富士通テン

富士通テンのハイライト

富士通テンは、兵庫県に拠点を置く富士通グループ傘下の、カーナビ、ドライブレコーダー、カーオーディオなど自動車電子機器を製造する自動車部品メーカーです。
市販市場向けにはECLIPSE(イクリプス)ブランドでカーナビ、カーオーディオ、スピーカーなどを展開しています。

富士通テンの前身は、1920年に創立された機械製造メーカー、川西機械製作所。戦後の企業債権整備計画によって、神戸工業などの第二会社を設立した後に川西機械製作所は解散。1968年に神戸工業が富士通と合併し、1972年、富士通のラジオ部門が分離・独立して富士通テンが設立されました。

翌1973年、トヨタ自動車工業(現トヨタ自動車)と日本電装(現デンソー)が資本参加。同年、トヨタ自動車工業に安全ベルト制御、排ガス制御用電子機器の納入を開始します。

1983年、世界初となる車載CDプレイヤーを発表。翌1984年、 盗難防止機器をトヨタ自動車に納入開始。

1987年、中津川テンを吸収合併。1988年にアメリカ市販市場向けにカーオーディオの新シリーズ「ECLIPSE」(エクリプス)を発売しました。
翌1989年、世界初の車載用DSPサウンドプロセッサ(デジタル技術で信号を処理するDSP[デジタルシグナルプロセッサー]技術で、車室内をコンサートホールやライブハウスなど実際の演奏会場に近い状況にする装置)を開発。1990年、 本社工場内に「音響開発センター」を開設。

1994年、世界初となる車載用のマルチメディアプレーヤ「CAR MARTY」、車間距離警報装置「レーザーアラーム」発売。1996年、ヨーロッパでカーオーディオの生産を開始。
1997年、世界初の1DINサイズ(ドイツ工業規格のことであり、カーオーディオの多くがこのサイズを採用している。1DINと2DINがある)6枚CDチェンジャーをトヨタ自動車に納入開始。1999年、世界最小の76GHZ帯自動車用スキャン型ミリ波レーダーを開発。

2000年、車戴用DVDシステムで世界初となる、ハース効果(人が音を聴く際、先に音が聞こえた方向に音の定位を感じること)を応用した車載用5.1ch再生システムを新開発。
また同年、こちらも世界初のDVDナビゲーションとオーディオビジュアルを2DINサイズに集約した「DVD-AVN」を発売しました。

2003年、通信機能によって地図などの情報を取り込めるカーオーディオ「i-audio」を発売。2004年、車載用TVアンテナとGPSアンテナをフィルム型に統合した「TV/GPS一体型フィルムアンテナ」を開発します。

2010年、車両の周囲をさまざまな視点から立体的な俯瞰映像で確認できる「マルチアングルビジョン」を開発。トヨタへの納入を開始します。

2012年、国内マーケット事業拡大のため、国内3つの販売子会社を統合し、富士通テン販売を設立。2014年には、国内の生産拠点である中津川工場と栃木富士通テンを統合し、富士通テンマニュファクチュアリングを設立しました。

○提携関係
・アルパイン
2014年、カーナビ、カーオーディオ製品メーカーのアルパインと、カーナビなど車載機器の基本ソフト(OS)「アンドロイド」の共同開発を行うことを発表。両社の非競争領域であるOSの開発を共同で行うことで開発効率の向上を目指す。
2016年~2017年を目処に、共同開発したOSを両社の製品に搭載していく計画。

・Valeo(ヴァレオ)
2013年、フランスに拠点を置く自動車部品メーカー、ヴァレオと、自動車の先進安全システムの開発に関して提携を発表。
富士通テンのミリ波レーダー(波長が1~10mm程度、周波数が30G~300GHz[ギガヘルツ]のミリ波を放射し、その反射波を測定・分析することで対象物との距離や大きさを計測するシステム。測定可能距離は100~200m)とヴァレオの前方カメラを組み合わせることで、天候や時間帯などに左右されず、高い精度で車道の障害物を検知する技術の共同開発に取り組む計画。

売上等の推移(直近3年間)

売上高推移

連結
  • 249,190百万円

2011年度

  • 246,411百万円

2012年度

  • 303,376百万円

2013年度

従業員数推移

連結

富士通テンの2015年度の中間決算は以下のとおりです。

  • 売上高(連結) 1770.6億円(前年同期比13%増)
  • 経常利益 2.7億円(同0.1%減)
  • 営業利益 11.2億円(同0.3%増)
  • 損益 21.8億円(同0.2%増)

北米での自動車販売の好調と円安効果によって、売り上げは4年連続の増収となりました。一方で、インド、インドネシア工場の本格稼働に伴う設備費などの増加によって、経常利益は大幅減となりました。

また、北米を中心とする海外での増収に伴い、支払い税額が増えたことで昨年に続いて赤字の計上となり、今後、収益構造を改めることが課題となっています。

事業戦略

事業方針

2015年3月期決算が赤字となった富士通テン。アルパインとのカーナビ・ソフトのプラットフォーム共通化などを目指した提携などによって収益力を強化するなど、徹底した原価低減などの構造改革を推進。2016年3月期には黒字転換を目指しています。

注力分野

○ミリ波レーダー装置の生産能力増強

  • 2014年、生産子会社の富士通テンマニュファクチュアリングの生産能力を増強すると発表。生産するミリ波レーダーの生産数を、2015年に現状の1万台から3万台まで引き上げ、2018年3月期までに500億円の売り上げを目指す計画。

○国内生産体制を刷新

  • 2014年、中津川工場と、100%子会社でカーナビなどを製造する栃木富士通テンを統合し、新たに富士通テンマニュファクチャリングを設立。国内の生産機能をこの新会社に集約し、独立させることで経営の柔軟性や迅速化を高めることが狙い。
    新会社は、2017年3月期に売上高508億円を目指す。

技術動向

○新製品開発

・車載向けクラウド情報サービスを開始

2014年、富士通テンは、車載向けのクラウド情報サービス「フューチャーリンク」を開始すると発表。
「フューチャーリンク」は、富士通のクラウドサーバーを経由し、交通状況や天気予報などの情報の配信をはじめ、音楽やSNSなどのサービスを提供するというもの。この“つながる”サービスを充実させることでカーナビの付加価値向上を目指す。

・車載用の軽量スピーカーを新開発

燃費向上のためあらゆる部品で軽量化が求められる自動車業界で、2015年、音質を維持しながら従来比で30%質量を削減した車載用のスピーカーを開発。
スピーカーは、車両の多くに標準装着される口径16cmサイズのもの。ネオジム磁石を使用したタイプと、フェライト磁石を使用したタイプの2種類。
同製品はすでに国内の完成車メーカーに採用。今後も国内外の完成車メーカーへ提案していく計画。

・車体を透過したような映像表示の新機能を開発

富士通テンが2010年に発表した「マルチアングルビジョン」。
これは、車両に取り付けたカメラで撮影した映像を合成し、車両周囲360度の立体的俯瞰映像と、3次元CGで描画した車両の画像を表示するというもの。

2015年、この画面に新たに、ドライバー視線で車体を透過して見たような車両周囲の映像を表示する機能を追加。これまでの映像では確認しづらかった運転席から死角となる場所の、特に背の低い物体に気付きやすくなるとしている。
この新画面を用いて、トヨタ自動車と共同で、トヨタの新型「アルファード」、「ヴェルファイア」のパノラミックビューモニターの「シースルービュー」機能を開発した。

・安全運転を支援する業務用ドライブレコーダー新発売

2015年、富士通テンは、走行中に撮影した画像の中から、事故につながりかねない瞬間の画像を自動で抽出する画像自動解析機能を初搭載したドライブレコーダーを新発売。画像が記録された地点とその要因を、強調して表示する。

また、自車両と車線までの距離を計測する「ふらつき(車線逸脱)検知機能」や、前方車両との車間距離を計測する「車間距離検知機能」などの機能も新たに搭載。ドライバーの運転特性を分析することで、安全運転指導・教育に活用できるとしている。
ドライブレコーダー専用モデルと、デジタコ(自動車の走行時間や走行速度などの記録を自動的に記録し保存するシステム)搭載モデルの2タイプがある。

・カーナビシステム「AVN」新モデル9機種発表

2015年、通信ユニット内蔵で、月に1度、全国すべての道路情報が自動更新される「SZシリーズ」をはじめ、Wi-Fiで最新施設データを使ったナビゲーションができる「Zシリーズ」、比較的低価格で初心者向けのモデル「AVN Liteシリーズ」の3シリーズ、各3機種を発表。

・「クラウド型タクシー配車システム」を新開発

2015年、タクシーの配車を管理する機能をクラウドのセンターに集約するクラウド型タクシー配車システムを新たに開発したと発表。それまでタクシー会社ごとに所有していたサーバが不要になることで、設備費用の低減や時間短縮に貢献するなどとしている。

また、位置に紐付けられた気象情報や鉄道の運行情報、イベント開催情報などのビッグデータと連携。タクシーの需要を予測するために役立つ情報を分析し、計画的な車両配置が実現するサービスを、順次提供していく計画。


グローバル展開

富士通テンは現在、新興国を中心にしたグローバル展開を進めています。現地生産体制の確立などによって事業基盤を強化するとともに、コストダウンしつつもニーズに合致した商品の投入を積極的に進める計画です。


○インドネシア

  • 2012年、インドネシア・西ジャワ州に、カーオーディオ関連製品および自動車用電子制御機器の製造会社、富士通テン・マニュファクチャリング・インドネシア(PT. FUJITSU TEN MANUFACTURING INDONESIA)を設立。2013年より稼働。
  • 2012年、インドネシア・ジャカルタにある現地の販売代理店、アヌグラ・ファロファ・エレクトリンド(PT Anugrah Valova Electrindo、AVE)との合弁による販売会社、富士通テンAVEインドネシア(PT. FUJITSU TEN AVE INDONESIA)を設立。2015年度に100億円の売上を目指す。

○インド

  • インドの大手自動車部品メーカー、NKミンダグループ(NK MINDA Group)と、カーナビやカーオーディオ製品を製造する合弁会社、富士通テン・ミンダ・インド(Fujitsu Ten Minda India Pvt. Ltd.)をインド・デリーに設立。2013年から生産を開始。
    また、これらの製品を販売する合弁会社、ミンダFテン(Minda F Ten Pvt. Ltd.)も設立。カーオーディオ関連製品のマーケティングや販売、アフターサービスを担う。

会社概要

社名 富士通テン株式会社
設立年 1972年10月25日
本社所在地 〒652-8510 神戸市兵庫区御所通1丁目2番28号
市場名 非上場
代表取締役 山中 明
資本金 5,300百万円

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