
アイシン・エィ・ダブリュ
アイシン・エィ・ダブリュの企業情報
アイシン・エィ・ダブリュは、トヨタ系のアイシン精機の子会社である、日本の自動車部品サプライヤーです。オートマチックトランスミッション(AT:Automatic Transmission)、無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)、カーナビゲーションなどを扱っており、このうち主力のオートマチックトランスミッションの売上が全体の約9割を占めています。アイシン・エィ・ダブリュは同製品の世界シェア首位のメーカーで、特にトヨタグループやフォルクスワーゲン(VW:Volkswagen)グループ向けの売上高が大きいです。
1969年に設立されたアイシン・ワーナーが、アイシン・エィ・ダブリュの前身です。アイシン精機とボルグワーナー(BorgWarner Inc.)の合弁会社としてスタートしました。1971年から本社工場を稼働させ、オートマチックトランスミッションの生産を開始。
1987年にボルグワーナーとの合弁契約が終了し、1988年に現在の社名に変更しました。
2002年、アイシン・エィ・ダブリュ精密と合併。同社は現在の田原工場(愛知県)として操業しています。
同年、ロバート・ボッシュ(Robert Bosch)およびボッシュオートモーティブシステム(Bosch Automotive System)と、合弁会社シーヴイテックを設立。同社は2006年に連結対象子会社化しています。
2012年には、オートマチックトランスミッションの累計生産台数が1億台に達しました。
2015年の3月末時点では、本社のほか、国内に4ヶ所の生産拠点、5社の生産子会社、1ヶ所の研究開発拠点、6ヶ所の海外生産拠点を有し、約25,700人の従業員を抱えています。
現在は、TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)に対応した新型オートマチックトランスミッションの拡販と、2020年に厳格化されるEUの排ガス基準に対応する製品の開発に注力しています。
事業戦略
事業方針
アイシン・エィ・ダブリュは、2020年度の売上高1.5兆円を目標として設定しています。2014年度に達成した営業利益率8%を維持しつつ、売上高の拡大を狙う方針です。主力製品であるオートマチックトランスミッション(AT:Automatic Transmission)については、2013年度比で約50%増となる年間1千万台まで、生産台数を拡大させる目標を掲げています。
日本国内で製品を生産することで性能と品質を確保し、それを強みに販売を伸ばしたい考えです。一方、納入先である完成車メーカーの海外生産の拡大に対応した現地生産も積極的に実施しています。
オートマチックトランスミッションに関しても、日本だけでなく、特に自動車市場の成長が顕著な中国において供給体制を整備し、2020年度までに年間生産能力を120万台まで増強する方針です。さらに、トヨタ自動車向けとそれ以外向けの部品を共通化することで、コスト競争力を高めたい考えを示しています。
このほか、将来的に厳格化するヨーロッパの排ガス基準に対応したオートマチックトランスミッションの開発や、新興国での需要の高まりが予想される過給ダウンサイジングエンジンにも対応する方針です。
注力分野
アイシン・エィ・ダブリュは現在、「TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)」に対応した新型オートマチックトランスミッション(AT:Automatic Transmission)の拡販と、2020年から規制が強化されるEUの排ガス基準に対応するシステムの開発に注力しています。
○TNGA対応の新型オートマチックトランスミッションの拡販
トヨタ自動車が提唱する設計ルール「TNGA」に対応した新型オートマチックトランスミッションを次期主力製品に位置付け、拡販を図っています。
また、非トヨタグループ向け製品と部品の共通化を図ることにより、性能を確保しつつ、コスト競争力を高めています。トヨタグループ以外では、主にフォルクスワーゲン(VW:Volkswagen)向けの拡販を狙う方針です。
同製品の生産に関しては、2015年5月に岡崎東工場に新建屋を設置し、生産スペースを従来の2倍以上に増強。2016年の生産開始から数年にわたり、年間生産能力を100万台まで引き上げる計画を示しています。
○EUの排ガス基準に対応する製品の開発
2020年からEUのCO2排出規制が厳格化されます。アイシン・エィ・ダブリュはオートマチックトランスミッションだけでなく、エンジンやその他の部品との組み合わせによる、規制への対応を進めています。
これに関して、主に下記のような新製品の開発を進めています。
- 独自の1モーター式ハイブリッドシステムの開発
- 9速オートマチックトランスミッションの開発
- オイルを温めることによって最適な使用条件を作り出す熱マネジメント技術の開発
- エンジンの少気筒化に対応した制振技術の向上
また、これらの製品についても、TNGAに対応した新型オートマチックトランスミッションと部品を共通化することで、コストの低減を図る方針です。
技術動向
2015年3月末時点で、アイシン・エィ・ダブリュは日本のほか、海外に3ヶ所の研究開発拠点を有しています。
下記は、アイシン・エィ・ダブリュの研究開発活動の一例です。
・1モーター式ハイブリッドシステム搭載の新型トランスミッションの開発を開始
2020年から強化されるEUの排ガス基準の達成に寄与する、トルク300ニュートン・メートル以上の大型車向けシステムへの搭載を想定したトランスミッション。2015年4月時点で、すでに試作品の開発が完了。
・蘇州(そしゅう)インダストリアルパークに研究開発拠点を設置
中国の蘇州インダストリアルパークに、エンジンとトランスミッションに関する研究開発・設計・試験・技術サポート・技術コンサルティングを行う機能を持った、AW(蘇州)汽車零部件公司(AW Suzhou Co.,Ltd.(China))を設置。投資額は3,900万ドル。
グローバル展開
2015年3月末時点で、アイシン・エィ・ダブリュは日本国外に6ヶ所の生産拠点と、3ヶ所の研究開発拠点を有しています。
海外生産拠点の内訳は、アメリカが1ヶ所、ベルギーが1ヶ所、中国が3ヶ所、タイが1ヶ所。また、アメリカに1ヶ所、ベルギーに1ヶ所、中国に1ヶ所の研究開発拠点を設置しています。
○新興国をはじめとした海外における取り組み
■中国での取り組み
- 2014年8月、FF(Front engine Front drive)用オートマチックトランスミッション(AT:Automatic Transmission)を生産する天津(てんしん)市の工場が稼働を開始。投資額は160億円で、年間生産能力は40万台。
- 2015年6月、フォルクスワーゲン(VW:Volkswagen)とPSAプジョー・シトロエン(PSA Peugeot Citroen)からの受注拡大に対応するため、FF用オートマチックトランスミッションを生産する天津市の工場の年間生産能力を80万台に増強。
■タイでの取り組み
- 2014年12月、チョンブリ県に生産子会社のエィ・ダブリュ・タイ(AW(Thailand)Co.,Ltd.)を設立し、2017年7月からFR(Front engine Rear drive)用オートマチックトランスミッションの生産を開始すると発表。投資額は100億円で、年間生産能力は12万台。ASEANではマニュアルトランスミッション(MT:Manual Transmission)が主流だが、将来的なオートマチックトランスミッションの需要増を見込んで進出。
会社概要
拠点一覧
アイシン・エィ・ダブリュの拠点(研究開発・テストセンター含む)
国内拠点一覧 |
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