北京海納川

北京海納川の企業情報

北京海納川汽車部件股份有限公司(BHAP:Beijing Hainachuan Automotive Parts Co., Ltd.)(以下、北京海納川)は、北京汽車集団有限公司(Beijing Automotive Group Co., Ltd.)傘下の自動車部品メーカーを統括する中国の会社です。
北京汽車傘下の完成車メーカーのほか、中国国内の大手完成車メーカーに対して幅広い自動車部品を供給しています。

2008年1月、北京汽車工業控股有限責任公司(BAIC)(現:北京汽車集団)傘下の自動車部品部門の統括会社として正式に設立。
同年10月には、アメリカのボルグワーナー(BorgWarner Inc.)との合弁で、4WDトランスファーケースを生産する子会社、北京博格華納汽車伝動器有限公司(BorgWarner TorqTransfer Systems(Beijing)Co., Ltd.)を設立しました。

2009年6月、アメリカのテネコ(Tenneco Inc.)と排気システムの合弁契約を締結。
2011年8月、サンルーフを手がけていたオランダのInalfa Roof Systems Group B.V.を買収し、完全子会社化しました。

2014年7月、合弁会社の北京北汽模塑科技有限公司(Beijing Beiqi Mould & Plastic Technology Co., Ltd.)が株洲時代新材料科技股份有限公司(Zhuzhou Times New Material Technology Co., Ltd.)からバンパー生産ラインを買収。
同年9月、ドイツのヘラー(HELLA KGaA Hueck & Co.)と合弁会社、北京海納川海拉車灯有限公司(Beijing Hainachuan Hella Automotive Lamp Co., Ltd.)を設立。
同年10月、ドイツのゼット・エフ(ZF Friedrichshafen AG)と共同出資した北汽采埃孚(北京)汽車底盤系統有限公司(Beiqi ZF Chassis Systems(Beijing)Co. Ltd.)の設立式を実施しました。

2014年末時点では、ヨーロッパ、北米、南米、アジアなどに拠点を有しています。
主要製品分野は以下のとおりです。
・モジュール製品
・シート
・内外装トリム
・電子コントロール
・熱交換
・シャシー・その他

現在は、親会社の北京汽車集団有限公司(Beijing Automotive Group Co., Ltd.)が取り組んでいる生産能力の強化に伴い、本国中国国内における拠点の増強に注力しています。

売上等の推移(直近3年間)

売上高推移

連結
  • 672,455百万円

2015年度

  • 814,960百万円

2016年度

  • 875,520百万円

2017年度

  • ※米国SEC基準会社・国際会計基準会社は、経常利益に当たるものがないため、税前利益を経常利益とみなします。

事業戦略

事業方針

2014年1月、北京海納川の総経理が、2020年までの目標売上高を1千億元(約1兆7千億円)とする目標に言及しました。
また、北京汽車集団有限公司(Beijing Automotive Group Co., Ltd.)傘下以外の企業との取引拡大や、外資系自動車部品メーカーとの提携による技術力の向上を図っています。

北京海納川のM&Aや他社との提携に関する動向は以下のとおりです。

  • ダイムラー向けステアリングコラムの供給資格を取得
    2014年4月、北京ブランチ(北京分公司, Beijing Branch)のシャシー部品工場が、北京ベンツ(Beijing Benz)とダイムラー(Daimler)が共同で行うDPA(Daimler Process Audit)審査を通過し、同資格を取得したと発表。

なお、2015年2月にはホイール工場がダイムラーと北京ベンツによる生産プロセス監査と物流審査を、2015年6月には組立溶接事業部の工場がダイムラーによる潜在的サプライヤー審査を、2015年11月にはシャシー工場製ブレーキペダルがDPA審査を通過。
2016年3月には、北京ベンツ向け溶接部品が審査に通過し、正式な製品供給が決定。

  • 2014年5月、ドイツの自動車部品メーカーであるヘラー(HELLA KGaA Hueck & Co.)が、北京汽車集団および北京海納川と技術提携を締結すると発表。ヘラーが北京汽車の独自ブランド車用ランプの初期設計段階をサポートするという内容。
    なお同年9月、北京海納川とヘラーは、自動車用ランプや電子部品を生産する合弁会社、北京海納川海拉車灯有限公司(Beijing Hainachuan Hella Automotive Lamp Co., Ltd.)を設立。
  • 2014年7月、江南模塑科技股份有限公司(Jiangnan Mould & Plastic Technology Co., Ltd.)との合弁会社である北京北汽模塑科技有限公司(Beijing Beiqi Mould & Plastic Technology Co., Ltd.)が、株洲時代新材料科技股份有限公司(Zhuzhou Times New Material Technology Co., Ltd.)のバンパー生産ラインを買収することで合意。
    買収額は3,500万元(約6億1千万円)で、株洲時代新材料の技術者もすべて北京北汽模塑科技に移管。
  • 2014年7月、北京ベンツ(Beijing Benz)と自動車部品生産に関する提携を締結。
    親会社の北京汽車集団は50億元(約871億7千万円)を投じ、天津(てんしん)市武清(ぶせい)区にブレーキ、ステアリング、パワートレインなどの生産拠点を建設。
  • 2014年10月、ドイツの自動車部品メーカーであるゼット・エフ(ZF Friedrichshafen AG)との共同出資による、シャシーとアクスルシステムの生産会社、北汽采埃孚(北京)汽車底盤系統有限公司(Beiqi ZF Chassis Systems(Beijing)Co. Ltd.)の設立式を実施。
    新工場の敷地面積は1万6千平方メートルで、当初の発表では2016年内に稼働開始予定。
  • 2015年6月、韓国の自動車部品メーカーである和信(Hwashin Co., Ltd.)との合弁で、現代自動車の工場に部品を納入する会社、和信海納川(滄州)汽車部件有限公司を設立。
  • 2015年8月、韓国の自動車部品メーカーである現代ダイモス(Hyundai Dymos, Inc.)との合弁会社、北汽岱摩斯(滄州)汽車系統有限公司(BAIC Dymos Automotive System Co., Ltd.)が自動車シート生産工場の建設を開始。
    当初の発表では2016年7月に完工予定で、年間生産能力はシート30万台分。
  • 2015年9月、アメリカの自動車部品メーカーであるジョンソンコントロールズ(Johnson Controls Inc.)と、中国で自動車用バッテリーを生産・販売する合弁会社を設立する了解覚書を締結したと発表。
    両社は、北京汽車集団グループの完成車メーカーなどに対するバッテリー供給で協力。
  • 2016年3月、莱尼電気系統(上海)有限公司(LEONI Electrical Systems(Shanghai)Co., Ltd.)との合弁会社である廊坊莱尼線束系統有限公司(Langfang LEONI Wiring Systems Co., Ltd.)が、河北(かほく)省廊坊(ろうぼう)市で開業式を実施。
    同合弁会社は2013年5月に莱尼電気系統(上海)有限公司の完全子会社として設立されたが、2015年12月に北京海納川が株式を50%取得。

注力分野

北京海納川は、親会社である北京汽車集団有限公司(Beijing Automotive Group Co., Ltd.)が推進している生産能力の強化に伴い、本国中国国内における拠点の増強に注力しています。

○中国国内の拠点増強に関する取り組み

  • 2014年2月、湖南(こなん)省株洲(しゅうしゅう)市の産業パークが完工。敷地面積は20万平方メートルで、投資額は5億5千万元(約95億9千万円)。
    同パークの製品は、株洲での現地部品調達率100%を目指す親会社の北京汽車集団に納入。
  • 2014年6月、親会社の北京汽車集団が山東(さんとう)省濱州(ひんしゅう)市政府と「海納川濱州自動車部品生産プロジェクト」に関する提携契約に調印。
    北京海納川が主体となり、138億元(約2,405億8千万円)を投じて濱州市にエンジンブロックヘッド、クランクシャフト、ピストン、トランスミッションケース、ディファレンシャルケースなどの大型車用部品を生産する工場を設置。
  • 2015年4月、子会社の英納法天窓系統集団(Inalfa Roof Systems Group B.V.)の上海拠点が開業。新工場の面積は1万2千平方メートルで、年間生産能力はサンルーフ80万セット。
    主な納入先は上海GM(Shanghai GM)、フォード・モーター(Ford Motor Company)、ボルボ(Volvo)などの完成車メーカー。
  • 2015年6月、親会社である北京汽車集団の西南地区における事業拡大を補完するため、北京海納川の子会社9社とともに、重慶(じゅうけい)市両江新区に自動車部品工業団地を建設すると発表。
    投資額は21億元(約366億1千万円)で、敷地面積は45万4千平方メートル。
  • 2015年6月、広州(こうしゅう)市環境保護科学研究院が、北京海納川の子会社が広東(かんとん)省増城(ぞうじょう)区に自動車部品産業パークを建設中であると発表。投資額は3億元(52億3千万円)で、敷地面積は21万1千平方メートル。
    発表によれば2016年12月に稼働開始予定で、コックピットモジュールやシートモジュール、バンパーモジュール、排気システム、サスペンションなどを生産する自動車メーカーを誘致する計画。

なお、中国国内の事業に注力した結果として、北京海納川は以下の賞を受賞しています

  • 北奔重汽から4年連続でサプライヤー賞を受賞
    子会社の延鋒偉世通(北京)汽車飾件系統有限公司(Yanfeng Visteon(Beijing)Automotive Trim Systems Co., Ltd.)が、北奔重汽(Baotou North-Benz Heavy-Duty Truck Co., Ltd.)から2013年度優秀賞サプライヤーを受賞。同賞の受賞はこれで4年連続。
  • 北汽股份(株洲)公司からサプライヤー賞を受賞
    子会社の延鋒偉世通(北京)汽車飾件系統有限公司が北汽股份(株洲)公司(Beiqi(Zhuzhou)Co., Ltd.)から2013年度優秀サプライヤー賞を受賞。
  • 「北京ベンツV205特別貢献サプライヤー賞」を受賞
    北京ベンツの2014年度サプライヤー大会で、江南模塑科技股份有限公司(Jiangnan Mould & Plastic Technology Co., Ltd.)との合弁会社である北京北汽模塑科技有限公司(Beijing Beiqi Mould & Plastic Technology Co., Ltd.)が同賞を受賞。
  • 北汽福田からサプライヤー賞を受賞
    子会社の延鋒偉世通(北京)汽車飾件系統有限公司(Yanfeng Visteon(Beijing)Automotive Trim Systems Co., Ltd.)が、北汽福田(Beiqi Foton)から優秀サプライヤー品質賞(最高賞)を受賞。

グローバル展開

2014年末時点で、北京海納川はヨーロッパ、北米、南米、アジアなどに拠点を有しています。

○海外における取り組み

■オランダでの取り組み
  • 2014年4月、北京海納川とオランダのフェンラユ市が、子会社の英納法天窓系統集団(Inalfa Roof Systems Group B.V.)の新本社建設に関して基本合意したと発表(能力センター「Global Competence Center」も建設)。
    2014年12月には新工場の鍬入れ式を実施。

会社概要

社名 北京海納川汽車部件股份有限公司
設立年 2008年1月1日
本社所在地 100021 北京市朝陽区東三環南路25号
代表取締役 韓永貴
資本金 47,456百万円

組織構成や技術開発状況など、ネットに掲載されていない情報 が聞ける。転職についても相談できる。

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