フィアット クライスラー

フィアット クライスラーの企業情報

フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA:Fiat Chrysler Automobiles N.V.)は、イタリアの完成車メーカーであるフィアット(旧:Fiat Group Automobiles S.p.A.)とアメリカのクライスラー(旧:Chrysler Group LLC)が合併して誕生した完成車メーカーです。フィアットとクライスラーの親会社としての機能を持っており、本社はイギリスのロンドンにあります。
なお、フィアットは「FCA Italy S.p.A」に、クライスラーは「FCA US LLC」に、それぞれ社名を変更しています。

フィアットは1899年、イタリアのトリノで設立されました。1900年から乗用車の生産を開始して以降、商用車やトラクター、船舶や航空用エンジンの生産、冶金事業、航空事業など、多角的な事業展開を推進。
1960年~1970年代には、世界各地(アルゼンチン、ブラジル、ポーランド、ロシアなど)で生産拠点の設置を進めました。
1970年頃から90年代前半にかけて、完成車メーカーのアウトビアンキ(Autobianchi)、ランチア(Lancia)、フェラーリ(Ferrari)、アバルト(Abarth)、アルファ・ロメオ(Alfa Romeo)、マセラティ(Maserati)、自動車部品メーカーのマニエッティ・マレリ(Magneti Marelli)を買収しました。
1998年に赤字に転じたフィアットは、2000年にゼネラル・モーターズ(GM:General Motors Company)と提携を結びますが、2005年に解消。リストラやモデルの更新により、2006年に黒字化しました。
2009年、クライスラーへの資本参加を発表し、2011年には農業機械や建設機械を扱っていた産業部門を分社。2014年にクライスラーを完全子会社化し、フィアット・クライスラー・オートモービルズを設立しました。

フィアット・クライスラー・オートモービルズは、2013年末の段階では約23万人の従業員と、世界9ヶ国14拠点に生産拠点を有しています。
2014年に発表した、2018年を目標年とする経営計画(具体的数値目標は世界販売台数700万台、売上高1,320億ユーロ、EBIT90億ユーロ、EBITDA170億ユーロ、純利益50億ユーロ)を達成すべく、現在はジープ(Jeep)のグローバル展開や、アルファ・ロメオやマセラティといった高級車の拡販に向けた取り組みに注力しており、各国の工場の生産能力拡大・設備の拡充などを実施しています。

なお、2015年7月、旧クライスラー・グループのリコール(23件で合計1,100万台以上)への対応に遅れがあったとして、アメリカ運輸省道路交通安全局(NHTSA)はフィアット・クライスラー・オートモービルズに対して1億5百万ドルの罰金を科すと発表しました。
フィアット・クライスラー・オートモービルズはリコール対象車の買い戻し・修理を積極的に行うこと、今後3年間は独立した監査機関による監視を受けることで合意。
修理と買い戻しに2千万ドルを使用しなければならないほか、運輸省道路交通安全局の審決に従わない場合、あるいは新たな不正が発見された場合は1,500万ドルの費用が必要となることが決定しています。

売上等の推移(直近3年間)

売上高推移

連結
  • 11,633,344百万円

2013年度

  • 12,547,760百万円

2014年度

  • 14,819,730百万円

2015年度

経常利益推移

連結
  • 135,072百万円

2013年度

  • 104,922百万円

2014年度

  • 34,706百万円

2015年度

  • ※米国SEC基準会社・国際会計基準会社は、経常利益に当たるものがないため、税前利益を経常利益とみなします。

従業員数推移

連結

2014年における売上高は960億9千万ユーロで前年比10.9%増となりました。
また、EBITは32億2,300万ユーロで前年比7.4%増、EBITDAは81億2千万ユーロで前年比6.3%増、税引前利益は11億7,600万ユーロで前年比15.9%増、純利益は6億3,200万ユーロで前年比67.6%減となりました。

フィアット・クライスラー・オートモービルズは今後の目標として、2018年までに売上高1,320億ユーロ、EBIT90億ユーロ、EBITDA170億ユーロ、純利益50億ユーロにそれぞれ引き上げることを目指しています。

事業戦略

事業方針

2014年、フィアット・クライスラー・オートモービルズは新たな5ヶ年経営計画を発表し、利益率の向上と世界販売台数の拡大を目指す方針を示しました。
具体的には、2018年までに世界販売台数700万台、売上高1,320億ユーロ、EBIT90億ユーロ、EBITDA170億ユーロ、純利益50億ユーロを目標としています。この計画に必要となる投資資金を調達するため、グループ傘下のフェラーリ(Ferrari)を分離独立する考えです。
また、以下のように、地域ごとにも2018年を目標年とした戦略を掲げています。


・NAFTA(カナダ、メキシコ、アメリカ)

売上高670億ユーロ、EBIT率6~7%、販売台数310万台を目標としています。販売目標は、ジープ(Jeep)、クライスラー(Chrysler)の強化と、アルファ・ロメオ(Alfa Romeo)のアメリカ市場再参入によって達成する方針です。

・南米

売上高150億ユーロ、EBIT率10%、ブラジルを中心に販売台数130万台を目標としています。SUV(Sport Utility Vehicle,スポーツ用多目的車)市場が成長しているブラジルに、ジープを本格的に展開させる方針です。また、フィアット(Fiat)ブランドについても新規3モデルの投入と、既存5モデルの更新を予定しています。

・EMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカ)

売上高270億ユーロ、EBIT率2~3%、販売台数150万台を目標としていますが、まずは2016年の黒字化を目指しています。また、2018年までに完成車工場の稼働率を100%に引き上げる予定です。

・アジア・オセアニア

売上高110億ユーロ、EBIT率10%、中国とインドを中心に販売台数110万台を目標としています。具体的には中国で85万台、インドで13万台を目指します。中国では2014年~2018年までのあいだに13モデルの更新と新規投入を予定しているほか、乗用車組立、エンジン、トランスミッションの各工場を増強させる方針です。インドにおいても2018年までに12モデルの更新と新規投入を予定。乗用車とトランスミッションの生産能力を拡大させる方針です。

この5ヶ年計画では、2018年までにアルファ・ロメオの8つのモデルを更新・新規投入することも明記されており、差をつけられているドイツ高級ブランド車に追いつきたい考えです。

他社との提携に関しては、2014年にルノー(Renault)と商用車バンの完成車共有で合意しており、2016年の第2四半期から、ルノーからフィアットにスクード(Scudo)が供給される予定です。
また、三菱自動車とは中型ピックアップトラックの車両開発・生産(三菱自動車によるOEM供給)で協力関係を構築。2017年の投入が予定されています。

注力分野

フィアット・クライスラー・オートモービルズは、2014年~2018年を期間とする5ヶ年計画で示した、売上高1,320億ユーロ、EBIT90億ユーロ、純利益50億ユーロなどの目標達成に向け、「ジープ(Jeep)のグローバル展開」や「高級ブランド車の拡販」などに注力しています。


○ジープのグローバル展開

2014年に発表した5ヶ年の経営計画では、2018年にジープの世界販売台数を190万台に引き上げる目標を掲げています。関税障壁の問題を取り除くため、現在、現地生産化を進めており、2013年の段階では北米4工場で5車種だった生産体制を、2018年までに世界6ヶ国で6車種に増強する予定です。
アメリカを除くと、すでにイタリア、ブラジル、中国、インドでジープの量産を開始、あるいは量産体制の構築に着手しています。販売面においては、特にアジア地域を重視しており、2018年までに販売店を1,270拠点に増やす考えを示しています(2013年時点では396拠点)。
中国市場に対しては、2018年までに新規モデルとマイナーチェンジモデルの計13車種を投入する方針で、ジープをその中核に位置づけています。
なお、2014年には世界販売台数100万台を超えました。

○高級車ブランドの拡販

特にアルファ・ロメオ(Alfa Romeo)とマセラティ(Maserati)の拡販を目指しています。
アルファ・ロメオについては、新製品の開発と工場に対して50億ユーロの投資を計画しており、2018年までに8車種の新規モデルを投入する方針です。2018年の目標販売台数を40万台としていますが、8車種のうち7モデルの投入時期が2016年以降と遅めに予定されているため、目標達成は厳しいという見方もあります。
マセラティについては、2018年の販売台数7.5万台を目標としています。2013年の段階で4車種を展開していましたが、これを6車種に増やし、高級車市場の需要をすべてカバーしたい考えです。

技術動向

フィアット・クライスラー・オートモービルズは、2015年~2017年の研究開発と生産計画の支援として、欧州投資銀行から6億ユーロの融資を受けることを発表しています。
支援対象となる研究開発活動は、イタリアのトリノとモデナで行われるエンジンの燃費改善、車両の安全性・快適性の向上、新型プラットフォームの開発などです。

下記は、フィアット・クライスラー・オートモービルズの研究開発活動の一例です。


・IFCI(Israel Fuel Choices Initiative)との技術開発提携を検討

2013年末のイタリア政府とイスラエル政府による車両のための代替燃料についての研究開発協力の宣言を受け、フィアット・クライスラー・オートモービルズは、イベコ(Iveco)、マニエッティ・マレリ(Magneti Marelli)とともに覚書を取り交わしたと発表。IFCIとは、イスラエル政府による、石油の代替となる燃料の開発を推進する10年間のプログラム。

・天候試験設備に250万ドルを投資し設備を刷新

クライスラー・テクノロジーセンターにおいて、さまざまな環境条件をシミュレートした、新型ダイナモメーター(動力計)の室内実験を実施。実験室はマイナス40度、風速100マイル、エアインテークに雪が積もるブリザードのような状態といった環境の再現が可能。

グローバル展開

フィアット・クライスラー・オートモービルズは、主に南米を中心に海外事業を展開していますが、現在はインドや中国といったアジア地域、北米における自動車の現地生産化も推進しています。


○新興国をはじめとした海外における取り組み

■ブラジルでの取り組み
  • 2015年、ジープ・レネゲード(Jeep Renegade)を生産する新工場を稼働。同施設は、フィアット・クライスラー・オートモービルズ発足後初となるグローパル工場。
■中国での取り組み
  • 2013年に広州モーターショーで新型車オッティモ(Ottimo)を発表し、2014年に生産・販売を開始。オッティモは中国における現地生産モデルの第2弾。
■インドでの取り組み
  • 2014年、SUV(Sport Utility Vehicle,スポーツ用多目的車)テイストのアッヴェントゥーラ(Avventura)の販売を開始。
  • インドの完成車メーカーであるタタ(Tata)との合弁工場に、2億8千万円を投資すると発表。2017年に新型ジープの生産開始を予定。

会社概要

社名 フィアット クライスラー ジャパン
設立年 2012年7月
本社所在地 〒108-0014 東京都港区芝 5-36-7 三田ベルジュビル
代表取締役 ポンタス ヘグストロム

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