品、繊維、プラスチック、電子・先端素材などを手がけています。
自動車部品メーカーとしては、北米におけるターボ最大手です。
1999年、ハネウェル(Honeywell Inc.)とアライドシグナル(AlliedSignal Inc.)が合併して誕生し、現社名に変更。
2000年10月、アメリカの複合企業であるゼネラル・エレクトリック(GE:General Electric Company)がハネウェルを買収する意向を示しましたが、2001年10月に白紙化しました。
2002年にはInvensys Sensor Systemsを、2003年にはSynsotec Inc.を買収。
2011年にはハネウェルの完全子会社であるEgret AcquisitionがEMS Technologiesを買収。
2014年には摩擦材事業をアメリカの自動車部品メーカーであるフェデラル・モーグル(Federal-Mogul Holdings Corporation)に売却しました。
2015年末時点では、世界70ヶ国に1,250ヶ所以上の拠点を有し、約129,000人の従業員を抱えています。
ハネウェルは主に以下の製品分野を扱っています。
・過給器システム(Charge-air systems)
・サーマルシステム(Thermal systems)
現在は、ターボチャージャーと自動車用新型冷媒「HFO-1234yf」の生産能力の強化などに注力しています。
- 01.売上等の推移(直近3年間)
- 02.事業戦略
- 03.部門構成・部門ごとの方針
- 04.ハネウェルの報道ニュース一覧
- 05.会社概要
売上等の推移(直近3年間)
売上高推移
- ※米国SEC基準会社・国際会計基準会社は、経常利益に当たるものがないため、税前利益を経常利益とみなします。
従業員数推移
2015年における売上高は、385億8,100万ドルで前年比4.3%減となりました。
部門別の売上高は、
- 自動制御部門(Performance Materials and Technologies)が141億9百万円で前年比2.6%減
- 宇宙航空部門(Aerospace)が152億3,700万ドルで前年比2.3%減
- 高性能素材部門(Transportation Systems)が92億3,500万円で前年比9.7%減 となりました。
なお、上記のうち宇宙航空部門に含まれる輸送システム部門の売上高については29億6,100万ドルで、摩擦材事業の売却が影響し、前年から19.1%減少しました。
ハネウェルは2014年3月に発表した経営計画において、2018年の売上高を460~510億ドルに引き上げる目標を掲げています。
事業戦略
事業方針
2014年3月に発表した経営計画において、ハネウェルは2018年の目標売上高を460~510億ドルに設定しました。
2014年からの5年間で買収に100億ドル超を投じることにより、2014年比で70~120億ドルの売上高増加を目指す方針です。
ハネウェルのM&Aや他社との提携に関する動向は以下のとおりです。
- 2014年1月、日本の旭硝子と自動車用新型冷媒「HFO-1234yf」の供給提携契約を締結。
同製品はハネウェルとデュポンが共同開発したもので、旭硝子が千葉県の工場で独自製法により生産し、ハネウェルがアメリカ・ヨーロッパ・アジアに供給。 - 2014年6月、TPCのブタジエン生産技術「OXO-D」のライセンサーとして、UOPが独占的に他社に提供する契約に合意。同製品はタイヤなどに使用する合成ゴムの主要材料。
なお、TPCとUOPは両者ともハネウェル傘下の企業。 - 2014年7月、ドイツ・ルーマニア・中国に主要拠点を設置していた摩擦材事業の大部分を、アメリカの自動車部品メーカーであるフェデラル・モーグル(Federal-Mogul Holdings Corporation)に1億5,500万ドルで売却したと発表。
売却したのはヨーロッパ・中国・ブラジルの拠点で、2013年10月にルーマニアに開所した敷地面積1万4千平方メートルの新工場も対象。なお、アメリカの拠点は対象外。
注力分野
ハネウェルは、2019年までにターボチャージャーの需要が世界的に(特に中国と北米で)増加すると見込んでおり、同製品の生産能力の強化を図っています。
特に中国における生産拠点の能力強化を図っており、2014年9月には湖北(こほく)省武漢(ぶかん)市に新たな生産拠点を設置しました。
また、旭硝子と供給提携契約を締結した自動車エアコン用冷媒「HFO-1234yf」についても生産能力の増強を図っており、本国アメリカのルイジアナ州に3億ドルを投じて新工場を建設する計画を発表しました。
なお、当初の発表によれば、同工場は2016年にフル稼働となる予定です。
技術動向
2015年末時点で、ハネウェルは本国アメリカを含む4ヶ所に研究開発拠点を有しています。
下記は、ハネウェルの研究開発活動の一例です。
・シボレーにターボチャージャーを納入
シボレー(Chevrolet)の「Cruze Clean Turbo Diesel」の2014年モデルに、ターボチャージャーを納入していると発表。
ハネウェル製品を搭載することにより、同モデルの2.0Lディーゼルエンジンは148馬力を達成し、時速60マイルまでの加速時間9秒未満を実現。
・ホンダの「Amaze」向けターボチャージャーを開発・生産
「Amaze」はホンダがインドで初めて発売するコンパクトセダンで、ハネウェルのウエストゲートタイプのターボチャージャーを1.5L i-DTECディーゼルエンジンに採用。
・2014年に100種以上のターボチャージャー新製品を公開する計画を発表
2014年2月のプレスリリースによれば、乗用車・商用車のガソリン、ディーゼル、天然ガス、ハイブリッド用パワートレインに100種類以上のターボチャージャーを納入。
これらの製品には20以上の新技術が用いられる予定で、計画発表時点で着手している500超のターボチャージャーのプログラムによる製品についても数年で発売される見込み。
・ホンダから「Best Support In New Model Development Start-Up」を受賞
ハネウェルのインド子会社であるHoneywell Turbo Technologies Indiaが、同社のウエストゲートタイプの1.5Lディーゼルターボエンジン向け部品の品質・納入を評価され、同賞を受賞。
・ナイロン樹脂「Aegis H55WC」を発表
同製品はハネウェルの樹脂・科学部門(Resins and Chemicals)が発表した、工業・民生製品に用いるケーブルや電気配線を保護するナイロン樹脂。
グリース・石油・ガスに対する高い保護性能、高衝撃体制・耐摩耗性・耐切創性を持つ製品。
米国保険業者安全試験所に認定され、自動車部品にも使用可能。
・「HFO-1234yf」の本格生産を開始
同素材は地球温暖化係数(GWP)を低減するもの。エアゾール噴射剤、絶縁材料、空調用冷媒として用いられる素材で、ハネウェルは「ソルスティス(Solstice)」シリーズとして販売し、自動車エアコン用冷媒は「ソルスティスyf(Solstice yf)」として展開。
・フォルクスワーゲンのエンジンに可変ジオメトリーターボチャージャーが採用
同製品を採用したのは、フォルクスワーゲン(VW:Volkswagen)がインドで設計・開発した新型1.5L TDIディーゼルエンジン。
ハネウェル製品を採用することで空間効率が30%向上。また、小型化ディーゼルターボチャージャーを採用したエンジンは、出力が同等の従来品と比較すると、最大40%の燃費向上・排ガス低減を実現。
なお、フォルクスワーゲンの「Polo」と「Vento」、シュコダ(Skoda)の「Rapid」が同製品を搭載。
・2015年上海モーターショーの展示モデル50台超にターボチャージャーが採用
ハネウェル製品を採用した完成車メーカーは、奇瑞汽車(Chery)、プジョー(Peugeot)、華晨汽車(Brilliance)、江淮汽車(JAC)、上海汽車(SAIC)など。
・「TwoStage」可変ノズルタービン(VNT)ターボチャージャーシステムを発表
同製品は2種類のサイズのVNTターボを用いたディーゼルエンジン向けシステムで、小型高圧ターボをエキゾーストマニホールドの上段に、大型低圧ターボを下段に配置したもの。
全車速範囲で応答性を向上させ、燃費向上・排気削減に寄与する製品。
・電動アシストを用いた最新のターボチャージャー技術を展示
2015年9月のフランクフルトモーターショーで以下の技術を展示。
- タービン側に電気モーターを取り付けることでエンジンへのエア供給速度を向上させる「E-チャージャー(E-Charger)」
- ホイールの排気エネルギーを発電機に回送させる「E-ターボコンパウンディング(E-Turbo Compounding)」
- 電気エネルギーを周辺機器に(ハイブリッドではクランクシャフトに)供給する「フル電動ターボ(Full electric turbo)」
- 水素燃料電池セルにエアを押し出す働きを持つ「燃料電池向け電動エアコンプレッサー」
・「PTM6000」を開発・販売開始
同製品は、日本法人のハネウェルジャパンが開発し、販売を開始した半導体製造用先進放熱材料。
発生熱の伝達と放出への性能が高められており、ハイパワー型の車載機器モジュールなど、長期的な熱安定を図るために有効とされる製品。
グローバル展開
2015年末時点で、ハネウェルは世界70ヶ国に1,250ヶ所を超える拠点を有しています。
生産拠点については本国アメリカのほか、メキシコ、ブラジル、フランス、イギリス、アイルランド、イタリア、ルーマニア、中国、インドなどに設置。
研究開発拠点はアメリカ、インド、中国、ヨーロッパに計4ヶ所設置されています。
○新興国をはじめとした海外における取り組み
■中国での取り組み
- 2014年9月、中国におけるターボチャージャーの需要増加に対応するため、湖北(こほく)省武漢(ぶかん)市に同製品の生産工場を設置。
この取り組みにより、中国におけるターボチャージャーの生産能力が従来の3倍に増加。
なお、同社は上海に工場と研究開発拠点を1ヶ所ずつ保有。
■日本での取り組み
- 2013年7月、日本法人のハネウェルジャパンが、自動車エアコン用冷媒「ソルスティスyf(Solstice yf)」を可搬型タンクに充填する設備を千葉県に設置。
日系完成車メーカーの国内工場とタイ工場に出荷。 - 2015年6月、「ソルスティスyf」が「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律(フロン排出規制法)」の規制対象外として認可されたとハネウェルジャパンが発表。
これにより「ソルスティスyf」はノンフロンカテゴリー製品となり、ノンフロンマークを使用することが可能。
部門構成・部門ごとの方針
ハネウェルは2014年12月期に、技術の類似性や共通のビジネスモデルを活用することを目的とし、輸送システム部門(Transportation Systems)を宇宙航空部門(Aerospace)に統合しました(摩擦材事業の売却も統合理由の1つ)。
これにより、現在は以下の3部門で事業体制を構築しています。
- 自動制御部門(Performance Materials and Technologies)
- 宇宙航空部門(Aerospace)
- 高性能素材部門(Transportation Systems)
ハネウェルの報道ニュース一覧
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会社概要
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