クノールブレムゼ

クノールブレムゼの企業情報

クノールブレムゼ(Knorr-Bremse AG)は、中型・大型商用車用エアブレーキシステムの世界最大手である、ドイツの自動車部品メーカーです。
ブレーキのほか、内燃機関用ねじれ振動ダンパーなどの開発・生産・販売も行っています。

1905年、ジョージ・クノール氏によって設立。
1910年から1924年にかけて、貨物列車用エアブレーキの分野におけるリーディングカンパニー的地位を確立しました。

1985年頃からアメリカのブレーキ市場へ参入。グローバル化を加速させました。
1997年、Turkey's Orsan Yedek Parca Sanayi ve Ltdとのジョイントベンチャー企業、Knorr-Orsan Ticari Arac Sistemleri LtdがトルコでCorluを設立。
1998年、Knorr-Bremse Systeme für Nutzfahrzeugeがロバート・ボッシュ(Robert Bosch GmbH)の商用車用ブレーキ部門と合併すると発表。
1999年にはハンガリーに研究開発を設立しました。

2000年、アメリカのシカゴに新工場を設置したほか、Bosch Braking Systemsとの合弁会社であるKC Truck Brake Systemsの持ち株比率を35%から80%に引き上げました。
2002年、ハネウェル(Honeywell International Inc.)からヨーロッパとブラジルの合弁会社を買収。
2007年、ロシアのトラックメーカーであるカマズ(KAMAZ)と、トラック用ブレーキシステムを生産する合弁会社を設立することで合意。
2008年、タイヤ空気圧のワイヤレス計測システムを手がけるSmarTireと、イートン(Eaton)のVORADテクノロジー事業部を買収しました。

2011年、重慶卡福汽車制動轉向系統(Chongqing CAFF Automotive Braking & Steering Systems Co. Ltd.)と、商用車用ブレーキシステム部品およびパワートレイン部品を手がける合弁会社、克諾尓卡福商用車系統(重慶)有限公司(Knorr-Bremse CAFF Systems for Commercial Vehicles Chongqing Ltd.)を設立。
2014年、風電子科技股份(Dongfeng Electronic & Technology Co., Ltd.)と合弁会社の東科克諾爾商用車制動技術有限公司(Knorr-Bremse DETC Commercial Vehicle Braking Technology Co., Ltd.)を設立しました。

2014年末時点では、世界29ヶ国に100ヶ所の製造拠点を有し、約24,000人の従業員を抱えています。
事業体制は以下の2部門で構成されています。
・商用車用システム部門(Commercial Vehicle Systems)
・鉄道車輌システム部門(Rail Vehicle Systems)

現在は、新興国市場における走行安全関連事業への参入や、先進国におけるブレーキ関連部品の軽量化・エネルギー効率化技術の導入に注力しています。

売上等の推移(直近3年間)

売上高推移

連結
  • 781,354百万円

2015年度

  • 671,367百万円

2016年度

  • 833,753百万円

2017年度

経常利益推移

連結
  • 73,432百万円

2013年度

  • 108,942百万円

2014年度

  • 130,918百万円

2015年度

  • ※米国SEC基準会社・国際会計基準会社は、経常利益に当たるものがないため、税前利益を経常利益とみなします。

従業員数推移

連結

2014年における売上高は、52億600万ユーロで前年比21.0%増となりました。
また、純利益は5億6,000万ユーロで前年比52.7%増となりました。

部門別の売上高は、

  • 商用車用システム部門(Commercial Vehicle Systems)が22億2,770万ユーロで前年比7.6%増
  • 鉄道車輌システム部門(Rail Vehicle Systems)が29億8,200万ユーロで前年比32.7%増

となりました。

上記のうち、商用車用システム部門の売上高が増加した理由の一例として、下記が挙げられます。

  • ヨーロッパの大手商用車メーカーとブレーキ制御システムの長期供給契約を締結したこと
  • 北米におけるベンディックス(Bendix)ブランドの売上高が10億ドルを超え、過去最高を記録したこと
  • ブラジルで商用車にアンチロック・ブレーキシステム(ABS:Anti-lock Brake System)の装着が義務付けられたこと
  • 日系商用車メーカーに対する電子制御ブレーキシステム(EBS:Electronic Braking System)システムの供給が決定したこと

事業戦略

事業方針

クノールブレムゼは2015年6月、ドイツのミュンヘンに設置する研究開発拠点のインフラ整備に、2017年までに約10億ユーロを投じる計画を発表しました。商用車用システム部門(Commercial Vehicle Systems)と鉄道車輌システム部門(Rail Vehicle Systems)の連携を強化するのが狙いの1つです。
また、2017年までに鉄道車輌システム部門の生産関連サービスを、ミュンヘンからほかの拠点(ハンガリーや中国など)に移管する計画も示しています。

クノールブレムゼの他社との提携に関する同校は以下のとおりです。

  • 2011年1月、重慶卡福汽車制動轉向系統(Chongqing CAFF Automotive Braking & Steering Systems Co. Ltd.)と合弁会社、Knorr-Bremse CAFF Systems for Commercial Vehicles Chongqing Ltd.を設立。
    同合弁会社はエアドライヤーやバルブなどのブレーキ部品と、トランスミッション部品やクラッチ制御部品を手がける。
  • 2014年5月、東風電子科技股份(Dongfeng Electronic & Technology Co., Ltd.)と、商用車用ブレーキシステム一式を手がける合弁会社を設立すると発表。2014年7月に合意し、クノールブレムゼの出資比率は51%。

中国の湖北(こほく)省に設置された同合弁会社は、中型・大型トラック向けアンチロック・ブレーキシステム(ABS:Anti-lock Brake System)、エアディスクブレーキ、ブレーキバルブ、トランスミッション、排気ブレーキ部品などを生産する。

技術動向

2014年末時点で、クノールブレムゼは本国ドイツのほか、ハンガリーに主要な研究開発拠点を設置しており、世界で3,176人の従業員が研究開発活動に携わっています。

下記は、クノールブレムゼの研究開発活動の一例です。

・ドイツのミュンヘンに研究開発拠点を設置すると発表

2014年3月に発表。同センターには商用車用システム部門(Commercial Vehicle Systems)と鉄道車輌システム部門(Rail Vehicle Systems)の試験・開発機能が集約され、世界各国の基準に対応するブレーキシステムを開発する設備を備える。
投資額は約9千万ユーロで、面積は約1万7千平方メートル。

・フレイトライナーに「SmarTire」が採用されたと発表

「SmarTire」は、子会社のBendix Commercial Vehicle Systemsが手がけるタイヤ空気圧モニタリングシステムで、これが大型トラックメーカーであるフレイトライナー(Freightliner)の「Cascadia」と「Cascadia Evolution」に標準搭載されたと発表。

同製品は、タイヤ内部のホイールに搭載されたセンサーがタイヤの温度と空気圧を測定し、ダッシュボードに表示することで、走行中、空気圧と温度をリアルタイムでドライバーに伝えることが可能。

・ナビスターがクノールブレムゼ子会社を「Diamond Supplier」に認定

大型トラックメーカーのナビスター(Navistar)が、クノールブレムゼの子会社であるBendix Commercial Vehicle Systemsを「Diamond Supplier」に認定。 ナビスターは2015年、同子会社が手がける衝突緩和システム「Bendix Wingman Fusion」を、北米のトラックメーカーとして初めて搭載した。

・空気式ブースターシステムを開発

圧縮エアシステムからエアをインテークマニホールドに短時間噴射することで、瞬時に最大トルクに到達するシステム。
また、加速力が大幅に向上することで、エンジンのダウンサイジングもしくはダウンスピーディングが実現し、燃費の向上に寄与する。

・商用車の制動距離を短縮

自動運転の達成に寄与するものとして、先行開発ベースで商用車の制動距離を短縮。最大ブレーキトルクを増加させず、各部品の最適化とシステム内の連携を向上させることによって実現。
時速85kmで走行する40トントラック(フル積載)の制動距離を、小型乗用車と同程度まで短縮した。

・ABSとEBSの統合を検討

アンチロック・ブレーキシステム(ABS:Anti-lock Brake System)と電子制御ブレーキシステム(EBS:Electronic Braking System)を統合したモジュールを、次世代ブレーキコントロールシステムのコンセプトとして検討。

・トランスミッションコントロールシステムを量産化

ゼット・エフ(ZF)の全自動ギアシフトシステムと組み合わせて、クノールブレムゼが開発したトランスミッションコントロールシステムを量産化。
同製品は、電子制御部分、エアモジュール部分、センサーユニット部分を組み合わせるモジュラー構造であるため、故障した場合、それぞれの部分を交換するだけで修理することが可能。

グローバル展開

2014年末時点で、クノールブレムゼは世界29ヶ国に100ヶ所の製造拠点を有しています。 製造拠点と研究開発拠点が設置されているのは本国ドイツのほか、イギリス、フランス、イタリア、オランダ、スペイン、ハンガリー、ポーランド、トルコ、アメリカ、カナダ、ブラジル、日本、中国、オーストラリア、インド、韓国などの国々です。

○新興国をはじめとした海外における取り組み

■ブラジルでの取り組み
  • 2013年4月、ブラジルの商用車用システム部門(Commercial Vehicle Systems)と鉄道車輌システム部門(Rail Vehicle Systems)向けに開発・生産・販売を行う新工場を設置。投資額は4千万ユーロで、面積は3万2千平方メートル超。

同拠点は既存のサンパウロ工場を引き継ぐ、従来より約30%生産能力を増強した工場。生産品目の約7割を商用車用システム部門の製品が占め、ブレーキ制御システム、アンチロック・ブレーキシステム(ABS:Anti-lock Brake System)、エアサプライシステム、ブレーキシリンダー、ディスクブレーキ、ドラムブレーキ、トーショナルダンパーなどを、クノールブレムゼの全製品を扱う。

■オーストラリアでの取り組み
  • 2013年12月、ニューサウスウェールズの既存4工場を集約する形で、グランビルに新拠点を設置したと発表。オフィスと生産スペースの合計は1万6千平方メートルで、投資額は2,500万ユーロ。
    同拠点では、ブレーキシステム、ドア、HVAC(Heating,Ventilation,and Air Conditioning,冷暖房空調設備)製品を生産する。
■ハンガリーでの取り組み
  • 2014年3月、商用車用システムの生産工場と試験センターを、ケチケメートに設置したと発表。投資額は2千万ユーロで、面積は2万5千平方メートル。
    同拠点は、商用車用ブレーキ部品の開発・生産を担当する。

部門構成・部門ごとの方針

クノールブレムゼは商用車用システム部門(Commercial Vehicle Systems)と鉄道車輌システム部門(Rail Vehicle Systems)の2部門を展開しています。
上記のうち、自動車部品を手がけているのは商用車用システム部門で、以下の製品分野が含まれます。

  • ダンパー
  • コンプレッサー
  • エンジンエア
  • エア処理
  • トランスミッション制御
  • 電子制御システム
  • バルブ
  • ディスクブレーキ
  • ドラムブレーキ
  • アクチュエーター

なお、商用車部門は下記の4ブランドで事業を展開しています。

  • Knorr-Bremse
  • ベンディックス(Bendix)
  • ハッセ・ヴレーデ(HASSE & WREDE)
  • ベンディックス・スパイサー・ファウンデイション・ブレイク(Bendix Spicer Foundation Brake LLC)

会社概要

社名 クノールブレムゼ商用車システムジャパン株式会社
設立年 1996年4月
本社所在地 〒350-0269 埼玉県坂戸市にっさい花みず木6-22-1
代表取締役 バチェフスキ ヨアヒム
資本金 390百万円

組織構成や技術開発状況など、ネットに掲載されていない情報 が聞ける。転職についても相談できる。

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  • Anchor Brake Shoe Company
  • bendix commercial Vehicle
  • Hasse&Wrede CVS Dalian China.

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